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進学通信WEB版

Web記事
「なぜ学ぶのか?」「大学ってどんなところ?」
学習意欲と進路意識を着実に育む『K1クエスト』

公開日2025/12/2
(左)教頭・岩村聡先生 (右)英語科・糸賀祐介先生

(左)教頭・岩村聡先生 (右)英語科・糸賀祐介先生

 厚生労働省が定めている職業分類によると、日本には約1万8000種もの職種があるとされています。多様な選択肢の中から自分が本当にやりたいことを見出すことは、決して簡単ではありません。また目標が見つかるまでは、学びに対するモチベーションもなかなか高まらないもの。そこで常翔啓光学園中学校では「さまざまな学問分野に触れて、何のために学ぶのか、その知識がどう役立つのか知ることで視野を広げ、自ら進路を選び取る力をつけてほしい」という思いから、将来について考える機会を数多く設けています。

 その一つが、中学3年間で展開する中大連携教育『K1クエスト』。学校法人常翔学園の三つの大学(大阪工業大学・摂南大学・広島国際大学)と密に連携して行われる、体験型・探究型のキャリアデザインプログラムです。同校では15年以上前から、その原型となる“実社会に結びついた学び”や“キャリア教育”をスタートさせており、中大連携教育の強化を図るべく構築された『K1クエスト』は、その進化版と言えます。

 連携先は実に多彩です。たとえば中1の10月には、大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部の協力のもと『未来の学校』をデザイン。「校内に昼寝部屋がほしい」「こんなモノがあれば掃除がもっと楽になるかも」など、自分たちのニーズ・課題を、モノづくりを通して実現・解決していくという “デザイン思考”の実践です。各グループでコンセプトを設定し、アイデアを模型に落とし込んでいきます。

「突拍子もないアイデアこそが未来を創るもの。だから生徒たちには、自分に制限をかけずに自由に考えてほしいとの思いがあります。中2になると周囲の目を気にするようになってしまうので、自我がまだ芽生える前の中1で、デザイン思考に触れさせたいと考え実施しています。生徒たちは楽しみながら、大学での学びや、それらが身近な課題の解決につながる可能性を体感します」(教頭・岩村聡先生) 

「『K1クエスト』をはじめ、本校では自分の意見を言ったり発表したりする場を数多く設けています。一般的には、成長に伴い恥ずかしがって自分の考えを言わなくなりがちですが、本校の場合、成長してもそこは変わらずに、人前でしっかり意見を言う生徒が多いと感じます」(英語科・糸賀祐介先生)

 そして最大のねらいである、学習意欲と進路意識の向上にも大きな効果をもたらしています。進路実績の大学が多岐にわたるのは、多くの生徒が「この大学・学部に行きたい」と明確な目標を持っていることの表れ。『K1クエスト』で自然と育まれた、自分の思いを素直に言語化する姿勢によるところも大きいのではないでしょうか。

「中学時代に勉強が得意ではなかった生徒が、『K1クエスト』の大阪工業大学での体験がきっかけとなり、その後、本当にやりたいことを見つけて国公立大学への合格を果たしたケースがあります。そうした姿を見ると、本校の教育は間違っていないのだと実感します。願うのは、国語が苦手だから理系、数学が苦手だから文系ということではなく、自らやりたいことを見つけ、努力し、ミスマッチのない進路を実現すること。これからも生徒一人ひとりが自分の未来を描けるような学びを届けていきたいです」(岩村先生)

at 大阪工業大学

ロボティクス&デザイン工学部との連携プログラムとして中1に「未来の学校」のデザインに取り組む。
工学部との連携プログラムは中学3年間を通じて実施しており、中1は工具や機械を使ってラジコンロボットカーやトンボ玉、印鑑づくりに挑戦した。
中2は鉄筋コンクリートの歴史や仕組みについて学んだ後、コンクリートを割る実験を見学(『未来探求コース』の生徒対象)。
中3では淀川の水質環境について考える。「土木技術が命を守るものでもあること」「環境保全のために自分たちができること」などへの気づきが、学ぶ意味や学習意欲の喚起につながる。

「未来の学校」(ロボティクス&デザイン工学部)

「淀川の水質環境について考える」(工学部環境工学科)

at 摂南大学

中1は枚方キャンパスの農学部食品栄養学科の教員による「災害時の食生活について」の講義や薬学部の出張講義「薬物乱用防止教室」、中2は看護学部の教員による「思春期教室」を受講。中3には理工学部建築学科の教員の指導のもと、「強い建物とは?」をテーマに、ストローとセロテープを使って構造物を作成し、その構造物の耐強度を測るため2リットルのペットボトルが何本載るかという実験では、14本という高記録をマークしたグループも。

また農学部では、遠心分離機をはじめとする最新鋭の実験設備を用いてブロッコリーのDNA抽出実験を体験し、ゲノムの世界に触れる。
「中3の理科でDNAについて学びますが、こうした実験ができるのは設備が整った大学だからこそ。大学での学びを体感し、大学に関心を持ってもらい、5年間かけて将来について考えて目標を見つけ、本当に行きたい大学・学部に進学してほしいですね」(岩村先生)

「強い建物とは」(理工学部建築学科)

「ブロッコリーのDNA抽出実験」(農学部)

at 広島国際大学

『未来探求コース』では中2に、1泊2日で広島国際大学を訪問。
2025年度の1日目は、健康科学部社会学科地域創生学専攻の教員から呉市の魅力を学んだ後、呉の魅力を伝えるキャッチコピー考案にチャレンジ。

また薬学部薬学科では「生薬って何?」をテーマに、葛根湯作りや試飲に臨んだ。2日目は健康科学部心理学科にて学力・運動能力を伸ばす睡眠法とストレス緩和のためのポジティブリフレーミングを、健康科学部医療経営学科にて医療経営に必要なモノ、値段、ヒトなどについて学習した。体を動かし、五感を使った学びを通して、自然と興味と視野が広がっていく。

「呉市の魅力を伝えるキャッチコピー制作」(健康科学部社会学科)

「生薬って何?」(薬学部薬学科)

常翔啓光学園中学校・高等学校

〒573-1197
大阪府枚方市禁野本町1-13-21
072-848-0521
大阪府 共学