4月27日・28日の2日間にわたって開催された中高同時開催の学園祭。ここ数年、コロナ禍のため行事の中止や規模縮小で、くやしい思いをしてきた生徒たち。今年はステージや模擬店も復活した2年ぶりの本格的な実施となり、生徒たちの意気込みは並々ならぬものがあります。学園祭のテーマは“Welcome to Mas
carade”(仮面舞踏会へようこそ)。
「現在のマスク生活という状況を逆手に取り、マスクを“仮面”に見立て、ニューノーマルな生活のなかでも舞踏会のように楽しい時間を過ごしてほしいという思いをテーマに込めました」(高3・Oくん/高校生徒会長)
学園祭は実行委員・執行部(生徒会)・パートスタッフが中心となり、生徒主体で行われます。例年は秋から準備が始まりますが、コロナによる活動制限の影響もあり、今年は1月からという時間のない状況で、課題が山積み状態からのスタート。それでも皆、臆することなく「学園祭を成功させたい!」という共通の熱い思いで、数々の困難を乗り越えてこの日にたどり着いたのです。
メインステージではダンスやバンド演奏が繰り広げられ、“ステージパート”の生徒たちが音響・照明・カメラを担当し、発表内容に合わせた演出効果で、観客席を盛り上げます。“密”を避けるため、そのようすは各教室にライブ中継され、会場に来なくてもステージが楽しめる工夫がされていました。
今年は模擬店が復活し、高3はクラスごとに個性あふれる出し物を開催していました。学年企画では中学生も大活躍。教室内の飾りつけや、ダンボールや新聞紙でゲームを作るなど、クラス皆で午後からの出し物の準備をしていました。「準備を通していろいろな人と話して仲良くなれました」という中1生。学園祭は、入学・進学したばかりでまだ慣れないクラスメートたちとコミュニケーションを図り、友人関係を築く場としての位置づけもあるそうです。
「今年は今までの伝統を守りつつ、“コロナ禍だからこそできること”を考えた学園祭になっています」(高3・Iさん/実行委員長)
前例もなく、多くの制約がある状況を嘆くのではなく、逆境を前向きな気持ちで捉え、今だからできることを考えて楽しむ生徒たちの姿は、たくましさと強さにあふれていました。同校が掲げる「力の教育」の実践がまさに形となり、大きな人間力が育まれていることを実感できる学園祭でした。
実行委員と執行部、パートスタッフが舵を取り実現した学園祭。担当ごとに色分けされたトレーナーを着用し、それぞれの役割で学園祭を盛り上げた。
紫色のトレーナーを着用した“ステージパート"の生徒たちは、音声やカメラ、照明など、ステージ上の演出すべてを担当。
「今年は今までとは一味違う、カッコいい舞台を制作しました。みんなで盛り上がれるステージにします!」(ステージパート生徒)
高3・Oくん(高校生徒会長/左)
僕たち高3は、コロナ禍で大きな行事がほぼ中止となった高校生活でしたから、今回の学園祭は貴重な行事の思い出となります。ですから、後に振り返ったときに「楽しかったな」と心に残る学園祭にしたいという強い思いがありました。企画を立てるにあたり、まず中高生全員のことを第一に考えなければいけないので、やりたいことだけを押し通すわけにはいかず、もどかしい気持ちがありましたが、制約が多いなかで、一つひとつを実現させていくことにやりがいを感じました。皆がこの学園祭の中で輝き、舞踏会のように華やかできらびやかな時間を過ごしてほしいです。
高3・Iさん(実行委員長/左から2番目)
今年は高校生活最後の年なので、「学園祭でステージも模擬店もやりたい!」と思い、それをかなえるために実行委員に立候補しました。準備の時間がなかったのが大変でした。私はもともとすぐにあきらめてしまう性格なのですが、この学園祭はどうしても成功させたいという気持ちがあり、そのなかであきらめずに何度も挑戦する姿勢を身につけることができました。見どころは2年ぶりに復活した模擬店です。食べ物の販売はできないので、出し物という形で実現しました。
中3・Sさん(中学生徒会長/右から2番目)
コロナでまだまだ制限が多いですが、皆が楽しめる学園祭にしたいという気持ちで臨みました。展示マップ作りが大変でしたが、そのマップを皆が見て使ってくれていたので、苦労したかいがありました!
中3・Aさん(中学生徒会役員/右)
中学企画のみどころは講堂発表で、クラスやクラブの動画を観ることができます。特に入学したばかりの中1のクラス動画は、それぞれのクラスの特徴があって面白いです。
段ボールを使ってお菓子や宇宙のイラストを描いたオブジェを制作し、空けた穴にボールを投げ入れる『ストラックアウト』の模擬店を行った中1女子クラス。
「自分たちがやりたいことをやろう、と皆で企画しました」(中1生徒)
自分たちで作った『射的』や『ストラックアウト』を楽しむ中1男子クラスは、
皆、とにかく元気!頭のヘッドセットは各自が考えた“仮面"で、それぞれの個性があふれる仕上がりに。
女子クラスの脱出ゲーム『逃げ切れると思ってるの?』には長蛇の列が!2日間の模擬店はコンテストで競うものとなっており、来客数は大きな評価対象となるため、どのクラスも気合いの入った企画に。
多くの人に参加してもらおうと、卓球・ボウリング・輪投げなど、多くのゲームが楽しめる男子クラス。
ダーツで獲得した点数をルーレットで増やす、男子クラスの『39C-love~happy party~』。ミラーボールの照明を設置するなど、教室内はカジノのような雰囲気。「ありきたりなことはしたくなくて。ディープな雰囲気を楽しんでもらいたいです」(高3生徒)
高校有志企画のシューティング『サンリオシューティングランド』と『ぶちのめせin it』。「コロナ禍なので非接触で楽しめるものをと考えてシューティングにしました。仲の良い友だち同士で考えたのですごく楽しい!」(高3生徒)
高校有志が出場するメインステージでは、ダンス、バンド、楽器演奏などのさまざまな出し物が。
普段から友人と取り組んでいる活動だけに、どの出演者もチームワークは抜群。
1日目の後半には教員バンドも出演し、普段と違った先生たちの姿に生徒たちは大盛り上がり!メインステージは中継されており、各教室でも楽しむことができる。
展示室には段ボールで制作した人気アニメのキャラクターや、馬車や王冠、お城など仮面舞踏会をモチーフにしたものなど、高1・高2各クラスの力作が並ぶ。他にも写真部、解放研究部、華道部、さらに廊下には書道部の作品が展示されていた。
理科部ロボット班による実演には多くの生徒が注目。真剣な表情で部員の話に耳を傾ける。同部は世界大会に参加した実績もあり、ロボット作りやプログラミングなど、ハイレベルな活動内容で日々取り組んでいる。
“デコレーションパート”の生徒たちによって校内のあちこちがゴシック調に装飾され、仮面舞踏会の雰囲気を盛り上げる。
講堂1日目は、中1学年企画として各クラスが3分ずつの動画を作成して発表。
「どんなクラスにしたいのか」「皆でやりたいこと」をコントで形式で表現したり、「先生の好みのタイプは?」などを発表するクラスもあり、
動画を見ながら皆、大いに盛り上がりを見せていた。他にも部活動発表、2日目は中2と中3の学年企画も。
“デコレーションパート”の生徒たちが作り上げたフォトスポット。
紙の花で作られた大きなハイヒールや、ドレスアップができる顔出しパネル、
大きなシャンデリアなどを背景に、「映える」こと間違いなし!