Oママ
ご主人·長女(Kさん)·長男の四人家族。夫婦ともに奈良県出身。夫の転勤に伴い、長女が小学校就学前に家族で関東圏に引っ越し。小5の春に関西に戻った後から、志望校選びをスタート。
「主人も私も中学は公立だったので、長女の中学受験は未知の世界。手探りをしながらの経験になりました」
Kさん
この春、第一志望の中学校(共学校)に合格。学校選びは「勉強だけではなく、部活動にも行事にも精いっぱい打ち込める」という点を重視。
クラスの半数が中学受験をする環境が刺激に
中学受験をしようと決めたきっかけを教えてください。
Oママ
中学受験を決めた時期は小4の頃で、娘の意思です。その頃、私たち家族は主人の仕事の関係で関東圏にいました。住んでいた地域が文教地区のため、小3の頃にはクラスの多くの子が、日頃の勉強をフォローする学習塾に通っていたようです。娘は小さい頃から身体を動かすことが大好きなので空手と水泳をしていて、英語も少し習ってはいましたが学習塾には通っておらず、「私だけが塾に通っていないみたい」とよく口にしていました。ただ、私も主人も関西の公立中学出身で、自分たちの小学校時代に中学受験を視野に入れて勉強をするという感覚がなかったので、「ふ~ん、そうなんや」という程度に受け止めていました。
ところが小4になると、クラスの半分以上の子が中学受験をするとのことで、中学受験に向けた進学塾に通い始めたのです。子ども同士で、どこの中学を受けるかなど話題にすることも多かったようで、長女はこれに刺激を受けて「私も中学受験をしたい。塾に行きたい」と言い始めました。
Kさん
中学受験を決めたのは、クラスの雰囲気もありましたが、どうせ高校受験は避けて通れないのであれば、早目に中学受験をして、中高6年間は興味のあることに思い切り挑戦し、のびのび過ごしたいと思ったのが本音です。
中学受験を決めるまで、家庭での学習はどのように取り組んでいたのでしょうか?
Oママ
私が選んだ家庭学習用ドリルと、本人が選んで買って来たドリルに取り組んでいました。私は専業主婦なので、リビングで娘と一緒に勉強していました。
中学受験をすることについて、ご主人はどのようにおっしゃっていたのですか?
Oママ
「本人がやりたいというなら、いいんじゃないか」と。その言葉を聞いて、そういえば長女が自分から「これをしたい」と決めたのは、これが初めてだなと気づきました。でも「一時的な気分で言っていたとしたら、時間もお金ももったいないけれど」とも言っていて、それもそうだなと(笑)。
親としては迷いますよね。では、お子さんの決意に加えて、大きな決め手になったのは何ですか?
Oママ
受験をすると決めた小4の中頃、主人から「1~2年以内に、関西へ転勤になる話が出ている」と言われました。女子が小学校高学年で転校すると、新しい環境になじむのに時間がかかって、大きなストレスを抱えることがあるということを聞いていました。関東圏であれ関西圏であれ、私立なら地元の小学校からの持ち上がり入学とは違って、いろいろな地域から生徒が来るわけですから、違和感は少ないのかなと。関西に転校した後、中学受験の学習塾に通うことで学校以外での友だちができるのも心強いですし。それに中学受験を目指して勉強をすることは、もし、思うような結果が出なくてもムダになるはずがありません。いろいろ悩みましたが、総合的に考えて決断したように思います。娘の意思を尊重したいという思いもありましたし。
志望校決定は立地、教育理念など自分の目で確かめて慎重に
受験のための塾選びは、どのようにしたのでしょうか?
Oママ
転勤で関西に戻って来たのは長女が小5に進級したばかりの4月でした。塾選びは、関西に戻る前に、関東圏と関西圏で展開している塾であることを条件に探して、全国展開をしている大手進学塾に決めました。入塾試験の成績が良くてほめてもらったのもうれしかったようで、意欲向上につながっていました。さらに、塾の授業が刺激的で面白かったようで、関西に戻って来てからも喜んで通っていました。転勤後は、長女にとって新しい学校、新しいお友だちなど、何もかも慣れ親しんだものがない環境ですから心配でしたが、ちょうどコロナ禍で学校も塾も授業のほとんどがオンラインになっている時期だったので、どさくさに紛れて知らないうちになじんでいたという感じで、子どものたくましさを感じましたね(笑)。
では、志望校選びはどのようにしたのですか?
Oママ
家から通いやすい距離·立地にある学校を条件にして、7校に絞り、各校の教育方針を確認しました。そして、どの程度、勉強中心の生活になるのかなどについてきちんと調べるようにしました。
Kさん
私は中学生になったら部活動も頑張りたいと思っていたので、進学校で部活動が充実しているかどうかを重視しました。それから、自分の性格上、共学校が合っているのではないかと思っていました。
中学受験の学習塾に通うことで、同じ目標を持つ友だちができました。
複数の中から第一志望校を決定した決め手は何だったのでしょうか?
Oママ
第一志望校を決めるまでは、候補に挙げていた学校の見学会や説明会に積極的に参加しました。実際に学校を訪れると、「入学案内とはイメージが違う」と感じることもあり、実際に足を運ぶ大切さを実感しました。見学会で体験授業を受けて初めて、娘が興味を持った学校もありました。結局、その学校を第一志望にしなかったのは、塾で受けた全国模試や公開模試の成績が絶対合格のラインをキープできなかったからです。とはいえ、まったく届いていないわけではないため、小6の夏頃まで迷っていたのが本当のところで、悩みながら目標を定めていった感じです。ある学校の体験授業でバイオリンの演奏体験があり、見ている私が「いいなぁ!」とうらやましくなったことがありました(笑)。娘も好印象を持っている学校でしたし、成績も合格ラインに届いているということで、その学校を第一志望としました。
Kさん
バイオリンの演奏体験をうらやましがるお母さんの気持ちはよくわかりませんでしたが(笑)、家から近くて通学時間もかからず、部活動も充実しているし、よい学校だなと思ったので決めました。ただ目標にしたのは、その学校の難関コースです。私は勉強にもしっかり取り組みたかったので、そのコース以外なら行かないと決めて、難関大学を目指して勉強に集中できる併願校も受けると決めていました。併願校は、夏休み返上で勉強する環境がある学校なので、それもいいなと思ったんです。
Oママ
長女が、自分で行きたいコースを定めて、さらに併願校に関する具体的なイメージを持っていたのは予想外だったので驚きました。この時期になると、主人も交えて3人で、パソコンで学校検索をしながら受験について話をしていました。第一志望校に決めた後も、その学校をもっと知りたいと考えて、娘と、ときには主人も一緒に4~5回は見学に行きました。主人も「よい学校だな」と興味を持ったのと、娘のお友だちのお姉さんが通っていると聞いたので、どのような学校なのかを教えてもらったりもしました。志望校決定は、妥協せずに気になることを徹底的に調べて、本人も私たちも納得して決めたという感じです。
ストレス解消も含めメリハリのある受験生活を
受験生のときは、どのような生活をしていましたか?
Kさん
塾がない日は、学校から15時30分ごろに家に帰り、16時30分から自分の部屋で勉強を始めて1時間ごとに10分間休憩。23時30分ごろには終わるようにしていました。塾がある日は、20時ごろまで塾で勉強していました。
Oママ
娘が家で勉強をしているときは、テレビの音を小さくしたり、字幕にして見たりしていました。また、弟がいるため、我慢させすぎてもストレスになると思い「お姉ちゃんが家にいるときは17時までは静かにしてね」とお願いしていました。
Kさん
それでも勉強に集中できる環境としては限界があったので、小6の夏からは塾の自習室を使うようになりました。これが案外、集中できるので助かりました。
得意教科と苦手教科は?
また、息抜きやストレス解消はどのようにしていましたか?
Kさん
得意教科は算数で、苦手なのは国語です。苦手を克服するために、語句の暗記や漢字の書き取りに取り組み、読解は何度も音読するように心がけました。休憩時間は、好きな音楽を聴きながらトランポリンで飛び跳ねていました。やる気が出ないときも、音楽とトランポリンがあると勢いがついたんです。
Oママ
受験に集中するために引っ越しを機に、習っていた空手も水泳も辞めたので、運動不足になっていたのかもしれません。トランポリンは受験直前でも欠かしていませんでしたね!
学校に足を運ぶことで気づいたことがたくさんありました。
受験生活を通じて、「してよかったこと」と「するべきだったこと」を教えてください。
Oママ
娘はマイペースなタイプなので、受験だからといっても緊張しないのではと思っていたのですが、初めての環境で、知らない人たちと一緒に受ける模試はとても緊張したらしく、帰って来たとたん、「最初の問題を覚えていない!」と言ったので「え、そうなの?」と驚きました。これは、本番までに慣れておかないといけないと思い、その後意識的に模試を受けるようにしたのはよかったと思います。
Kさん
私は、テストのたびに徹底的に見直しをしたことが効果的だったと思います。あとは休憩時間に気持ちを切り替えて、トランポリンなど好きなことをしたこと。しておくべきだったと思うのは4年生の時期からテストの見直しをして、間違えたところをそのままにしておかないことだと思います。
受験生活で一番大変だったことは何ですか?
Kさん
友だちと遊ぶ時間がとれなかったことです。あとはテストの結果が悪いときや、たまたま休憩時間が少し長引いてたときに、お父さんから「もう、塾を辞めるか」「そんなことでは落ちるぞ」と言われたことが嫌でした。
Oママ
男性は正論を言ってしまうことがあるので仕方ないのかもしれませんが、このように主人が言うたびに、娘がいないときに「それ、絶対に言ったらダメな言葉やから。この時期はできるだけほめてあげて」と諭すようにしました。でも主人は、「けなされたら奮起するのでは」という期待を込めていたようで…。私は、もし第一志望校が不合格だったときのことも考えて、娘に「合格した学校が縁のあるところだよ」「第一志望校に合格することがゴールじゃない。中学受験は長い人生の通過点だからね」などとフォローを入れるようにしていました。また、受験が近づいたある日、私の母(娘にとっては祖母)が電話をくれて励ましてくれたのですが、娘はプレッシャーを感じたようで…。「受験当日は、絶対に大丈夫とか頑張ってとか言わないでほしい」と言ってきました。その気持ちはわかるので、母には「当日は連絡しないで」と伝えました。皆、応援する気持ちでやってくれているのですが、本人の気持ちとギャップがあったようです。
Oママさんの悩みやプレッシャーは、どのように解決していたのですか?
Oママ
塾で親身になってくださる先生に話を聞いてもらい、具体的な対処法を教えていただきました。疲れたり、プレッシャーを感じて落ち込んでいる娘にかけるフォローの言葉は塾の先生に教えていただきました。受験生時代は、子どもの変化に敏感になっていましたが、同時に親も悩み、変化し、成長していくのだと感じています。
受験前日は、どのように過ごされましたか?
Kさん
塾から出ていた宿題をやりました。前日に難しいことをしてはいけないと聞いていたので暗記することやまとめを見直し、算数の簡単な計算をしながら「やれる!できる!」と自信をつけ、前向きな気持ちになるようにしていました。
Oママ
直前まで23時を過ぎても勉強をすることが多くなっていたのですが、前日は21時には布団に入るようにさせました。いつもはその時間帯は勉強をしていたのと、緊張から寝つけなかったようですが。試験当日は、夫婦で家にいましたが落ち着かない感じで、「掃除をすると運気がよくなるよね」と、二人で掃除をしたりしていました。
してもらってうれしかったことはありますか?
Kさん
模試や学校のテストが目標点に達したとき、欲しかった本を買ってもらえたことです。あとは塾の先生がタオルにメッセージを書いてくれたことや、試験当日にも言葉をかけてもらえたことが本当に心強かったです。あきらめずに頑張ってよかったと思いました。
合格したときの気持ちを教えてください。
Kさん
そのままですが、「やった!うれしい!」という気持ちです。今までガマンしていたぶんラインやる!ゲームやる!漫画読もう!と思いました。
Oママ
娘の努力が実を結んだことはもちろんうれしかったのですが、同時に私自身が「解放された~!もう、あれこれ言わんでもいいわ!」と思いましたね(笑)。
4月から、あこがれの学校で中学生活がスタートします。抱負をお願いします!
Kさん
たくさん友だちをつくります!部活動に入って思い切り楽しみます!勉強では特に英語を頑張りたいです!
先輩として、中学受験を目指す受験生にメッセージをお願いします。
Kさん
合格までの道のりはしんどいことも多いですが、やりきった達成感は言葉にできないほどです。頑張ってください。
ご家族にとって、初めての中学受験はどのようなものでしたか?また、中学受験先輩ママとしてアドバイスをお願いします。
Oママ
初めての中学受験は、娘だけでなく、家族にとってもチャレンジングなものでした。大変なことも多いのですが、手探りながらも一つずつ乗り越えることができて、よい経験になったと思います。
特に印象に残っているのは、途中で長女が辛くなって「自分で決めたことだけど、何でやろうと思ったんだろう」と口にしたことがありました。そして自分でいろいろ考えたのでしょう、「自分で決めたことやから、やっぱりやる!」と。その姿を見て、わが子ながらたくましいなと思いました。私自身が小学生のときに、こんなことが言えたかなと、中学受験を通して子どもの新しい側面を見ることができました。
これから中学受験をするご家庭にアドバイスをするとしたら、夫婦の役割を決めておくことと、とにかく子どもをほめることが大切ということです。役割を決めていないと夫婦がギクシャクしてピリピリすることがあると思うのですが、これのすれ違いを感じてしまうと、子どもは落ち着かなくなります。次は小4の長男も中学受験をすると決めているので、私自身も、この経験を生かしていきたいです。
「自分で決めたことやから最後までやる!」その姿に子どもの成長を感じました。








