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進学通信WEB版

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Web記事
”100%の自己肯定感”を育む学校をめざして
『学びの森』プロジェクトを取り入れた新カリキュラムを始動

お話を聴かせてくれた古屋路子校長(左より2番目)

公開日2022/9/8
「ヴェリタス城星学園高等学校」がスタート!
ーー校訓を刷新し、新カリキュラムを導入

本校は、イタリア本部を中心に世界中で活動している女子修道会「サレジアン・シスターズ」を設立母体とするカトリックミッションスクールです。私たち一人ひとりが神様から愛されるかけがえのない存在であり、その一人ひとりに固有の価値があります。そのことを、教育を通して伝えるのが本校の使命。社会が大きく変化していくなかにおいても、その使命をより力強く果たしたいという思いから、2022年度より校名を「ヴェリタス城星学園高等学校」と改め、カリキュラムを再編成して新たなスタートを切りました。

ヴェリタス城星学園の根底にあるのは、創立以来受け継がれてきた揺るぎない教育理念です。「サレジアン・シスターズ」の創立者である聖ヨハネ・ボスコ(ドン・ボスコ)の教えに基づき、本校では二つの言葉を大切にしてきました。

一つは、「ともにいる」ことを意味するイタリア語 “Assistenza(アシステンツァ)”。生徒にとって先生が、ともにいて安心できる存在、個々の小さな変化や成長に気づくことができる存在として、生徒一人ひとりが愛されているという自覚を持てるようになるまで寄り添う教育を実践しています。

そしてもう一つは、「私がやります!」という意味を持つ “Faccio io!(ファッチョ イオ)”。自分の良さを活かして自発的にチャレンジできる人に育っていくよう、いろいろな行事・イベントを設けています。

本校では、生徒のみなさんがこの教育理念を未来の自分の姿に結びつけ、日々の生活の中で活かしていけるように、今までの校訓の書き換えを進めました。そして定めたのが、以下の新たな校訓です。この新しい校訓に、本校が育てたいと願っている女性の姿を表現しました。

私たちは、いのちを慈しむ女性でありたい
私たちは、他者を敬愛する女性でありたい
強くしなやかな心を自ら育む人でありたい
私たちは、未来に光を結ぶ女性でありたい
小さな灯火の温もりのような人でありたい

幅広いテーマを探究する『学びの森』プロジェクト
心にゆとりを持って学べる週5日制・2学期制

新しい校訓に示した女性を育むために、2022年度より、新たなカリキュラムをスタートさせました。

大きな特徴の一つは、探究的な学びの時間『学びの森』プロジェクトの導入です。各教員の趣味や得意分野を活かした講座、大学や企業・NPOとの連携講座など幅広い選択肢の中から、生徒一人ひとりが、興味や目標に合わせて自由に選択することができる『学びの森』。韓国文化を通して韓国語を学ぶ「これであなたも韓国語マスター」や保育のスペシャリストを目指す「幼児教育の基礎」のほか、東京農業大学生物産業学部の協力のもとで地域創生について考える「オホーツク学」、ミュージカルなどにチャレンジする大阪芸術大学とのコラボ講座「ミュージックファンタジー」、学力アップに特化した「チャレンジ国語」や「英検合格」など、テーマは多岐にわたり、週4コマ複数学年混合で実施しています。

『学びの森』の時間は、どの講座でも、生徒たちがリラックスして活発に発言し合い、イキイキと学びを深めている姿が見られます。高1生徒との面談では全員から「『学びの森』は楽しい!」という言葉が聞かれ、理由は「自分がやりたいと思ったことができるから」、「少人数のグループだから意見が言いやすい」など、さまざま。先輩・後輩とのディスカッションやプレゼンテーションなどを通して多様な価値観に触れたり、学校外の人とつながることで視野を広げたりしながら、自ら考え行動し、自己の可能性を広げつつ新たな発見に出合う時間になっているようです。

この『学びの森』プロジェクトを取り入れると同時に、週5日制・2学期を導入しました。目的は、心にゆとりを持たせることにあります。宿題に追われて週末を過ごすのではなく、土日をまるまる使って好きな学びを深めたり、苦手な科目に取り組んだり、趣味に目を向けたり、特技を磨いたり・・・。自分の意志で、時間の使い方を選んでほしいと思います。

「自分で考える力」、「発信する力」を伸ばしながら
自分を知り、貢献できる場所を見つけてほしい

週4コマ分の探究の時間を織り込んだ本校の新カリキュラムは、知識を詰め込む“与えすぎる教育”から、自分で選んで取り組む“与えすぎない教育”へと勇気をもってシフトしようとするものです。

それは、「自分で考える力」「自己肯定感」こそ、次代を生きていく上で不可欠なものだと考えているからです。自分で考え、他者と協力し、困難をともに乗り超えることが求められている現在、かつてのように学歴や知識量に最大の価値を置くのではなく、“どのような人物なのか”が重視されるようになっています。それぞれ、できないこと・嫌いなこと・苦手なことがあるのは当然。大切なのは、それを自覚したうえで考えることではないでしょうか。勉強であれば、どのように苦手を克服し、どのように得意を伸ばすのか。進路であれば、自分がやりたいことは何か、どのような場所であれば自分が持つ力を発揮できるのか。そのような問いかけができれば、着実に前に進めるはずです。

その過程では当然、目標に届かないことや、失敗することもあるでしょう。それでも“自分は愛された存在である”という揺るぎない自己肯定感があり、優劣や成功・失敗が自分の固有の価値を左右するものではないと分かっていれば、まわりに堂々と「助けてほしい」ということもできる。結果を受け止め次に向けて頑張ることもできる。どのような局面も、必ず乗り越えることができるはずです。

「自分で考え、経験から学び、行動・発信できる力」と「100%の自己肯定感」を持つ女性に育ってほしい--それがヴェリタス城星学園高等学校の願いです。その実現に向け、生徒一人ひとりを大切に、愛と信頼に根ざした教育を貫くことに、本校の存在意義があると確信しています。

ヴェリタス城星学園高等学校(2025年度より男女共学化)

〒540-0004
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大阪府 女子