
ソーシャルディスタンスをきちんと保ち並べられた座席。着席の誘導もスムーズで、安心感が伝わってきた。

説明会会場の入口では、バレーボール部の生徒が受付を担当。資料が入った手提げバッグを明るくていねいに手渡していた。袋を彩る鮮やかな色彩のリンゴの絵は、美術の時間に生徒が描いたもの。
2021年11月20日、小学生と保護者を対象に、開明中学校の入試説明会が開催されました。完全予約制で参加人数は1組あたり合計2名まで、などの感染症対策が徹底されており、大切な子どもを預ける学校の真摯な姿勢に、保護者の安心した表情が見てとれました。
オープニングを飾ったのは、中高合同で活動する『合唱部』による演奏です。人気アーティストの楽曲が流れると、会場は明るい雰囲気で満たされました。
司会者による開会のあいさつに続き、林佳孝校長が次のように話されました。
「現在多くの学校がアクティブラーニングやICT教育に力を入れており、それが最上級の教育のように謳われています。本校でも重要な教育手法と位置付け、積極的に採り入れていますが、それらがすべて正解だとは思っていません。たとえばグループディスカッションは生徒の自発性を促しますが、じっくり考えて答えを出すタイプの生徒が置いて行かれる可能性もあります。本校では一人ひとりの個性を尊重することで、生徒の成長を促しています。また、授業を受けた生徒が『なるほど、そうだったのか!』というように、学んだことに対して気づきや興味を持ち、自ら学びを深める意欲を喚起する教育を実践しています。近年の新しい授業形式が何でも素晴らしいのではなく、100年の歴史に裏付けられた確かな教育方針のもと、のびのびと可能性を育んでいるのです」。
続いて学校生活のスライドショーが上映され、竹森順一中学教頭より教育方針や教育活動、2021年の大学入試結果を中心とした説明が行われました。
また、同校の学びの基本は体験学習にあり、多彩な行事や探究・研究発表、国際交流などが紹介されると、自らの学校生活をイメージしたのか、瞳を輝かせてイキイキとした表情で話を聴く児童たちの姿が見られました。
さらに豊富な授業時間、手厚い学習指導、コース編成などについて具体的な例が示されると、保護者は身を乗り出して聴いていました。
その後の保護者向け説明会と並行して行われたのが、児童対象の校内見学です。少人数グループに分かれ、先生の引率で校内のあちこちを見学し、本格的できれいな設備に児童たちは感動したようすでした。理科実験やクラブ活動の見学では、生徒と言葉を交わす機会もあり、緊張気味の児童に対し、朗らかな笑顔で優しく接する生徒の姿に、同校の教育がそのまま表れていることを実感した一日でした。

合唱部の演奏。息ぴったりのさわやかなハーモニーが響くと、会場の緊張感がほぐれ、和やかな雰囲気に。

「ICT教育などの新しい教育手法を本校では無条件に導入するのではなく、その教育の本質と子どもに対する影響をしっかりと見極めることが大切だと考えています。その上で良いと判断したものは積極的に採り入れ、有効に活用していきます」(林佳孝校長)

教育活動全般について話された竹森順一中学教頭。児童や保護者の目線に立ったわかりやすい解説が行われた。

個別相談会では、わが子に豊かな学校生活を過ごさせたいと願う保護者の思いに応えるべく、先生方は一人ひとりの質問や相談に親身に対応していた。

サッカー部の練習を見学。人工芝のグラウンドは水はけが良く、夜間はLED照明で明るく照らされるなど、安全面に配慮されている。部活動は、中学生は18時まで、高校生は19時まで活動が可能。

約4万6000冊の蔵書を誇る図書館。磁気式の図書カードを利用することにより、貸し出しと返却がスムーズに行える。しばらく自由見学の時間も設けられ、児童たちは思い思いの本を手に取り楽しんだ。

生物実験室で生物部の実験を見学。この日はカエルの血液を用いたルミノール反応の実験で、照明を落として青白い光が浮かび上がると、参加者からは「おお~」という歓声があがっていた。

地下の温水プールは、初夏から秋にかけての体育の授業や、水泳部の練習で利用。

食堂や保健室、家庭科室、調理実習室、自習室、職員室など校内をくまなく見学。

日本の様式美が感じられる和室では、茶道部が活動中。厳かな雰囲気と美しい所作に感化されたのか、さっきまでにぎやかだった児童たちも静かな態度で見守っていた。

銅や錫(すず)などの金属が、電気分解でどのように変化するかという実験を見学。「ビスマスという金属を溶かして冷やして固まると、結晶化して角張ったユニークな形状になります」という生徒からの解説を、皆、興味津々に聴いていた。