「一生を描ききる女性力」の育成を目指す武庫川女子大学附属。
生徒一人ひとりがやりたいことにチャレンジし、さまざまな経験を得られる環境があります。
その環境を最大限に活かすことで成長を遂げ、夢に向かって歩みを進める卒業生2名にお話をうかがいました。
大阪大学医学部保健学科看護学専攻2回生。中2の時、『創造グローバルコース』から『創造サイエンスコース』に転籍。正課では主に化学分野、課外ではロボット分野の研究活動に取り組み、常任委員会(生徒会)にも参加した。
武庫川女子大学薬学部薬学科2回生。中高6年間、入学前からの希望だった陸上部に所属し、県大会や近畿大会での入賞を経験。勉強や常任委員会の活動などと並行しながら、高3の2月まで続けた。現在も大学の陸上競技部でやり投げの練習に励む。
お二人にとって、中高6年間はどのような学校生活でしたか?
岡本さん
私がこの学校を選んだのは、本格的に陸上競技に取り組める環境があるからです。陸上部に入り、全国大会出場を目標に、中学時代は100m走、高校時代はやり投げの練習に明け暮れていました。
田中さん
『創造グローバルコース』での研究活動を頑張りました。高校では3年間を通して一つのテーマを追求しますが、私のグループは、柑橘類に含まれるリモネンという成分を用いた“防虫剤としても使える芳香剤”の開発に向けて、実験を重ねました。また課外では、関東圏・関西圏にある5校がリモート環境で一つのものを作り上げるプロジェクト『SMART』学会のメンバーとして、オープンキャンパスで活用できる案内ロボットの制作に参加。渡り廊下の上部を行き来するモノレール型の案内ロボットを完成させました。
「プログラミングを学んだうえで、渡り廊下にどのように設置するかを皆で考え、作り上げました」(田中さん)
写真はオープンキャンパスでのモノレール型案内ロボット制作に携わった田中さんを引き継いだ後輩たち。
お二人は高2から高3にかけて、常任委員会のメンバーだったそうですね。なぜ参加しようと思ったのですか?
田中さん
中学の時から、常任委員会の先輩方が楽しそうに活動されているのを見ていてあこがれがありました。私は書記を担当しました。
岡本さん
私は委員長を務めました。陸上だけに集中するかどうか迷いましたが、中高時代にしか経験できないことなので、「どこまでいけるかやってみよう」と思ったんです。
活動の中で一番印象に残っていることは?
岡本さん・田中さん
『武庫川フェスティバル』(文化祭)です!
岡本さん
テーマ決めから当日の運営まで、常任委員会がすべてを担います。コロナ禍だったということもあり、できること、できないことをたくさん話し合いました。
田中さん
予算を決めて必要なものを手配する、BGMを決めるなど、初めてのことばかりで大変だったのを覚えています。模擬店を増やしたい、一人ひとりの思いをふせんに書いてメッセージツリーを作りたいという思いもあって…。
岡本さん
そういう提案や新たな企画は、先生の承諾を得なければ、前に進めることができません。多忙な先生を何とか捕まえて話をするために、職員室に通い詰めました。「本当にできるのかな」という不安があったなかで、頼れる存在だったのが田中さん。「あれをやらなきゃ」って思った時には、すでに進めてくれていたよね。
田中さん
岡本さんは、メンバーが「こうしたいのだけど、どう思う?」と相談すると、「行っておいで」という感じで気持ちよくGo!をかけてくれました。その後のサポートもきちんとしてくれるので、安心感がありましたね。当日は、生徒や保護者の方はもちろん、小さいお子さんまで楽しんでくださって、心から「やってよかった」と思いました。
2人が常任委員会メンバーとして臨んだ、2022年度の『武庫川フェスティバル』。「テーマは“紡ぐ・織り成す”。コロナ禍であまり持てなかった生徒同士の結びつきを深めたいという思いを込めました」(岡本さん)
忙しい日々を過ごされていたのですね。勉強との両立はどのようにされていましたか?
岡本さん
常任委員会の活動をするようになってからは朝型になり、家を出る前の20~30分を活用するように。宿題は休み時間に取り組んでいましたね。内部推薦進学に向けて成績をキープするために、高3の夏は、陸上の試合会場での待ち時間を使って勉強をしていました。
田中さん
課題や常任委員会に関わる提出物は"To Doリスト"を作って管理。何をいつまでに終わらせるか、細かく計画を立てていました。受験を意識した勉強をスタートさせたのは高1の夏頃からです。受験勉強の合間に宿題をこなし、学校では友だちと過ごす時間を思い切り楽しんでいました。
充実した学校生活を通して、身についたことは?
田中さん
意見をまとめたり、提案したりできるようになったと思います。また、常任委員会のメンバーとして多くの先生方と接するなかで、「いかに納得していただき、快く承諾していただくか」を考えたうえで、物怖じすることなく話せるようになりました。
岡本さん
常任委員会のメンバーは皆しっかりと自分の意見を持っているので、ぶつかり合うこともしばしば。私は委員長として公平に、間を取り持つ、緩衝材のような役割を果たそうと心がけました。大学のクラスでの役割分担を決める場で、進行役をした時、先生に「気持ちよく引き受けてもらえるように話を進めるのが上手だね」と言っていただいて、常任委員会での経験が活きているのかなと感じました。
中高時代を振り返ってあらためて感じる、この学校の魅力は?
岡本さん
私は大学でも陸上を続けたいと思っていたので、卒業直前まで部活動を続けていました。
もちろん内部進学のための勉強は必要ですが、心に余裕を持って取り組めて、最後までやりたいことに全力を注げるのは、大学附属校ならではだと思います。
将来はスポーツに関わる仕事に就きたいという思いがあり、そのためには健康・スポーツ科学部に行くべきだという思い込みがあったのですが、ドーピング問題の記事や先生からの問いかけをきっかけに、高3の8月のタイミングで、薬学の道もあるということに気づきました。そこから薬学部を目指せたことも、大学附属校の魅力です。
田中さん
やりたいことをどんどんやらせてもらえる学校だなと思います。大学受験は大事ですが、ここでは、それだけに集中しなさいとは言われませんでした。
「あれをやってみたら?」と機会を与え、後押ししてくださるので、いろいろな経験ができました。
看護師になることが夢ですが、ロボットの開発で医療に貢献することも可能だと知ったのは、ロボットの研究に取り組んだからこそ。将来を広い視野で考えられるようになりました。
「陸上部の練習は週5日あり、シーズンには週末に試合が続きます。勉強との両立を心がけるなかで、タイムマネジメント能力が磨かれました」(岡本さん)
今後の目標を教えてください。
田中さん
特別な医療行為が行える診療看護師になり、地域医療に貢献したいと考えています。そのためにまずは看護師国家試験に合格できるように頑張ります。
岡本さん
目標は、最新のアンチ・ドーピングに関する知識を持つ薬剤師、スポーツファーマシストとして、知らず知らずのうちにドーピング禁止薬物を使用することのないようアスリートをサポートすること。将来的には、年齢やプロ・アマ問わず、スポーツをするすべての人が気軽に薬について相談できるような環境の整備に貢献できればと思っています。