中学校検索

地域
学校区分
学校名
検索
閉じる

進学通信

2022年3月

この記事は1年以上前の記事です。

実践報告 私学の授業
自ら課題を見つけ、自ら学ぶ
中学3年間の総合学習で“探究力”を高める

公開日2022/4/12
生徒目線で橘の魅力を伝える『学校案内パンフレット作成』
学校案内パンフレットは、タブレット端末を使用して作成。画面上で、文章作成やレイアウトができるだけでなく、どこにいても皆で情報共有ができる学習支援アプリ『ロイロノート・スクール』を活用。

学校案内パンフレットは、タブレット端末を使用して作成。画面上で、文章作成やレイアウトができるだけでなく、どこにいても皆で情報共有ができる学習支援アプリ『ロイロノート・スクール』を活用。

 身近なことに興味を持ち、自ら課題を発見し、解決に向けて周りの人と協働する。同校ではこの力を“探究力”と称し、総合学習の授業を通じて培っています。従来の総合学習では、中1で飲料メーカーの工場見学や大学の研究者を招いての出前授業を、中2では仕事体験や企業見学、中3では京都橘大学での救急救命体験や、卒業論文作成などに取り組んできました。
 これらに加えて、2021年度からは中2の2学期に『学校案内パンフレットを作ろう!』という新しい取り組みが始まりました。自分たちで企画・取材・編集を行い、オープンキャンパスで来校者へ紹介します。
 学校案内パンフレットは、学校の魅力を学外の方へ伝えるための大切な資料です。生徒たちは改めて京都橘の魅力を見直し、それを効果的に伝えるためのアイデアを出し合いました。各クラスで打ち出されたコンセプトは、1組は「明るさ」、2組は「中学生の目線で小学生へ」。
 次に誌面・ページ構成を決め、それに基づいたインタビューや撮影などの取材を行い、原稿作成に取りかかります。制作にあたり、同校のパンフレット制作担当者より「思いをかたちにする」というテーマで講演会が行われました。彼らがどのような思いで日々ものづくりをしているのか、気をつけている点は何かというお話に、生徒たちは真剣な表情で耳を傾けていたそうです。
 そのお話をもとに、企画やコンテンツを練り、より良い表現方法を模索して改善策を考えるなど、授業は回を重ねるごとに熱気を帯びました。そしていよいよ印刷に取りかかる直前の、仕上げ作業が始まりました。各クラスとも、全員で各ページの校正に取り組みます。2組担任の佐々木翔太先生は、あるページを示して「この表現は、日本語として正しいかどうか調べた?」と皆に問いかけていました。また、1組担任の友田哲平先生は、漢字の送りがなの間違いを指摘し、「何度も皆で見ていても、見落としが出てきます。気を引き締めてもう一回チェックしよう」とアドバイスを送ります。生徒たちは初めての作業に戸惑いながらも、仲間と相談しながら誌面を見直し始めました。仕上げ作業に取りかかった生徒たちの真剣な姿からは、「自分たちの手で、自分たちにしかできない最高のパンフレットを作りたい」「生徒目線ならではの京都橘の魅力を伝えたい」「見た人が行きたくなるような学校案内を作りたい」という強い思いが伝わってきました。

1学期創造力・職業観を育む

1学期は、一人ひとりが京都橘にまつわるネタを考えて『たちばな あるあるかるた』を作成しました。

さらに、職業観を育むために『職業調べ』『職業体験』、製薬会社の方を講師として招き“職業観”をテーマとした『講演会』を行いました。

2学期
仲間と作る『学校案内パンフレット』
で協働力を身につける

 立候補で決まった編集委員を中心に、3〜4名でグループを組み、ページや役割を分担して作業を進めます。そしてグループで作成したページのデータを編集委員が受け取り、全体の統一感を持たせるために調整や編集をしていきます。
 1組は、施設紹介・授業紹介・学校での一日のスケジュール・制服紹介・先生紹介などのコンテンツで展開。写真の使い方や色づかいを工夫して、コンセプトに沿った「明るい学校案内」にしています。
 2組は、教科紹介・校長先生&教頭先生からのメッセージ・制服&施設紹介に加えて、高校生の先輩紹介・先輩のノート公開・入学して驚いたことランキングという構成で展開し、各コンテンツに「在校生から見た○○」というコラムを記載して「中学生目線を大切にする」というテーマをかたちにしています。

3学期思考力・表現力をさらに鍛える

3学期前半は、中1生に向けて、2学期に作成した『学校案内パンフレット』での苦労や工夫したこと、やりがいなどをプレゼンテーションします。

後半は、中3での研修旅行に関する事前学習を行い、調べた内容についてポスターを作成します。

Teachers’ Voice★
2年1組担任<br />
友田 哲平先生

2年1組担任
友田 哲平先生

 1学期の総合学習では社会に目を向け、2学期で学校案内パンフレット作成に取り組むことで、協働して答えのない問いに向かって皆で考え、行動することを体験しました。そして3学期にその経験を後輩へ伝えます。
 本校の生徒は、中1から調べ学習、発表を繰り返しているため、新しい取り組みを前にしても恐れることなく楽しんで取り組んでくれました。今回の学校案内パンフレット作成にも意欲的に取り組み、期待以上の良いものができたと思います。

2年2組担任<br />
佐々木翔太先生

2年2組担任
佐々木翔太先生

 京都橘の総合学習は“本物に触れる”をキーワードに、好奇心を刺激し、自ら課題を見つけ、学ぶ姿勢を養っています。コロナ禍で学外に出向くことができなくなり、代替案としてオンラインで企業の方に協力してもらい職業観を育む機会としました。たとえば製薬会社の方からは「病院へ行くほどでもないけれど、体調が思わしくないときの手助けになる薬を開発しています」というお話がありました。作る人たちの思いに触れることで、社会のために働くとはどういうことかと考える機会になりました。