2050年の世界を見据えた目標であるK1GOALS「多様化する社会で活躍するための幅広い力を身につける」の実現に向けて、思考力・判断力・表現力を養うための多彩な取り組みを展開する常翔啓光学園。その成果は、大学合格実績からもうかがい知ることができます。
2020年より思考力・判断力・表現力を重視した大学入学共通テストが導入されましたが、同校の国公立大学合格者数は、2019年度入試に30名を超え、2022年度入試以降は40名以上と着実に伸び、そして2024年度入試では、60名以上と飛躍的に増加しました。これは共学校となった10年前の約2倍にあたり、同校史上最高の数字となります。
こうした合格実績の伸びは、生徒たちの努力があってこそのもの。それを支えたものの一つとして進路指導部長の川端健介先生は、「担任の声かけ」を挙げます。
「年内の入試が増加傾向にあるなか、モチベーションをいかに保つかが重要となります。国公立大学を目指す人数が多ければ、自然と皆で頑張ろうという雰囲気が作られるもの。担任が最後まで、『3月まであきらめずに頑張ろう』と言い続けたことが大きかったと思います」
また、国公立大学を志望する生徒の多くが併願先として選ぶのが、有名私立大学。2024年度入試では、関関同立の合格者数も過去最高をマークしました。
「進路指導とは、生徒一人ひとりが、将来の目標を主体的に考えることができるように手助けすること」と川端先生。担任による面談や進路行事を通して、目標の明確化や、「行ける大学」ではなく「行きたい大学」を見つけることを促します。
そのために大切にしているのが、“先の世界”を見せることです。学園内大学(大阪工業大学・摂南大学・広島国際大学)の授業見学や、全国各地の大学・研究所の最先端分野に触れる『サイエンスラボ』、企業の実務を体験したり、企業から出されるミッションに取り組む探究学習など、多様なプログラムを用意しています。
そして、国公立大学を視野に入れるきっかけとなっているのが、『国公立大学ガイダンス』です。国公立大学の広報担当者からオンラインで大学の魅力を話してもらうというもので、コロナ禍からスタートした後、高2・高3の恒例行事として定着。関西・中国・四国・北陸地方にある13の国公立大学から、高2・高3にそれぞれ3大学、計6大学を選んで話を聞くことができます。
「“ホンモノ”に触れながら、進路意識を高めてほしいとの思いがあります。このガイダンスを機に、全国の国公立大学を選択肢の一つと捉え、より広い視野で進路を考えられるようになっているのではないでしょうか。自分がやりたいことができる場として、地方の国公立大学を第一志望とする生徒も増えてきています」
進路実現に向けては、学力の向上も不可欠です。同校の学習サポートにおけるキーワードは、個別最適化です。放課後には予備校講師による『K1ゼミS』と、同校教員による『K1ゼミT』を開講しており、『K1ゼミS』は「小論文対策講座」、英語・国語・数学を中心とした「大学入学共通テスト対策講座」「英検対策講座」などから、受験方式や進路に合わせて選ぶことが可能です。特に「小論文対策講座」は、国公立大学・私立大学を問わず、学校推薦型選抜や総合型選抜で受験する生徒の多くが受講し、合格に結びついているといいます。
「遅めの時間帯にもコマがあり、部活動終了後でも参加できます。意欲さえあれば学力アップに取り組める環境を整えているのです」(川端先生)
さらに高3の12月には1カ月間、大学入学共通テスト対策として、情報を含む6教科の模擬試験を各教科10回、全60回実施します。2日間で6教科の模試、1日でその解説という流れを1セットとし、それを10セット繰り返すことで、本番の形式に慣れるとともに自己採点の精度を高め、本番に備えていきます。12月までに自分自身の勉強をある程度完成させて臨んだ生徒は、ここからさらに伸びるそうです。
前述の大学・企業と連携したプログラムや学習サポートの多くは、長く継続してきたもの。2024年度入試の躍進は、その積み重ねの賜物といえるでしょう。
「今後は、今までのスタイルを継続しながら、必要に応じて受験対策の個別最適化を図っていければという思いがあります。たとえば難関国公立大学や医歯薬系大学を目指す『特進コースⅠ類〔選抜〕』においては、週1回80分、難関突破に向けて英語・数学を強化することを目的とした予備校講師による授業を導入しました。従来より実践してきた、一人ひとりに合わせたきめ細やかな指導・サポートを追求し続けていきたいですね」(川端先生)
同校のさらなる飛躍に、期待が集まります。