進学通信

2021年6月

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The Voice 校長インタビュー
“未来型リーダーシップ”の育成を目標に掲げる
次代に対応した女性教育「山手ルネサンス」が始動

平井 正朗 校長先生
私立中高の英語科教諭、管理職等を経験。全国英語教育研究団体連合会理事(近畿地区)等を歴任。
カリキュラム・マネジメントを軸とした大胆かつ組織的・多角的な学校改革でV字復活させる手腕が高く評価されている。
2021年4月より現職。関西国際大学客員教授、大阪市教育委員、国際教育学会理事、全国芸術高等学校校長会理事を兼任。
日課はホームページの「校長ブログ」執筆と、校門での朝のあいさつ。

公開日2021/7/31
予測不可能な時代に
必要な学力・能力を育む

 本校は2021年度より、母体である学校法人濱名山手学院の「他者を尊重しつつ、主体的・能動的に自らの人生を切り拓くことができる人間を世界に送り出す」という教育ミッションと、本校の建学の精神“自学自習・情操陶冶”のもと、教育改革をスタートさせました。
 目指すのは、約1世紀にわたる歴史と伝統を継承しつつ、予測できない未来社会において豊かで幸せな人生を送るための学力・能力を培う、「未来志向型女子教育」です。グローバルな視野を持ち、積極的に社会参画し、社会・他者への貢献に喜びを感じる心やさしい女性を育てたい。そして、他者を敬い、主体的・能動的に人生を切り拓く対話力を持ち、柔軟性に優れ、権威や立場にとらわれることのない、“未来型リーダーシップ”を発揮できる女性を送り出す学校へと進化したい。その志と決意を込めてスローガンを「山手ルネサンス」と定め、より具体的な教育ミッションとして3つのC、「Communication(対話・伝達)」「Consideration(熟慮・考察・思いやり)」「Commitment(参画・貢献)」を掲げました。

学校改革における
カリキュラム・マネジメントの重要性

 2021年度より、中学は『未来探究コース』に一本化し、大学入学共通テストの約8割が得点できる基礎学力の定着を徹底します。また高校の普通科は、国公立大学・難関私立大学を目指す『選抜コース』と、学校推薦型選抜(指定校推薦入試)で、系列の関西国際大学を含めた私立大学への進学を目指す『未来探究コース』に再編。音楽科は『演奏専攻』『音楽総合専攻』としました。
 これまで学校改革に携わってきた経験から、今改めて実感しているのが、カリキュラム・マネジメント実践の重要性です。カリキュラム・マネジメントとは、教育課程を計画的・組織的に編成・実施・評価し、教育の質を向上させること。生徒ファーストを基調としながら、本校の特徴である面倒見のよさを“チーム濱名山手”として結集させ、カリキュラム・マネジメントを通じて、地域に開かれた学校づくりと、進路満足度100%を目指します。
 古き良き伝統と新しい取り組みを一体化させ、学びという選択を与える、明るく楽しい女子校へと進化を遂げるためのキーワードとなるのが、生徒一人ひとりの目線に立って、それぞれに合った学習教材・学習方法を選択する『アダプティブ・ラーニング(個別最適化学習)』です。そのため9月から、AIを搭載したアダプティブ・ラーニング教材を導入することを決めました。授業は、従来のような教員による講義と、アダプティブ・ラーニングを組み合わせた形で実施。その結果に応じた課題には、自宅学習にて取り組みます。システムを通じて教員が一人ひとりの進捗状況を把握することが可能となりますから、今まで以上にきめ細やかなアドバイス・指導を実践することができます。

探究学習『やまてのまど』と
“探究的”な学習指導により
伸びる実感を得る学びを実践

 アダプティブ・ラーニングは、自学自習の時間が増えるといった成果が得られますが、単にシステム・教材を導入すればよいというものではありません。自ら学力を身につけるためには、その原動力となる興味・関心を持つことが大切です。それらを育む方法は多岐にわたり、AIを活用した学習アプリは、その一つに過ぎないのです。
 そこで同校では、探究学習『やまてのまど』を展開しています。合言葉は“Alice with self Navigation in Wonderland”。不思議の国、すなわち明日何が起こるのかわからない未来社会において、自分の道を見つけられるアリスを育てることを目標とし、今の「自分」から「地域」「日本」「世界」「未来の自分」へと段階的にテーマを広げていくことで、幅広い視野を育み、幸せな人生を歩むためのスキルを身につけていきます。
 そして2021年度からは、定期試験の学習指導においても“探究”を実践。教員と一人ひとりの生徒が、「学力の向上」という課題の解決に向けて取り組んでいきます。
 具体的には、まず定期試験の準備や結果を記録するリフレクションシートを作成。単に生徒が学び、試験を受けるだけではなく、試験結果を分析し、課題が克服されていない場合には、どのように対応するのかを一緒に考えるという、PDCAサイクルをくり返します。
 また、教員による定期考査分析会・模擬試験分析会の結果に加えて、年2回の学校評価アンケート・授業満足度アンケートで得た保護者の方と生徒の声も反映した“血の通った”指導の実践により、本当の意味でのアダプティブ・ラーニングの実現を図ります。

“チーム濱名山手”の確立を目指して

 これまで本校が力を入れてきた英語教育もさらに発展させていきます。現在、海外の学校との教科横断型のオンライン学習を検討中です。単なる交流ではなく、探究学習を取り入れることで、“使える英語”と大学受験に対応できる英語力をバランスよく養い、“未来型リーダーシップ”を育みたいと考えています。
 私は今年から本校に校長として就任しましたが、実は昨年、教員研修の一環として講演を依頼され、本校を訪れたのです。その際、教員たちの「この学校を良くしたい」という強い思いをひしひしと感じたことが、「校長として力を尽くそう」という決断に至った理由の一つです。
 そのような熱意ある教員とともに歩む先にあるのは、サクセスストーリーにほかなりません。私の頭の中ではすでに、より魅力的な学校へと進化した未来を思い描くことができています。“チーム濱名山手”が一丸となり、生徒一人ひとりが伸びる実感を得ることができる、きめ細やかなアダプティブ・ラーニングの実践をもって、「山手ルネサンス」の実現を目指したいと考えています。

こんな学校です

 地元、神戸元町商店街の方々の「女子にも高等教育を」という声から、大正13年に創設された伝統校です。創立97年目を迎えた2021年度より、「山手ルネサンス」をスローガンに掲げ、建学の精神である“自学自習・情操陶冶”のもと、新時代に求められる力を育む、未来志向型女子教育をスタートさせました。

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