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進学通信

2022年6月

この記事は1年以上前の記事です。

School Update
「伝統×革新」の教育で
“心”を育み自己実現へ導く

公開日2022/8/1
2022年度より、新しく校長に就任された水谷善仁先生。「昨年度まで生徒に近い現場にいたことを活かして、生徒目線を大事にすることを忘れずにいたい」

2022年度より、新しく校長に就任された水谷善仁先生。「昨年度まで生徒に近い現場にいたことを活かして、生徒目線を大事にすることを忘れずにいたい」

 創立130年余、校祖・法然上人の教えと仏教的価値観に基づき、徹底した全人教育を実践する上宮学園は“心を育てる”ことから始まる教育を何より大事にしています。水谷善仁校長は、次のように理念を語ってくれました。
「よく“知・徳・体のバランス”と言われますが、まず心が育たなければ、どれも実現できません。目標の達成に向けて努力する力は、心の成長に伴い身につくものだと思うからです。心が育っているからこそ、正しい判断に基づいて行動することができるはずです。これがすなわち、校訓である『正思明行』(ものごとを正しく見つめ、明らかに行動すること)の体現です」
 同校では、『正思明行』を実践するための『学順』があり、「一に掃除」「二に勤行」「三に学問」と定めています。つまり、学問は大事だけれど、あくまで三番目。身の周りと心身を美しく整頓し(=掃除)、日々努力を重ねた(=勤行)うえで、学問に臨むべし、という教えです。“心”の成長をいかに大切にしているかがわかります。
 もちろん、このような理念を実行するには、教育環境そのものも大切です。そのため、授業・学校行事・部活動・施設設備にいたるまで、非常に多様で個性的なものになっています。“変わらずにいるべきもの”と、時代に即した“変わるべきもの”を見極めながら、柔軟でしなやかな学校づくりを行ってきました。生徒たちはそうした環境で、日々を過ごしています。
 たとえば、法然上人の月命日にあたる25日に毎月執り行われる『御忌式』は、思いやりの“心”に立ち返る場。また、文武両道を重んじ、部活動が活発であることも変わらない同校らしさです。行事を通して先輩は後輩を思いやり、さらに後輩は先輩から学ぶ関係性を築くことも、伝統が息づく校風だと言えるでしょう。
「さらに生徒と同じ目線で教員自身も学び続けること。私たちは教育ならぬ『共育』と称していますが、これも変わらない部分ですね」   (水谷校長)
 一方で、時代を見すえた変化としては、英語学習への注力やICT環境の整備が挙げられます。食堂や図書館、人工芝のグラウンド、多様な運動施設など、先進性を備えた設備面の充実も同様です。
 不易・流行を見極めた環境で、生徒たちは上宮イズムを“心”に根づかせていきます。文字どおり心身ともに成長を続け、自己実現に向け走り続けているのです。

時代に応じたスキルを見すえ
英語教育に注力

英語の授業は、週のうち2~3回はネイティブ教員が担当。この頻度は一般的な中学校と比べてもかなり高く、生きた英語を学ぶ絶好の機会となっている。アウトプットの場を増やすべく、近年は暗唱大会(写真)も実施中。

ECC国際外語専門学校が提供するグローバル体験プログラムでは、飛行機内など、実際の設備に近い環境を再現した施設で、英語での搭乗手続きなどを体験し、実践的な英語力を身につける。

シンガポール修学旅行やカナダへの短期留学(希望者)など、国際体験も豊富。共に現地ではホームステイを原則としており、実生活を通した語学学習や文化体験ができることを重視している。

先進性を取り入れた設備・施設

食堂は同時に200人ほどが利用可能な広さを誇り、レイアウトを変更して大規模なカンファレンスなどにも利用できる。食券は、食堂外にも設置された専用券売機で事前購入(予約)もできる便利なシステム。

全教室に電子黒板機能付きプロジェクタとWi-Fiを完全配備。全学年にタブレット端末を持たせ、ICT機器の特性を活かした授業を展開している。

多彩な経験で“心”を磨く

伝統行事『御忌式』。校祖・法然上人のご遺徳を偲び、校長の講話などを通して、上人の教えであった他者への思いやりの大切さを再認識する。「今後は校長だけでなく、他の教員も話す機会を設ける予定です。より多様な視点から気づきを得られる場にしたい」(水谷校長)

部活動は、他者との“和”を学ぶ場として位置づけられている。全国的な強豪部も擁する同校だが、勝つことだけが目的ではない。純粋に「楽しむ」ことを重視するクラブもあり、どこに入部するかは生徒の価値観による。クラブ加入率はかなり高くなっている。

『体育祭』は、エディオンアリーナ大阪を貸し切って行われ、特に新入生はそのスケールに驚くという。しかし大事なのは、ここでも“心”の教育が取り入れられていること。生徒会が主体となり、学年を超えた縦割りのチーム編成がされ、種目なども生徒たちが自分で考える。

伝統となっている長野県での『スキー実習』。スキーのレベルが近いグループが構成されるため、その中で発生する助け合いを育むことが目的。中1・中2が合同で行うことで、上下関係を学ぶ交流の場としても位置付けられている。

和歌山県の日置川町で行う民泊体験。都市部では経験できない田舎の暮らしを、現地住民のお宅に宿泊し、実生活の中から多くを学ぶ。