

2026年度にコースを改編し、新たに『プログレッシブAP』『プログレッシブ』『エキスパート』の3コース制をスタートさせる滝川第二中学校。最大のポイントは、これまでコース特性に応じて実施してきた『サイエンスツアー』や『海外短期留学』といった取り組みが、全コース共通のプログラムになるというところにあります。その経緯や目的について、入試広報室室長・井口守先生はこう話します。
「理数に特化して難関国公立大学を目指す『プログレッシブ数理探究』、英語と国際感覚を磨く『I.U.E.知識実践』、好きなことに取り組みながら可能性を広げる『エキスパート未来創造』を設置してから5年間、各コースの特色あるプログラムをブラッシュアップし、大学入試や人生の糧になるものへと育て上げてきました。それらの体験を全生徒が “いいとこどり”できるようにすることで、一人ひとりの可能性を広げたいという思いがあります」
また、このコース改編により、一人ひとりの学力を定着・向上させる環境もより強化されます。『プログレッシブAP』『プログレッシブ』は授業の深度のみが異なる共通カリキュラムとし、成績に基づいて3コースの入れ替えを毎年実施。原則、成績上位者から順に『プログレッシブAP』『プログレッシブ』『エキスパート』に所属することになります。

入試広報室室長・井口守先生
「日々の学習を大切にする姿勢や切削琢磨を促すこと、個々の学力に合った授業で『ついていけない』『物足りない』という状況を防ぎ、着実に理解を深めることを目的としています」
中1は『プログレッシブAP』が25名、他の2コースは各40名の募集でスタートしますが、互いに刺激し合うことで学力を伸ばし、最終的には3コースとも35名前後とすることを想定しています。つまり、入学時は『プログレッシブ』『エキスパート』であっても、よりハイレベルな学びを希望する場合、それをかなえるチャンスがあるということなのです。
学力定着のサポートにも余念がありません。放課後は、『プログレッシブAP』では外部講師によるハイレベルな特別講習を、『プログレッシブ』では教員によるハイレベル講習を用意。『エキスパート』では教員のサポートのもと自学自習を行う『エキスパート学習会』を行うほか、成績上位の希望者は『プログレッシブ』のハイレベル講習に参加することも可能です。
部活動などの課外活動に力を入れるなど、放課後の過ごし方の選択肢はより幅広くなります。学力の定着・向上を大切にすると同時に、より多彩なプログラムを通して人間的成長へとつなげるという、同校のモットー“教育は感動”の体現を追求するコース改編といえるでしょう。
「中学生という多感な時期に得た心を動かす体験は、数年後、進路意識として熟成されていくのではないかと考えています。生徒たちが、本校での体験を糧に自己実現をかなえてくれることを願っています」
科学的思考や研究・観察のスキルを身につけることを目的としたプログラム。
中2は家島諸島にある無人島・西島へ。メインの研究テーマはウニの受精で、自分たちでウニの採取、解剖、採精を行い、受精の瞬間を顕微鏡で観察。ウミホタルの観察やカヌーも体験する。エアコンもなく決して快適とは言えない3日間ながら、帰ってきた生徒たちからは「大変だったけど、面白かった!」という声が聞かれるそう。
高2では白浜へ。京都大学の先生方や学生の協力を得て実施。京都大学白浜水族館でのバックヤードツアーと夜行生物の観察、大学の研究施設でのナマコの解剖やマイクロプラスチックの観察など、充実の2泊3日となっている。
オーストラリア・ケアンズを訪問し、最初の数日は研修旅行(修学旅行)として全コースの生徒が行動を共にします。その後は、参加を希望した生徒のみが継続して現地に滞在。7週間にわたりホームステイをしながら、“母国語使用禁止”をルールとする語学学校へ通う。
学校での授業やオンライン英会話、外国人教員との日常会話を通して伸ばしてきた力を活かしながら、ホストファミリーや語学学校で学ぶ多様な国の人々との交流。価値観や考え方、生活習慣の違いを体感しながら、実践的な英語力を鍛えることができる。

『サイエンスツアー』をきっかけに“探究する楽しさ”を実感
高2・Jさん(右/プログレッシブ数理探究コース)
中2の西島では、「エアコンもない無人島で暑いし大変だなあ」と思いましたが、今となってはそのこと以上に、仲間と夜遅くまで研究室に残り、顕微鏡を覗いてスケッチを頑張ったことが心に残っています。もともと生物には興味がなかったのですが、『サイエンスツアー』をきっかけに興味が芽生え、探究の時間に行ったブタの目の解剖にも積極的に取り組みましたし、高2の白浜にも参加。飽き性だった私が、探究することの面白さに気づけたことは大きな収穫でした。将来は、追究したいテーマを見つけ、『サイエンスツアー』で得られた経験を活かしながら突き詰めていきたいです。
物怖じすることなく英語でコミュニケーションをとれる自分に
高1・Tさん(左/I.U.E.知識実践コース)
現地では、緊張して何を話せばいいのかわからず、何か聞かれても単語でしか答えられないという状況からスタート。交流を重ねるうちに、日常会話が身につき、授業が聞き取れるようになり、自分の思いも伝えられるようになりました。一番大きな変化は、入学時から「海外留学なんて無理!」と不安でいっぱいで、海外の方と話すことにも抵抗があった私が、「流ちょうに話せなくても何とかなる」と前向きに思えるようになったこと。帰国後、海外の方に道案内を頼まれた時にもスムーズに対応でき、とてもうれしかったです。目下の目標は英検2級に合格して、再度、留学にチャレンジすることです。
有志の広報部隊『キャンパスナビゲーター』の活動にも注力
自ら考え行動する“考動”をモットーとする『キャンパスナビゲーター(通称“キャンナビ)』。入試イベントの企画・運営、テレビ・ラジオへの出演、オリジナルグッズの制作、ベーカリーとの共同による『滝二パン』の開発など幅広い活動を展開しています。2人は現在、商業施設にて実施する小学生対象のイベント『キャンナビフェス』の企画・運営部隊をまとめる中心人物。
「商業施設の方に企画を提案させていただいたり、打ち合わせを重ねたりと、貴重な経験ができています」(Jさん)
「キャンナビの活動を通して、自分から行動できるようになりました。今年はキャンナビフェスタをまとめるリーダーになり責任重大です」(Tさん)