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進学通信

2023年6月

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学校生活ハイライト
灘の『文化祭』

公開日2023/7/31
生徒一人ひとりと来場者の思いが弾け、混じり合う
今ここにしかない「Splash!」を体感する2日間

 2023年5月2日・3日の2日間、灘の第77回文化祭が開催されました。今回は事前申込が不要の、4年ぶりとなる〝無制限開催〟。さらに、コロナ禍のもとで実施したオンライン文化祭の経験を活かしてWEBコンテンツも充実させた、まさにポストコロナを象徴する〝ハイブリッド文化祭〟です。テーマは「水しぶき」「まだら」の意味を持つ〝Splash!〟。灘校生と来場者のそれぞれの汗や涙、思い、個性が一気に弾け、混じり合って、世界に一つだけの、一生忘れられない文化祭を描いていく、という思いが込められています。
 文化祭は2日間の来場者数がのべ2万人以上という注目度の高さを誇ります。その一大イベントの準備・運営にあたる文化委員会も規模が大きく、今回は総勢266名。5つの専門部隊が編制され、成功に向けて全力を尽くします。文化祭当日の巡回などを担う「総務課」、校内装飾を行う「装飾課」、各所ステージの企画・運営を手掛ける「ステージ課」、ロゴやパンフレットを作成する「デザイン課」。そして、文化祭のホームページや公式SNSで発信するオンラインコンテンツを作成・管理する「オンライン課」。カウントダウン配信を本番100日前からスタートするといった積極的な告知に加え、久々の無制限開催ということもあり、今は例年以上と思われる人出となり、校門へ向かう道中から期待感が高まっていくのを感じました。

 特筆すべきは、その期待を上回るクオリティです。シンプルながら巧みなオチで会場中を沸かせる漫才。ずっと眺めていたくなるような星空に包まれるプラネタリウム。目が覚めるようなインパクトにどよめきが起こった化学マジック。リラックスした雰囲気のなかで灘校生が小学生の質問に答えていく質問会。すべての人にとって特別な文化祭にしたいという、「Splash!」に込められた思いを体現する姿があちこちで見られました。 
 最も印象深かったのはフィナーレです。ステージに上がったのは文化委員たち。本気でやり遂げたからこその自信に満ちた表情や、「灘校生と、今ここにいる皆さんの笑顔が誇らしい」というメッセージは、来校した子どもたちに「いつかあの場所に立ちたい」と思わせる温かさに満ちていました。
 思い描く形を目指して、一人ひとりが自分らしく、全力で臨んだこの日。〝精力善用〟の精神と〝自他共栄〟の教えを根幹とする自由な校風と生徒の姿を、肌で感じる一日となりました。

毎回立ち見が出ていた生物研究室によるイカの解剖。エビ、イカ、カエルの解剖が各2回、計6回行われた。体験談も盛り込みながらわかりやすく、かつ熱く語られる解説は、聞き応え満点!

『学校対抗早押しクイズ大会』では灘校クイズ同好会が、東大寺学園・西大和学園・大阪星光学院といった強豪校と、ドラマや歴史など幅広いジャンルに関わる早押しクイズで対戦。その勝敗の行方に会場中が釘付けに!

人気企画『灘高一受けたい授業』。今年は灘校生自慢の国語・地学・数学・地理の教員が登場。受験や試験のためだけにとどまらない、引き込まれる授業を展開した。

来場者参加型のブースも多彩。囲碁部・将棋部・オセロサークルでは灘校生との対戦を楽しめる。鉄道研究部(写真)による運転シミュレーター、アマチュア無線研究部による電子工作やロボットプログラミング教室、地学研究部による砂金掘り体験、数学研究部による算数・数学の問題のチャレンジコーナーなども、子どもたちに大好評!

中庭ステージ

100名以上からなる装飾課が、数カ月をかけて校内装飾の制作を行った。中庭ステージ背景装飾もその一つ。『Splash!』のロゴを取り入れた色鮮やかなデザインで、花形であるステージを彩った。灘校一の美女を選ぶ『Ms.灘コンテスト』、筋肉美を競う『筋肉王』、有志の15組がダンスを披露する『ODORIBA』など、人気企画が目白押しの中庭ステージ。優勝者は2日目のフィナーレにも登壇し、個性豊かなパフォーマンスで来場者を魅了した。

グラウンド

『ストラックアウト』『スピードガン』『ヨーヨー釣り』『射的』『キックターゲット』『スーパーボールすくい』のゲームブースが設置されたグラウンド。
多くの子どもたちでにぎわった。

校内ステージ

入学したばかりの中1と先輩たちによるトークステージ『新中1企画』や、高3が参加者からの質問に答える『あなたの知らない灘校生~教えてもらう前と後~』は、学校生活や灘校生の日常を知る絶好のチャンス。「灘を目指した理由は?」「クラブ活動は複数できますか?」「1日の勉強時間はどれくらい?」などの質問にていねいに答えた。

本館ステージ・音楽室ステージ・体育館ステージでは、クラシック研究部、ブラスバンド部、有志が演奏を披露。日頃の練習の成果を存分に発揮した。

常に満席、後方も立ち見で埋め尽くされていた視聴覚ステージ。『N-1グランプリ 2023』の敗者復活戦で幕開け、『IPPON グランプリ』『灘校生格付けチェック』など人気番組のパロディーも。

クラブ・同好会

行列が絶えることがなかったブースの一つが、地学研究部のプラネタリウム。ブラスチックダンボールとアルミパイプからなるドーム内に、吸い込まれるような夜空が映し出された。

一部企画において抽選制・整理券制が導入されており、化学研究部によるマジックもその一つ。過酸化水素水と洗剤を用いたマジックでは大きな泡が出現した瞬間、会場に驚きの歓声があがった。

レゴ同好会のブースには、八坂神社の西楼門をはじめとする作品がずらり。幅広い年代の来場者が立ち止まって見入る姿が多く見られた。クラブやサークル・同好会のブースはなんと40以上。書道同好会、写真同好会などバリエーションに富んだ展示は、いずれも大人もうなるクオリティ。自分のやりたいことを本気で楽しむ灘校生らしさが伝わってくる。

文化委員の思い
フィナーレでは文化委員会があいさつ。感謝と敬意を込めた一丁締めで幕を閉じた。フィナーレでは文化委員会があいさつ。感謝と敬意を込めた一丁締めで幕を閉じた。

高3・Yさん(文化委員長)
灘校生一人ひとりが持つ個性、力量、情熱が合わさって生み出されるパワーは計り知れません。ふと今日の文化祭を思い出し、皆さんの活力や笑顔を引き出すことができたなら『Splash!』は成功だと思います。委員長として意識したのは、準備・運営に関わる人たちの「つなぎ目」となること。互いの意見を聞き、わだかまりなく力を合わせられるよう調整することに心を砕きました。今回の文化祭の隠しテーマは「次世代の文化祭の種に水をまく」です。来年以降も“ここにしかない祭り”にご期待ください!

 

高3・Eさん(総務課長)
トランシーバーを持った「当日巡回担当」を設置。何かあればすぐに委員会と先生方とで共有できるよう連絡系統を整備しました。委員会全体を管理する立場として心がけたのは、皆が安心して準備できるよう何事も前倒しに進めたことです。一丸となって頑張ってきた灘校生の“本気”を感じてもらえたらうれしいです。

 

高3・Tさん(デザイン課長)
デザイン課はロゴやパンフレットなどのデザインを通して、来場者の方と灘校をつなぎ、来場者の方がコンテンツを全力で楽しむための手助けを行いました。特に文化祭の顔であるロゴのデザインは、試行錯誤を重ねて完成させました。勉強だけではなく、好きなことも全力で楽しんでいる灘校生の一面を感じていただけたらと思います。

 

高3・I さん(当日責任者)
「高校生だから」と甘んじるのではなく、高いレベルのものを提供したいと思っています。来場者の方にわかりやすいように、今年度より校内の掲示を強化しました。ステージやブースはもちろん、一つひとつのデザインや部誌の印刷に至るまで、すべてのものに生徒の数カ月に及ぶ努力、知恵、工夫が詰まっていることを感じていただきたいです。

 

高3・Fさん(オンライン課長)
文化祭ホームページ『Splash!』では「お問い合わせフォーム」を開設。質問に文化委員がメールにて回答しました。見どころの一つは動画サイトです。ステージ企画に関する配信、アーカイブ動画、出展するクラブ・サークルによる解説動画、企画動画などをアップ。時間を忘れて楽しんでいただけると思います!