2024年9月6日・7日、第149回目となる学園祭『大谷祭』が開催されました。企画から運営まで、生徒会を中心に生徒自身の手で創り上げられる『大谷祭』は、関西屈指の規模で知られます。昨年よりクラブによる模擬店が増えたほか、近隣の今熊野商店街の方々による屋台も(コロナ禍からの)復活を見せるなど、さらなる進化を遂げた『大谷祭』は、並々ならぬ熱気に包まれていました。
第149回のテーマは“蒼穹 ~青空に輝け~”。「最高の青春の1ページを飾ろう」という思いが込められています。その願いを共有するのは生徒だけではありません。教員・保護者も一体となって全力で臨むのが『大谷祭』の大きな特徴です。それはあらゆる場面で実感できました。高3の各クラスがパフォーマンスを行うメインステージでは、教員が生徒たちと同様に衣装をまといダンスを披露する姿が見られました。また、メインステージそばで存在感を放っていたのが、保護者会による模擬店。2024年4月就任の乾文雄校長をデザインしたオリジナルTシャツに身を包み、『乾校長★爆誕記念パン』を販売する威勢のよい声が響いていました。
そして最も印象深かったのは、自分自身はもちろん、来校者も楽しませようとする生徒たちの姿勢です。高1クラス展示で見られたテーマパークをイメージした凝った装飾や、手作りの「ジェットコースター」「ゲーム」などの出し物では、来校した小さい子どもたちを、生徒たちが笑顔でサポートしていました。樹心閣のステージでは、高2の各クラスが個性あふれるパフォーマンスで観客を魅了し、一時は入場規制されるほどの大盛況となりました。『大谷祭』の終わりに「皆が怪我なく、落ち着いて楽しんでくれて良かった」と振り返ったのは、生徒会のメンバーとして高1から運営に携わっている高2・Uさん。「来年も運営に参加したい!」と笑顔で話してくれました。
主体性・協働性・ホスピタリティをもって、全力を尽くす姿勢。そうして得られるものの大きさを知ることは、今後の大学受験の支えとなるだけではなく、生涯の財産となるはずです。乾校長の目指す「学力と人間力の二兎を追う教育」の意義を体感できる一日でした。
最後の『大谷祭』に懸ける高3生たちの思い入れがパフォーマンスにあらわれるメインステージ。
「自由に楽しめるのが『大谷祭』の魅力です。受験勉強で息が詰まってしまいがちな高3にとっては、貴重な息抜きの場であり、皆で弾けることのできる機会。全力で楽しむことができました」(高3・Kさん)
受付を終えた来校者を活発な呼び声で出迎えるクラブ模擬店。フルーツドリンク、ポップコーン、みたらし団子、アイスクレープなどを提供し、どのお店も大盛況。
また、毎年、校長にちなんだオリジナル商品を企画・販売している保護者会。『乾校長★爆誕記念パン』というネーミングやユーモアたっぷりのイラストからは、保護者と学校との距離の近さが表れている。
高2のパフォーマンスに湧いた樹心閣ステージ。趣向を凝らした衣装も、ハイレベルなクオリティ。
多くの来校者でにぎわった高1クラス展示。手間暇かけたセットや教室デコレーション、皆が楽しめる工夫をしたおもてなしの姿勢からは、『大谷祭』に懸ける本気度が伝わってくる。
第2体育館では“軽音甲子園”と呼ばれる『全国高校軽音楽部大会 we are SNEAKER AGES』で全国優勝を果たした実績を持つ軽音楽部による恒例ライブが行われた。
「『大谷祭』に向けて、準備は夏休み前からスタートします。受験勉強を進めながら、ライブやクラスのダンスに向けた練習もできるように、時間の使い方を工夫しました」(高3・Uさん)
他のクラブ企画では、展示だけでも幅広く、作品や日々の活動記録のほか、サッカー部による震災ボランティアの報告も。国際交流部による語学研修報告会では、現地での写真を披露しながら英語によるプレゼンテーションが行われた。視聴覚室では、科学部による実験、放送部による朗読劇、コーラス部による演奏などを開催。
メインステージのトリには吹奏楽部が登場。フィナーレにふさわしい力強く華やかな演奏に、多くの人々が聴き入っていた。