部のモットーは「自主創造」です!
2011年に書道パフォーマンスを題材にした映画を観た生徒の「やってみたい」という声をきっかけに誕生した『書道パフォーマンス部』。以降、『書道パフォーマンス甲子園(全国高等学校書道パフォーマンス選手権大会)』に9年連続出場という実績を持ち、2022年には3位に入賞。校外でも区役所や警察署・企業・小中学校・福祉施設などからのオファーに応じ、イベントで演技をするなど、幅広く活動しています。依頼が集中する9~11月は多忙を極め、(取材で訪問した)5月の時点で、すでに2024年秋のスケジュールが埋まっているというから驚きです。
書道パフォーマンスは、大きな紙(4m×6m)と筆を用いた“書表現”に、音楽・ダンス・演劇などの“身体表現”を組み合わせて、ゼロから作品を創り上げる12人1チームの総合芸術です。皆で作品のテーマ、その表現に用いる文字や絵のデザイン・人の配置・曲・振り付けや演技の構成までを考え、パート練習・全体練習へ。並行し、本番用の衣装や小道具の準備も進めていきます。
さまざまな団体からイベント等への出演依頼が寄せられているものの、定期考査や校内行事との兼ね合いで、対応できるのは多くても月2件ほど。「イベントごとに趣旨に沿った演技を創り上げるのは大変ですが、やりがいがあります。演技後に『よかったよ!』と声をかけていただくと、達成感を感じます」と生徒たち。
高2の部員3人に、活動についてのお話をしていただきました。
「習字や書写、古典臨書などの基礎が大切なのですが、練習で集中力を保てずにいました。初めて一日を通して練習に打ち込めたのが高1の春休み。その時に真剣に取り組んだことがきっかけで、意識が変わった気がします。今では自宅での練習が日課になり、書かないと眠れないほど。全国大会に向けて、まずは校内予選突破をめざします」(Sさん)
「地域活動では、テーマや使う文字などについてオーダーが入るので、イベントごとに一から作品を創り上げる必要があります。大変だけど続けられるのは、準備・練習が楽しく、終わった時に大きな達成感を得られるから。極めたいものが見つかり、継続する力が身につきました。全国大会優勝を目標に頑張りたいです」(Nさん)
「私は自分の考えや感情を表現するのが苦手なタイプでしたが、書道パフォーマンスは表現力が問われる競技。部活動に取り組むうちに、普段の生活でも表情を意識したり、自分のやりたいことや意見を伝えられるようになりましたし、今するべきことを考えて、行動に移せるようにもなりました。校内予選を上位で通過し、作品の中心となる大字を担当することが目標です」(Mさん)
「練習の日程や内容は部員たちが考えていますが、より明確な目的意識を持ち、“何をやるのか”を突き詰めてほしいと思います。大事なのは、心の強さと仲間との信頼関係。それらは作品の奥行きとして表れてきます。その奥行きを追求することが、おのずと結果につながるのではないでしょうか。メンバーを信頼して、より良いチームになってほしいですね」(顧問・津吾井香奈先生)
左から高2のMさん・Sさん・Nさん。
書道パフォーマンス部の活動はテレビの情報番組でもたびたび紹介されており、3人ともその映像を見たことが入部のきっかけに。