関西大学中等部では国際理解教育の一環として、中3で『カナダ研修旅行』を実施しています。
一人1家族のホームステイ(※)や現地の学校訪問を通して、ネイティブ教員による授業で磨いたリスニング力、スピーキング力を試せる機会であり、また交流を通して、今まで気づかなかった自分の一面を発見したり、新しい目標が見つかったりと、人として成長できる場でもあります。
中3生3名に、現地での体験や学びについてお話をうかがいました。
(※)2025年度より基本二人1家族、希望者の一部のみ一人1家族のホームステイ
海外に行くのは久しぶりなので緊張していましたが、カナダ研修旅行に備えて英検3級を取得して、さらに自分で日常会話などを勉強していたこともあったので、あまり不安は感じていませんでした。
英語の勉強は、初等部から英語を学んできた友だちを見て「負けたくない!」と思って頑張ってきました。英検2級に合格していたのですが、実際に現地で英語が通じるかどうか少し不安がありました。
私は練習を兼ねて中3の夏、外部のアメリカ短期留学に参加。英検3級を取得し、会話では単語を並べるだけでも伝えることができたので、英語に対する不安を払拭したうえで参加できました。
見送りに来られた保護者の方々に見守られながら行った、大阪国際空港(伊丹空港)での出発式。先生からの「挑戦を忘れないこと」という言葉を胸に、いざ出発!
●ホームステイで困ったことはありませんでしたか?
MRさん
私が滞在したご家庭は子どもが3人いる5人家族で、めちゃくちゃ楽しかったです! 文法は気にせず話していましたが、問題なくコミュニケーションを取れました。
印象に残っているのは七面鳥を飼っていたことです。卵を採りに行ったり、その七面鳥が夕食に出てきたり!驚きましたがとても美味しかったです。
KMさん
私がお世話になったのはインドネシア人のホストマザー、カナダ人のホストファザー、小学生と3歳の女の子がいる4人家族でした。オープンな雰囲気で緊張も和らぎ、やりとりもスムーズにできて、最高のホームステイになりました。
びっくりしたのは食事のとき、家族がそろうのを待たず、それぞれのタイミングで食べ始めていたこと。私はいつ食べ始めたらよいのかがわからず「食べていいよ」と言われるまでずっと待っていました(笑)。
FTさん
僕はカナダ人夫婦の家庭で、すぐになじむことができ、日が経つにつれて会話も増えていきました。
夕食後にテレビでスポーツ観戦を楽しんだときにも、会話に加わって一緒に盛り上がることができてうれしかったです。
学校訪問2日目に、生徒主体で実施した『Japanese Culture Festival』。
すごろくや万華鏡づくり、書道などの各ブースで、身振りや実演を交えながら英語で説明。日本文化を体験してもらいながら交流を楽しんだ。
●2日間の学校訪問は、クラスごとに別々の学校へ行かれたと聞いています。現地生徒をマッチングしてもらい、バディとともに授業を受け、ランチも楽しんだそうですね。
MRさん
1日目はバディが選択している授業に参加。バディとはすぐに打ち解けることができ、特にランチタイムは、いろいろなことを話せて楽しかったです。
2日目は『Japanese Culture Festival』を開催し、グループごとにブースを設け、日本の遊びを体験してもらいました。私は縁日の型抜きを担当。英語での説明を理解してもらえてよかったです。
KMさん
私のバディは高校生で話すスピードが速かったので、ランチの時はスムーズに意思疎通できるように、自分から簡単な文章で質問することを心がけました。
『Japanese Culture Festival』では折り紙を担当。言葉だけでレクチャーすることを目指し準備していたのですが、皆が折りたがる鶴は難易度が高く、お手本を見せてもできないケースも多くて苦心しました。
FTさん
理科や数学の授業は専門的な単語が多いので難しかったです。自分から話しかけるときは、常に文法を意識するようにしました。割とスムーズにコミュニケーションを図ることができたと思います。
学校訪問には、ホストファミリーに用意してもらったランチボックスを持参。現地の生徒と授業を受けたり、ハロウィーンシーズンだったので一緒にパンプキンカービングに挑戦したり、スポーツを楽しんだりと、さまざまな活動を通して異文化を体感した。
●カナダ研修旅行を通して得られたことは?
KMさん
各自がテーマを持って参加していて、私のテーマは「教育」。日本とは異なり、クラスの教室がなく授業ごとに移動すること、授業中はスマホを触ったり友だちと話したりと自由な雰囲気なのに皆勉強ができることなどを知り、新鮮でした。人見知りするタイプだと思っていた自分が、どんどん話しかけることができるとわかったことも収穫の一つです。
FTさん
僕のテーマは「英語を学ぶ理由」を見つけること。これまではテストのためだったり、英語力を伸ばすためだったり、その時々で目的が変わり、一生けんめいに取り組むだけでしたが、交流を通してコミュニケーションのツールであることを実感し、「いろいろな人と話せるようになりたい」という思いを原動力に学べるようになりました。
MRさん
1日目に仲良くなったバディが翌日はお休みだったのですが、『Japanese Culture Festival』でも別の生徒と仲良くなれました。言葉での意思疎通が完璧ではなくても、通じ合えるし、友だちをつくることができるんだと気づけたことが大きかったです。
●今後の目標を教えてください。
FTさん
カナダで自分の英語が通じたことは大きな自信になりました。より多くの人と交流を楽しんだり、海外で働いたりできるように、これからも英語の勉強を頑張りたいです。
MRさん
交流を通して、住みたいと思うほどにカナダが大好きになりました。実現できるように、英語力を磨きたいと思います。
KMさん
留学したいという思いが強くなりました。もっと自信を持って積極的に話しかけれるように、あらゆる面から英語力を高めていきたいです。
4日目はビクトリア市を散策。州議事堂周辺でのフィールドワークを行い、ロイヤル・ブリティッシュ・コロンビア博物館を観覧。ビクトリア大学での現地大学生によるキャンパスツアーでは、英語での説明を理解しようと集中する姿が見られた。
6日目はバンクーバーで、班に分かれてフィールドワークを実施。自分たちで組んだスケジュールに沿って、カフェでの昼食や観光を楽しんだ。