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進学通信

2024年3月

学校のココが魅力!生徒座談会
建築士になる夢を尊重し、皆で応援してくれる 素晴らしい環境です

高3エースコース/IYさん

公開日2024/4/22

建築士になる夢を持ち東山に入学したIY さん。高1で『宅地建物取引士』(以下、宅建)、『マンション管理士』(以下、マン管)・『管理業務主任者』(以下、管業)という難関国家資格に最年少同時合格。それを強みに『総合型選抜』で慶應義塾大学環境情報学部への現役合格を果たしました。
「東山だからこそ難関国家資格に挑戦し、夢を持ち続けることができた」と語るIY さんに、東山での学校生活や資格取得の経緯などをお話していただきました。

東山に入学した理由を教えてください。

 小学生の頃から将来は建築士になりたいと思っていました。建築士になるためには大学に進学しなければならないため、大学受験を視野に入れて落ち着いて勉強ができる私立中学校に進学しようと決意。

 東山を選んだのは、塾の先生から勧められたのをきっかけにオープンスクールに参加して、自分に合いそうな雰囲気だなと感じたからです。また、図書室の本棚の設置の仕方を見て、空間の使い方が巧みなところに特に惹かれ、ここで学びたいと思いました。

「本棚の設置の仕方が巧み」とは?!

 一般的な図書館は、読書用のデスクを置く空間と、本棚を置く空間が分かれていて、複数の本棚が壁に並列に並べられているイメージでした。ところが東山の図書室は、空間を分けずに回廊のように本棚が壁面に並べられ、中央の広いスペースにデスクが配置されていたんです。合理的で美しいレイアウトに感動しました。このような図書室を見たことがなかったので強く印象に残りました。

建築士を目指すきっかけは?

 ものづくりが好きで、小学校では図画工作の授業が楽しみでした。ものづくり好きが高じて、壊れた家具などを木材とクギで修理していました。当時、木材を使ってものづくりをする仕事は何だろうと考えて、最初は大工さんになりたいと考えました。小学校高学年になると芸術分野にも興味がわき、ものづくりと芸術が融合した分野の仕事がしたいと考え始めるようになり、それができるのが建築士だと思い至りました。僕にとって建築とは、美と機能性を併せ持つ最も奥深い芸術作品です。

宅建とマン管・管業の資格取得に挑戦しようと思ったきっかけは何でしょうか。

IYさんが、東山に魅力を感じるきっかけとなった図書室。

IYさんが、東山に魅力を感じるきっかけとなった図書室。

中3時に「建築が好き」という情熱をカタチにしたいと思い、資格取得を考えました。それが難関であればあるほどやりがいや価値があるだろうと、高1の4月に宅建の資格取得に挑戦しようと決意しました。

 勉強を始めるにあたり、参考書を購入したのですが、そもそも高校生向けに書かれていないため、1ページ目から法律用語が並んでいて何が書いてあるのか全然わかりませんでした。戸惑いましたが、まずは1行ずつ、じっくりと何度も読み返しました。そうすると次第に、その文章が何を表しているのかがわかるようになってきたんです。もちろん難しい内容ですが、途中で投げ出したり、もし不合格になると「僕は建築が好きではない」ことになる。そうなりたくないから勉強せずにはいられませんでした。試験は10月で、合格を知ったときは震えるほどうれしかったです。そして、このような資格を取得していたら大学入試に有利なのではと思い、マン管・管業にも挑戦しようと、再度、独学で勉強を始めました。

 宅建の合格率は15%前後、管業の合格率は20%前後、マン管の合格率は10%を切る難関資格ですが、どれも10回受ければ10回とも合格してやろうという気持ちで臨みました。それでなければ「建築が好き」という気持ちの証左にならないと思ったからです。

資格試験と学校の勉強はどのように両立したのですか?

 宅建は400時間、マン管・管業は800 時間、あわせて1200 時間でした。毎日、コツコツというよりは勉強開始当初から中盤まではスローペースで、中盤以降にペースを上げるように学習計画を立てました。また、学校の勉強と両立させるために朝5時に起床して、登校までの1~2時間は資格試験の勉強をして、学校の学習は放課後に、とメリハリをつけました。

 このように言ってしまうと困難なことがなかったように聞こえますが、独学で難関資格に挑むことは簡単ではありませんでした。ストレスを感じたときは、宅建の資格を持つ先生から、先生が受験されたときの体験談を聞いたり、民法について一緒に意見を交わすなど、協力していただきました。今、振り返ると先生とのこのような時間は、趣味の話をしているようでとても楽しかったです。

 最も嫌だったのは、勉強が辛くなってしまったときに「このままだと建築が嫌いになる」と思ってしまったことです。紆余曲折ありながらもマン管に合格したときは、思わず大声で「やった!」と叫びました。

慶應義塾大学環境情報学部を第一志望校に決めた理由は何でしょうか。

 僕は、建築が環境に及ぼす影響を、できれば入学初年度から研究室に所属して研究をしたい、という明確な目標がありました。この思いがかなえられるのはどの大学なのかを知りたくて、多数の大学の募集要項を読みました。資格試験の勉強時に、国土交通省のガイドラインを読み込んでいたことが活かされて、募集要項を効率良く読むことができ、慶應義塾大学の環境情報学部が、進学するべき大学であることがわかりました。

 『総合型選抜』では、建築に関する集合住宅を活用した論文を提出しました。宅建とマン管の資格取得は、論文作成に役立つと同時に、他の受験生に差をつけることができて、有利だったと思います。

東山での6年間はどのような日々でしたか。

 東山の先生は、「夢を持つことが大事」だと常に教えてくださいました。さらにクラスメートは、「IY くんはずっと建築士になりたいと頑張っているよね」と、理解し、応援してくれました。また、進路指導の時間は、毎回、僕の“建築愛”を語る場になっていて、先生は「一番好きなことのために大学へ行く」という僕を真剣に励まし、目標達成へと導いてくださいました。
 東山での6年間は、「建築が好き」という気持ちを大切に育めた時間だったと思います。将来は、僕の建築に込めた愛や思いが伝わるようなものづくりのできる建築士になりたいと思います。