進学通信

2022年3月

学校生活ハイライト
『大谷スポーツフェスティバル』《OSF》

コロナで行事が中止に…
「それなら私たちが新しい行事を創ろう!」

OSFを作り上げた生徒会。左から、「自分がマルチタスクが得意なことに気づいた」(Oくん)、
「何でも自分で背負い込まず、上手く人に頼ることを覚えた」(Mさん)、
「全体を見て連絡を徹底することを学んだ」(Uさん)、
「担当部署のリーダーとしての自覚が芽生えた」(Nくん)
「生徒たちが自分で『楽しむ術(すべ)』を持っていることに目頭が熱くなりました。
これぞ大谷生だと思います!」(宮川先生)

公開日2022/4/12

 コロナ禍が続き、その多くが中止に追い込まれていた学校行事。大谷もその例外ではありませんでした。感染者数が落ち着いたのは、『体育大会』『学園祭』などの一大イベントがすべて中止となった後だったのです。
 特にショックを受けたのが生徒会。なんといっても、学園祭の企画・運営は同校生徒会活動の華ですから。
「信じられない。どうにかならないのかな」(Uさん)
「夏休みも、クラスみんなで出し物のダンスの練習をしてきたのに…」(Nくん)
 長い時間をかけて準備してきた晴れ舞台を奪われるくやしさは、言葉では言い表せなかったでしょう。しかし、そのまま落ち込んでいる彼らではありませんでした。コロナが落ち着いた11月、「体育大会と学園祭の代わりになる、新しい行事を私たちの手で創ろう!」と立ち上がったのです。
 それが『大谷スポーツフェスティバル』(OSF)です。体育大会と学園祭をミックスした、まったく新しいイベントです。
 特筆すべきは、完全にゼロから生徒会が創り上げたことです。お手本となる過去の前例もなく、そもそも学校に「やらせてほしい!」とお願いするところからのスタートでした。
 そのような彼らの情熱を、先生方も全力で受け止めます。
「私たちもいたたまれない思いを抱えていたところにこの提案を聞いて、絶対に叶えてあげたいと思いました」と、当時の思いを語る生徒会担当の宮川樹里先生。
 ただ、開催が決まったのは10月上旬。スケジュール上、開催可能な日程は11月12日のみでした。中間テストもはさむため、準備期間は実質2~3週間しかありません。決まっているのは「やる」ということだけで、ほかはまったくの白紙。そのような課題が山積みの状態だったのです。
 それでも逃げ出さない生徒会。あらゆる予想外のトラブルも乗り越え、なんとか開催にこぎつけました。
「もう気合いと根性しかなかったです。すべての準備が完了したのは当日の朝8時半だったんですけどね(笑)」(Oくん)
 こうして開催されたOSFはもちろん大成功! 生徒たちからも「やってくれてありがとう!」という声が多数寄せられたそうです。
「自分の創ったコンテンツで、人が笑顔になるのは初めての経験です」と、最初にOSFを発案したMさんは感無量な表情を浮かべます。
 OSFは特例実施のため、来年以降の開催は未定。しかしきっと、同校で語り継がれる“伝説のイベント”となることでしょう。

各競技やルールもすべて生徒会が考案。ルールブックを作成したMさんは「ブックを作ったのは私ですが、ルールを考案したのは別のメンバー。伝達や解釈のミスから、当日になって間違いが発覚したり、意見がぶつかり合うこともありましたが、みんなOSFを成功させたい一心でのこと。いい経験だったなと思います」と笑顔を見せる。

OSFは体育大会と学園祭の“いいとこどり”をしたイベント。身体を動かす競技だけでなく、クイズなど頭を使うコンテンツももりだくさん。オープニングやエンディングでは吹奏楽部・軽音楽部による演奏なども行われ、文字どおり学校全体を挙げた「フェスティバル」に。

同校の体育大会は、学年を超えた縦割りでチームを作るのが特徴で、OSFでもその要素が採用された。

Uさんのおすすめは「障害物競走」。自身がルール策定にも携わり「面白そうな障害をたくさん盛り込みました!」とうれしそうに語る。「足つぼを刺激するプレートの上を歩くゾーンがあったのですが、普通の体育大会なら、絶対に入らないアイデアだったと思います」と、本人も大満足。

Nくんの一押しは「缶積み対決」。大きさも形もバラバラの空き缶を、どれだけたくさん積み上げられるかを競う。「かなり地味に見えますが、缶の組み合わせ方など頭を使いますし、とても奥深い競技です!」

Mさんのお気に入り「部活対抗リレー」は、毎年体育大会で行われており、特に3年生は楽しみにしている競技。「3年生はコロナで研修旅行まで中止になったので、何とか喜ばせてあげたくて」とOSFで復活させた。もちろん、最高の盛り上がりに!

OSFの大きな特徴の一つは「各競技への参加は自由」なところ。参加するよりも見ていることや応援することが好きな生徒は、そうしてもいい。教室で応援したい人のためにスタッフが各競技を中継。逆に「競技に参加したい!」と、一人で5種目に出場したというツワモノも。生徒一人ひとりが楽しめるように配慮された、素晴らしいイベントになった。

校内のいくつかの場所を飾り付け、SNS映えする「フォトスポット」を設置。風船のアーチや華道部の作品、星や貝をかたどったオブジェなどを随所に配置。生徒たちは写真をSNSへアップして楽しんだ。まさに現代っ子らしいアイデア。

2021年3月に完成したメイングラウンド。人工芝の緑が映える。OSFでは、ここを含めた校内のいたるところから生徒たちの歓声が沸き起こった。

Oくんは「頭脳競馬」をプッシュ。基本は障害物競走だが「その“障害”がクロスワードパズルなどのクイズ形式になっていて、運動神経だけでは勝てない仕組みになっているんですよ」と、運動が苦手な生徒でも楽しめるユニバーサル仕様。こうした多様性も、体育大会と学園祭がうまくミックスされた成果だろう。

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