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受験者数・受験率ともに大幅増!2025年度・ 関西圏の中学入試はこうなった! Vol.3【大阪府・兵庫県】

2025年度の中学入試状況を、府県別に見ていきましょう。
まずは大阪府・兵庫県です。

掲載日:2025/4/26
大阪府
高校授業料無償化への期待か 受験者・受験率ともに大幅増

 初日午前受験者数は8499人(前年度7933人)となり、566人増。関西2府4県全体で306人増だったことを鑑みても、すさまじい牽引力だったといえます。受験率も過去最高級の12・2%(同11・2%)と、まさに“大盛況”。高校授業料無償化の影響が大きく出たと思われます。

 

◆男子校◆ 受験者数増で人気が復活

 男子校3校は、いずれも前年度より前期の受験者数が上昇。大阪星光学院が706人(同664人)、清風が263人(同237人)、明星が192人(同136人)という結果に。前年度は3校とも減少していましたが、おおむね一昨年度並みの数に戻るかそれ以上となっており、そろって見事な巻き返しを見せ、人気の高さがうかがえました。

 

◆女子校◆ 全体では受験者数減も 高い人気を維持

 女子校全体としては、初日午前入試1525人(同1534人)。数値そのものは減少とはいえわずか9人であり、誤差の範囲といってよさそうです。前年度に大幅増加したことを考えると、引き続き高い数値で安定していると見ることができます。

 四天王寺は689人(同664人)、競争率は1・53倍(同1・45 倍)となり、受験者数の増加にともない難化したといえるでしょう。女子の医進系に強い学校として、今年も不動の人気を博しました。同じく医進系に強みを持つ大谷も、例年同様の安定した人気を誇っています。

 大阪女学院は前期ABが187人(同214人)でした。同校はグローバル教育が特色で、国際特別入試は33人(同49人)でしたが、一昨年度が同じ33人。後期入試では64人(同50人)となっています。

 英語入試(英語の選択が可能な入試も含む)に着目してみると、プール学院が55人(同86人)、金蘭会が39人(同34人)、梅花が15人(同31人)と、全体的にはやや厳しい結果になりました。ここ数年、注目を集めている英語入試ですが、2026年度はどう動くか注視したいところです。

 帝塚山学院は、注目の「得意教科型入試」を含め、実施された4回の入試すべてで受験者数増。前年度も同じくすべての入試で大幅増を達成しており、今年もその勢いを維持しています。

 

◆共学校◆ 進学校の躍進目立つ 大学附属校は安定の人気

 共学校全体の初日午前受験者数は5813人(同5362人)。なかでも目立ったのが、いわゆる進学校における伸びです。大阪桐蔭が前期で441人(同335人)、ほか3回の入試でもすべて受験者数が伸びています。同校は新しくコース制を導入したことでも注目を集めましたが、それも受験者数に大きく影響したといえそうです。開明は前期272人(同296人)で24人減となりましたが、4年前から4回の入試を導入以降、着実に受験者数を増やし、前年度に大きく増えているため、高い水準を維持していることに間違いありません。関西大倉はA1日程101人(同88人)、金蘭千里も初日午前・午後、後期C日程で大幅増、特に初日午前の競争率は2・36倍(同1・49倍)の激戦となりました。常翔学園はA日程で前年度と同数となる140人も、以降の日程で大きく増加し、3日目午後のC日程では競争率2・50倍(同1・77倍)となっています。

 高槻は例年通りの人気で英語入試を含めてA日程6 9 1 人。2023年に共学化1期生を送り出しており、ハイレベルな進学校としての定評をますます固めた形です。桃山学院も3回の入試すべてで受験者数が増加しています。

 大阪南部も活況でした。清風南海が入試日程を減らし(3回→2回)、複数回受験の加点制度や専願制を導入するなど、入試制度を大きく変えたことが話題でした。前年度の大幅増をそのまま維持するA入試837人(同843人)、3日目にあたるB入試では受験者数減も2・45倍(同2・11倍)という高い競争率を残しています。帝塚山学院泉ケ丘は3回、清教学院は2回の入試いずれも増加。初芝富田林は前年並みも、新設の「はつとん志入試」に16人が挑戦しました。

 校名を変更した利晶学園大阪立命館(旧初芝立命館)も、4回の入試すべてで大幅増。“立命館”のブランドを前面に押し出したインパクトはかなり強かったのかもしれません。

 毎年安定した人気の大学附属校では、関西大学中等部が前期118人(同124人)ながら後期は237人(同194人)、関西大学第一が554人(同447人)で男女とも競争率2倍超えの激戦でした。

 関西大学北陽は前年度と同数の1 次145人でしたが、競争率は3回の入試すべてで2倍を超えています。

 同志社香里は前期492人(同481人)、後期589人(同558人)で安定して高い人気を維持するなか、特に後期入試では男子の競争率が5・67倍(同4・21倍)となるなど激戦となりました。近畿大学附属も今年度受験者数が大きく増えた一校で、前期324人(同258人)、後期305人(同197人)。競争率も前後期ともに上昇しています。

 その他に大阪国際・賢明学院・香里ヌヴェール学院・昇陽・常翔啓光学園・東海大学付属大阪仰星・浪速・羽衣学園・箕面自由学園など、多くの学校で受験者数増加が目立ちました。

兵庫県
受験者数では微減も 受験率は高止まりで推移

 初日午前受験者数は4811人(前年度4903人)と減少しましたが、受験率は5年連続となる10・4%と高い水準を維持。大阪府の高校授業料無償化による影響での受験者流出が注目されましたが、目立った相関性は見られませんでした。

 

◆男子校◆ 受験者数は減少も競争率は変わらず

 灘は734人(同736人)で例年とほぼ変わらず。合格者はやや絞ったため、競争率は2・91倍(同2・78倍)でした。一方、甲陽学院は319人(同373人)で競争率は1・48倍(同1・70倍)。六甲学院はA日程が269人(同275人)で4日目のB日程が307人(同318人)といずれも微減ながら、競争率は例年並みの1・75倍(AB日程とも)という高い数値となりました。

 前年度に大幅増となった甲南は139人(同153人)と微減も難易度は変わらず。同じく前年度に増加となった淳心学院と報徳学園は、初日午前が減少する結果となっています。

 

◆女子校◆ 共学化による大きな変動なし

 共学化したことが大きなトピックとなりました。女子校全体の初日午前受験者数は838人(同913人)と、女子校にとってはその独自性の真価が問われる入試となりました。

 神戸女学院は247人(同227人)で、競争率も1・60倍(同1・46倍)へと上昇しています。一方で減少が目立ったのが神戸海星女子学院です。A日程99人(同146人)で競争率1・16倍(同1・33倍)と、例年に比べてやや広き門となっています。甲南女子は107人(同106人)で例年並み、武庫川女子大学附属も4回の入試いずれも大きな変動はありません。

 2026年度に共学化を発表している松蔭はA方式50人(同62人)。「英語1科」「課題図書プレゼン」は例年並みの受験者数となっており、同校の多様な入試としての定着がみられます。

 

◆共学校◆ ラッシュが続く共学化 受験者数増が目立つ

 親和と神戸山手グローバル(旧神戸山手女子)の共学化が大きな話題となりました。その影響もあってか、男子校・女子校の受験者数が減るなかで、共学校は初日午前受験者数が2307人(同2223人)と84人増となりました。2024年度は滝川が、20共学化による大きな変動なし女子校26年度には松蔭と園田学園の共学化が発表されており、兵庫県全体に共学化の波が押し寄せています。

 そんななかで、関西学院がA日程243人(同227人)。男女別の競争率で見ると、女子が難化し競争率1・90倍(同1・72倍)、男子はやや易化の1・87倍(同2・03倍)という傾向が見られました。同じく関学系列の啓明学院はA方式、3日目のB方式ともに減少となりました。

 須磨学園は第1回185人(同165人)で競争率も2・01倍(同1・99倍)、第2回・第3回入試でもそれぞれ2倍超えと、受験生にとっては厳しい戦いに。同校と姉妹校関係にある夙川は、いずれの入試も微減で競争率もやや低下。三田学園・神戸学院大学附属・滝川第二とともに若干広き門となっています。

 雲雀丘学園は専願志向の強い初日午前で286人(同239人)、仁川学院は4回の入試すべてで増加、東洋大学附属姫路・白陵は例年並みの落ち着いた入試になりました。

 2024年度に共学化した滝川は大幅増で、前期午前56人増の1 7 8 人( 同122人)、午後も427人(同302人)。共学化による期待値がますます高まっているといえそうです。今年度共学化した学校では、親和は前期98人(同70人)、神戸山手グローバルが前期62人(同27人)と、同じく目を見張る結果となりました。