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進学通信

2021年9月

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NEWS & TOPICS
人としてのたしなみや和の心を胸に
新時代の“国際教養人”を目指して

リベラルアーツ教育・国際教育
公開日2021/10/31
リベラルアーツ教育と
国際教育の二本柱で
斬新な実践を次々と

 前身の兵庫県播磨高校から校名を変更し、創立100周年を迎えた姫路女学院は、一貫して“教養”を重んじる教育を重視してきました。同校が考える教養とは、あいさつや礼儀を通して日本文化を理解する心のことです。
 一方、グローバル化の波のなかで、時代に即した教養のあり方を追い求め掲げたのが“国際教養人”の育成。豊かな教養に支えられた国際的視野を持ち、社会に資する人を育てることを目指したのです。
 その理念を支えるのは、「リベラルアーツ教育」と「国際教育」。「リベラルアーツ」は“教養”と訳されますが、本来の意味は“人を自由にする学問”のこと。そこで同校では批判的思考で物事を発想する「疑問力」、多様な価値観のなかで主体的に考える「意思力」、知識・情報・人間関係を有機的に結びつける「構成力」という、三つの教育方針を具現化すべくカリキュラムを構築しています。教科の概念にとらわれず、めまぐるしく変化する社会で発生する、さまざまな課題を解決できる力を育むことを目的としています。その中核となるのが、第1・3・5土曜日に設定している『リベラルアーツデー』です。生徒自身が授業をデザインしながら、ディスカッションやゼミなどを中心に学ぶ日です。
「国際教育」についても、理念に沿った同校らしさがよく表れています。一般的に「国際教育」と聞くと英語学習を想像しがちですが、同校ではあくまで“国際的視野”を広げることを主眼としているのです。そのために、『国際連携推進センター』を設置し、先進的なプログラムを取り入れています。特に画期的なのが『オフショアスクール』というインドネシアの中学校を卒業した現地生が、姫路女学院高等学校に入学し、卒業するという留学制度です(2023年度入学予定)。生きた国際感覚は外国で身につける必要がある、というイメージがあるかもしれませんが、同校は校内を国際化し、日常の学校生活のなかで国際化を目指す、という逆転の発想で取り組んでいます。
 さらに、アメリカの高校『プロビデンス・カントリーデイ・スクール』と連携し、海外の高校の卒業資格を取得できるプログラム『デュアルディプロマ』もスタートしています。この制度を利用することで、海外の大学進学も視野に入れることが容易になりました。
 多数の斬新な実践を取り入れ、姫路女学院の“次の100年”はすでに始まっているのです。

『リベラルアーツデー』の「未来講座」で協働学習を進める高校生。この日は私服登校が許されている点もユニーク。

プログラミングも、リベラルアーツの一環として位置付けられている。問題解決に向けて、論理的に解法を導く思考力を養う。

POINT1
社会問題からアートまで
幅広い視野を養う『リベラルアーツデー』
『リベラルアーツデー』での「演劇教育」。

『リベラルアーツデー』での「演劇教育」。

『リベラルアーツデー』は、丸一日をリベラルアーツの学びに投じる、同校独自のカリキュラム。
 中学校では、「演劇教育」「プログラミング教育」「鑑賞教育」を実践し、「自ら考える」「他者に伝える」「他者と協働する」など課題解決力の基礎を磨きます。演劇やアート鑑賞の教育的効果は日本ではあまり知られていませんが、海外では教育手法として確立されています。
 高等学校では、SDGsを切り口に社会問題をグループワークで学ぶ「未来講座」や「音楽教養」、また全17のテーマの中から好きなゼミに所属して学ぶ「ゼミ学習」を実践し、幅広い視野を養います。
 こうした取り組みが、まさに同校が掲げる「疑問力」「意思力」「構成力」を育てるのです。

POINT2学校がグローバル環境! 校内で育む国際感覚

 学校内でグローバルな環境に身を置けることが強みの、同校の国際教育。特にコロナ禍で留学が難しいこの時世において、非常に魅力的だと言えるでしょう。
 アメリカの高校『プロビデンス・カントリーデイ・スクール』と連携し、日米両国の高校卒業資格を取得できる『デュアルディプロマ』(2021年度開始)、インドネシアの現地生が姫路女学院に入学する『オフショアスクール』(2023年度入学予定)、そのほか海外姉妹校との連携も強固で、タイ・インドネシア・ポーランド・パラグアイの学校と、研修旅行や相互訪問などを通じて交流します。一般的に姉妹校は、アジアや、英語圏の国々にある学校と提携することが多いですが、同校のような提携先の顔ぶれは非常に個性的です。このような多様性が、より生徒の国際感覚を刺激し、視野を広げてくれることでしょう。
 もちろん、英語教育そのものも充実しており、オールイングリッシュの授業や、休み時間や放課後に6名ものALT(外国語指導助手)と自由に英語で話せる『イングリッシュルーム』が設置されています。また長期休暇には、アクティビティを通してALTと英語でコミュニケーションをとりながら異文化を学ぶプログラムも行っています。

ALTによるオールイングリッシュの授業。

長期休暇中のプログラムでポーランドの伝統文化を学ぶ。

Teachers’ Interview★
本校の理念に沿った独自性を打ち出しながら
地域と共に包括的な国際化を進めたい

貴校では、なぜ“教養”を大事にされるのですか?

高校教務部長・井上学先生

高校教務部長・井上学先生

井上先生
国際教育の重要性の高まりは、すでに誰もがご存知だと思います。しかし単に英語が話せれば、海外で活躍できればそれで解決するのでしょうか。本校では、もちろん“コミュニケーションスキル”として英語力は必要だと考えますが、何よりまずはその土台になるものを育てたいと考えます。すなわち、礼儀や思いやりなど、日本で育った者としての“教養”です。その“教養”をもって、国際舞台で活躍してほしいのです。
『リベラルアーツデー』を通して、生徒たちに変化は見られますか?

井上先生
受動的に「教えられる」のではなく、生徒同士で「学び合う」ことに慣れてきたように感じます。また、「音楽教養」でクラシック音楽に触れ、「今までJ-POPばかりだった音楽の興味範囲が広がった」という生徒もいます。こうした変化や姿勢が自分の幅を広げ、“教養”につながっていくと考えています。

『デュアルディプロマ』では、具体的にどんな学びを?

上田先生
「教科」を学ぶわけではない点が特徴です。たとえば「再生可能なエネルギー」など、社会的な課題を題材に教科横断で学びます。オンラインでアメリカの高校の授業を受けてレポート課題などを提出すると、それに基づいて成績が出る仕組みです。6名のALTも積極的にサポートするなど、環境も整っていることが強みです。

『オフショアスクール』構想のねらいは?

国際連携推進センター副センター長・上田友梨香先生

国際連携推進センター副センター長・上田友梨香先生

上田先生
校内にグローバルな環境を作ることが目的ですが、それ以外に、地域とも強く連携していきます。本校の地元である姫路市が、積極的に外国人材を招き入れる方針を打ち出しているので、その一翼を担う考えです。国内で大学への留学生はそれなりに数がいますが、高校ではまだまだ少ないのが現状。そこを変えていけたらいいですね。