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進学通信

2024年3月

私たちの先生
われら「チーム橘!」
教員自身が楽しむことで生徒に伝わることがある

公開日2024/4/22

社会問題になるほど忙しい「教員」というお仕事。しかし、京都橘の先生方は実にエネルギッシュ。なぜなら、教員という職業や授業で教壇に立つことを、心から楽しんでいるから。そして、その気持ちのままに生徒たちと接しているから。その一体感は、まさに「チーム橘」です。熱い気持ちにあふれた座談会をお届けします!

●山村浩平 先生/数学科
一般企業への就職と教職で進路を悩んでいたが、教育実習で「教える」ことの楽しさを思い出す。

●清水真由美 先生/英語科
英語の醍醐味は、コミュニケーション。心が通じ合えたときの快感を生徒に知ってほしいと教職を目指す。

●足立祐子 先生/国語科
中古文学の研究者を目指していたが、その楽しさを伝えたいと思うようになり教員の道へ。

●友繁翔一 先生/保健体育科
バスケットボールの指導者になりたくて教員を志す。なんと京都橘の卒業生!

先生方が教員を目指したきっかけを教えてください。

友繁先生
私はバスケットボールが好きで、高校時代もプレイヤーとして自信を持っていました。ただ、天狗になってしまい、先輩にも失礼な態度をとることがあって。でもあるとき、ハードな練習で私が心身ともに疲れ切っていると、先輩たちが本当に優しく励ましてくれて…。反省とともに涙が止まりませんでした。その感動を伝えたくてバスケの指導者になろうと、教員を目指したんです。

山村先生
子どもの頃から友だちに勉強を教えることがよくあり、「わかった!」と言ってもらえるのが喜びで、それが原点ですね。就職活動では一般企業への就職も視野に入れていたのですが、教育実習生として教壇に立ったときに、あのときの喜びを思い出しました。

清水先生
やはり、情熱を持っておられる先生が多いですね。生徒たちの些細な変化も教員間でシェアしながら、チームでコミュニケーションを取りつつ誠実に向き合っています。

足立先生
「人に優しい」教員が多いことが一番の魅力です。年齢も性別も多様ですが、管理職の教員であっても、私たち一般教員の目線に降りてきてアドバイスをくださいます。とにかく、困っている人を見過ごさない職場環境です。

京都橘での学校生活を通して、生徒たちにどのように育ってほしいですか? また、そのために意識していることはありますか?

友繁先生
自分で決めて、自分で行動を選択できる人になってほしいですね。もう一つは、予測不可能なことがたくさん起こる現代社会において、それ
を嘆いて終わるのではなく、逆境から何かを学び取る力、すなわち「リカバリー能力」を身につけてくれれば。そのために、生徒への接し方で最近意識しているのは「強制」ではなく「矯正」する発想です。

山村先生
「学校」というのは狭いコミュニティです。今はそれを楽しむことも悪くないのですが、生徒たちがいざ社会に出たとき、知らない人と上手
くやれないとか、仕事が楽しくないとか、そういうのはダメだなと。先ほどもお話がありましたが、そのためにも教員間のコミュニケーションや情報交換は欠かせません。教員同士で楽しく話している姿を、生徒に見せることもあります。

清水先生
「つながる力」を持ってほしいですね。それと、今年の学年のテーマでもある“Try Everything”かな。何にでも挑戦してほしいですね。そのために大切にしているのは、学外のいろいろな人に接する機会を増やすこと。講演でもワークショップでもいいので、とにかく出会いを増やしてあげたいです。

足立先生
「その場の色に染まれる」人になってほしいです。辛そうに見えることでも、捉え方によってはプラスに考えることができますよね。そんな多角的な視点を身につけてほしいです。気をつけているのは、ホームルームなどで生徒に意見を求めるとき、あえて違う意見を投げかけるアプローチです。「こういう意見もあると思うけど、皆はどう感じる?」というような。「人と違うことを言ってもいい」ということを、気づかせてあげたいです。

生徒に伝えたい言葉や、先生方の座右の銘はありますか?

清水先生
「一期一会」です。みんなに出会えたことは私にとって本当に素晴らしいことなので、これからよろしく!というニュアンスです。毎年、新学年が始まるときは、生徒たちへの自己紹介で必ず伝えています。

友繁先生
「ええやつになれ」ということですかね。2年ほど前に「非認知能力」という概念を知ったのですが、それって突き詰めれば「ええやつになる」ってことだと思ったんです。ええやつの周りにはええやつが集まるというか、ええやつであれば人生に困ることはないなと。

足立先生
みんな、いいことばかり言ってプレッシャーを感じる(笑)。私は「気ままな人生」かなあ。あんまり深く悩まないし、嫌なことも一晩寝たら忘れるタイプなので。

山村先生
私は、月並みですけど「継続は力なり」です。

友繁先生
山村先生はサウナが趣味なので、好きな言葉は「ロウリュウ」(石に水をかけて発生した蒸気を楽しむサウナ入浴法)で!

全員
(爆笑)

では最後に、教員として最も喜びを感じるのはどのような瞬間でしょうか?

友繁先生
生徒の良い表情や、感情の動きが見えたときです。授業でもクラブ活動でも、うれしかったりくやしかったり、むき出しの心を見せてくれ
ることがあるじゃないですか。その経験は人生の大きな糧なんです。そのような瞬間に立ち会えることが何よりうれしいし「いい仕事だな」とつくづく思います。

山村先生
私は生徒が「わかった!」と言ってくれることです。どうすれば理解してもらえるかはいつも試行錯誤ですが、それがハマった瞬間は特に喜びを感じます。

清水先生
卒業生の活躍を耳にしたときです。「就職が決まった」とか、ちょっとしたことでいいんです。先ほど友繁先生の「自己決定」の話もありましたけど、進む道を自分で決めたんだな、成長したなと、頼もしく感じます。

足立先生
あいさつが苦手だった子が、元気よくあいさつできるようになったり、グループワークで孤立しがちだった子が、積極的に意見を発信するようになったり、生徒の成長の瞬間に立ち会えたときですね。

安田校長が目指す「チーム橘」とは?
安田文彦 校長

安田文彦 校長

私はまず、生徒たちが自分の将来をイメージしたとき、ワクワクできるようにしないといけないと思いますね。そのためには、「自分もあんな大人になりたい」と思ってもらえるように、「大人が大人であることを楽しんでいる姿」を見せる必要があります。
 たとえばご家庭でも、ご両親がいつも仕事で疲れて暗い顔をなさっているのではなくて「ああ、今日も楽しかった!」という表情を見せてあげられた
ら良いですね。一方で生徒たちは、親よりも長い時間を「先生」という大人と一緒に過ごします。それであれば、教員が教員という仕事を楽しみ、いきいきとチャレンジしている姿に触れさせてあげたい。本校は「チーム橘」として、すべての教員にそうあってほしいと考えます。何でも教えるのではなくて、私たちがどうあるかで、生徒は自ずと学び、育つ部分があると思いますね。

 教員の「チャレンジ」という意味では、私も意識していることがあります。一つは、校長職に就いた今もクラブ活動の指導に携わり続けていること。も
う一つは、いろいろな人を巻き込みながら「学びの会」を開いていることです。ベテランも新人も関係なく、興味のある教員が集まり、生徒たちへの接
し方などを意見交換しています。同時に校内に「教育推進チーム」を作って、自分の得意分野をシェアしています。個々が持つ力を「チーム橘」として最大化していきたいです。

 ここまで「チーム」を意識するのは、私も前任の校長も体育科の教員で、スポーツを通して「チーム」の重要性や素晴らしさに触れてきた影響が強いかもしれませんね。完璧な人間や教員なんていません。だからこそ、私たち自身も助け合って、生徒に楽しい学校生活を送ってもらいたいのです。とにかくこの「チーム感」こそ、京都橘らしさだと自負しています。

 また、生徒の目線に立つことも大事にしたいです。先生という存在は、ともすれば生徒と上下の関係で結ばれがちですよね。でも、もっと生徒が思っていることを言いやすいような、そういう関係を築きたい。学校づくりとしても重点的に取り組んでいるテーマです。
 そもそも教員も、もっと人間くささを出していいと思いますね。失敗した姿などを、恥ずかしがらずに生徒に見せてほしい。そしてそこで終わらずに、
「先生もこんなに頑張っているよ!」という姿勢を見せることです。
 たくさん失敗すればいいんですよ。失敗はチャレンジしているからこそのものですから。 このマインドを「チーム橘」のスタンダードにしていきたいです。

「教員が一丸となって、生徒に明るい未来を見せてあげたい!」
by「チーム橘」教職員一同

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