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私立中高進学通信

2025年特別号

生徒の主体的な活動にフォーカス!

学習院女子中等科

息づく自治精神と委員会文化
図書を通して学校に関わる人たちの心をつなぐ

 図書委員会が発行する校内誌『赤煉瓦』と『青煉瓦』。
学内誌『赤煉瓦』は年に1度発行され、八重桜祭(文化祭)では来場者にも配布されます。
年に数回発行の『青煉瓦』は各教室にも掲示されます。図書館には両誌で紹介された本の展示コーナーも設けられます。

図書委員会の伝統と挑戦

 学習院女子では、建学以来受け継がれてきた自治精神を基盤に、生徒による委員会活動がとても活発です。現在、校内には7つの委員会が存在し、互いに連携しながら、日々の学校生活をより快適でより豊かなものにするためのさまざまな取り組みを行っています。

 その中でも図書委員会は、学校の“知の拠点”である図書館を中心に活動する委員会として、伝統と創意工夫を受け継ぎ、活動しています。普段の貸出・返却業務はもちろん、校内誌『赤煉瓦』『青煉瓦』の制作、文化祭「八重桜祭」での古本市・史料展の運営、中等科主催の「百人一首大会」の企画など、活動内容はきわめて広範です。

 今回は、中等科・高等科それぞれの委員長・副委員長4人にお話を伺い、図書委員会の魅力、その担い手としての日々の活動、伝統を守りながらも新たな試みに挑む姿にせまります。

図書館に惹かれて集った4人
「本が好き」から始まる成長

 中等科委員長のAさん(中3)は、小学生の頃から本が好きで、自分が図書委員になったのは、ごく自然な流れだと話します。

「本が大好きで、図書館に関わる委員会を希望しました。中等科では委員会に立候補する際にスピーチがあるので、どの委員会を選ぶにしても気持ちを込めて臨まなければなりません。同じ学年に10人の仲間がいて、学年を越えて6学年がひとつの委員会として活動するのが大きな魅力です」

 図書委員会では活動内容に応じて4つのパートに分かれ、『赤煉瓦』制作、『青煉瓦』制作、文化祭の史料展、部活動紹介のポスター制作を担当します。どのパートも学年縦割りでチームを組み、学年を越えて自然と関係を深めることができます。

 中等科副委員長のBさん(中3)も「本が大好きで、図書館に関わる活動をしてみたいと思った」と話します。2人とも学年の仲間や上級生の温かさに惹かれ、2年生・3年生と立候補を続けているそうです。

 一方、高等科委員長のCさん(高3)は、中学受験の際に「図書館が素敵な学校だ」と感じたことが、学校を志望し、図書委員会に関わる最初のきっかけになったと振り返ります。

「学習院女子の図書館は、落ち着いて過ごせる読書スペースがあり、気になる本をすぐ手に取りやすい雰囲気があります。中等科の頃は先輩に与えられた仕事をこなすことで精一杯でしたが、高等科では後輩を支え、全体の進行を把握する立場になり、責任の重さを感じるようになりました」

 高等科副委員長のDさん(高3)も、小学校時代から図書委員として活動していた経験を生かしたいという思いで立候補した一人です。高2の6月から高3の6月まで水泳部の部長も務めており、「部活動で多くの人に助けられてきたので、委員会では自分が誰かを支える側に回りたいと思い、委員長を支える副委員長に立候補しました」と語ります。

 高等科の2人もまた、図書委員会での活動にやりがいを感じ、中1から現在の高3まで続けています。

校舎とは独立した3階建ての図書館。1階が女子中・高等科、2・3階が大学の図書館で、高等科生は全フロアを利用できます。授業だけでなく、放課後も読書や調べものをする生徒でにぎわいます。校舎とは独立した3階建ての図書館。1階が女子中・高等科、2・3階が大学の図書館で、高等科生は全フロアを利用できます。授業だけでなく、放課後も読書や調べものをする生徒でにぎわいます。
『青煉瓦』は年に数回発行され、各教室と図書館に掲示されます。本にまつわるエピソードや選書を、さまざまな視点から紹介しています。『青煉瓦』は年に数回発行され、各教室と図書館に掲示されます。本にまつわるエピソードや選書を、さまざまな視点から紹介しています。
『赤煉瓦』は毎年テーマを設定し、調査を重ねて制作します。「今年は“学年の同窓会名”を取り上げ、その由来や思いを探りました。資料集めは大変ですが、とても楽しく取り組めました」(中等科副委員長・Bさん)『赤煉瓦』は毎年テーマを設定し、調査を重ねて制作します。「今年は“学年の同窓会名”を取り上げ、その由来や思いを探りました。資料集めは大変ですが、とても楽しく取り組めました」(中等科副委員長・Bさん)
印象に残る活動と
委員長・副委員長としての自覚

 図書委員会の活動には、年間を通じて多彩な取り組みがあります。高等科の委員長・副委員長には、こうした活動全体のスケジュールを立て、パートごとに役割を調整し、学年の枠を越えて協力体制を築くリーダーシップが求められます。日々心がけていることは何でしょうか。

 Cさんは、「委員全員による振り返り」を挙げます。

「各学期末にアンケートを実施し、活動の良かった点、改善点、正副(委員長・副委員長)に伝えたいことを自由に書いてもらいます。パートのチーフが主体的に動けるよう、適度な距離感を保ちつつ支えることを心がけています」

 Dさんは、連絡や進捗管理などの「コミュニケーションの質」が活動を左右すると話します。

「ダブルチェックを徹底し、誤解を生まないよう丁寧に情報を共有することを大切にしています。中等科の委員長・副委員長(Aさん・Bさん)に仕事をお願いする時も、進行状況を確認しながら進めます」

 CさんとDさんは、運営の難しさに直面しながらも、工夫を重ねて着実に成長してきたこと、そして年間を通してさまざまな挑戦に取り組んだことが、とても印象に残っていると話してくれました。

「毎年の活動に加えて新企画に取り組むことで、委員会運営の難しさを感じました。伝統を守りながらも、新しい挑戦をどう組み込むか委員長として常に考え続けています」(Cさん)

「私は昨年、八重桜祭の看板作りを任された経験が大きな転機になりました。初めて自分が1つのプロジェクトの中心に立つ経験でした。責任を持って取り組むことで、委員長・副委員長の役割への理解が深まりました」(Dさん)

30年以上続く「百人一首大会」
― 伝統を受け継ぎながら、より良い運営をめざして ―

 中等科の図書委員会が1年で最も力を入れる行事が、3学期に実施される「百人一首大会」です。30年以上続く伝統行事で、中1から中3までの生徒全員が参加します。

「図書委員が運営を担う行事なので、特に気合いが入ります。50セットの札を並べ、チームごとの得点集計、個人表彰、放送での結果発表まで、すべてを図書委員が行います。女子部の生徒は何事にも全力で取り組むので、毎年とても盛り上がります」(Aさん)

 中等科副委員長のBさんは、この大会に向けた準備の大変さを語ります。

「大会の運営は毎年少しずつ改善されてきました。コロナ禍では学年ごとに会場を分ける必要もあり、その都度議論を重ねて乗り越えてきました。歴代委員が残してきたノウハウやデータを受け継ぎながら、より良い大会にするための工夫を続けています」(Bさん)

 百人一首には授業や小テストでも取り組んでいるため、生徒たちにとっては“これまで積み上げてきた学びを発揮する場”でもあります。知的な緊張感と熱気が同居する、学習院女子らしい行事だと言えるでしょう。

中等科図書委員会が企画・運営する行事。学年ごとにクラス混合のグループで競い合い、総合体育館は熱気あふれる時間となります。

中等科図書委員会が企画・運営する行事。
学年ごとにクラス混合のグループで競い合い、総合体育館は熱気あふれる時間となります。

委員会で芽生えたもの
― 自分の役割と向き合い、「誰かのために動く」喜び ―

 最後に、4人に「図書委員会で得た成長ややりがい」について尋ねました。

 Dさんは、「人を支えることの喜びを感じられる場所」と語ります。

「文化祭での展示や部活動紹介ポスターの制作など、形として残る仕事が多いので、達成感があります。文化祭にいらしたお客様が展示を楽しんでくださっているところを見た時にも、大きなやりがいを感じました」

 Cさんは、6年間の活動を振り返り、「図書館に携わることで、自分でも驚くほど多くの経験を積むことができた」と言います。

「委員長として全体をまとめる難しさを感じるなかで、周囲への配慮や、場全体を俯瞰する力が培われたと思います。高等科3年生として、最後の1年もしっかりと関わっていきたいです」

 中等科の2人は、高等科の先輩との交流を大きな収穫として挙げます。

「カウンター当番では、中2と高3など普段話す機会の少ない先輩と組むことがあります。気遣ってくださる優しさに触れ、委員会の“横のつながり”だけでなく“縦のつながり”も強く感じました。
 また、今年初めて参加した『東京・学校図書館スタンプラリー』では、小学生に向けた図書館公開を中等科生が主体となって運営し、大きな成長につながりました」(Aさん)

「毎年、希望するパートに立候補できるので、その年ごとに新しい役割に挑戦できるのも魅力です。私は今年、初めて史料展の制作に携わりました。大きな模造紙に調べた内容をまとめるのは予想以上に時間がかかり、分担の工夫も必要でしたが、副委員長という立場で責任をもって取り組めたことに大きなやりがいを感じています。
 高等科の先輩方と一緒に活動する機会も増え、制作の姿勢や仕事の進め方を間近で学べたことも良い経験でした」(Bさん)

中学受験生へのメッセージ
Aさん(中等科委員長・中3)

 学習院女子の入試は記述が多く、「自分の言葉で考える力」を大切にする学校です。また、図書館など好きなことに没頭できる環境があり、勉強と趣味を両立しながら自分の“好き”を育てられます。


Bさん(中等科副委員長・中3)

 広い敷地やプールなど施設が充実していて、勉強も運動も思いきり取り組めます。委員会活動では学年を越えて協力し合い、互いに学び合える雰囲気が魅力です。


Cさん(高等科委員長・高3)

 授業を通して「学ぶ楽しさ」を実感できる学校です。卒業生との交流や調べ学習など、将来を考えるきっかけも豊富。中学受験では、中高6年間だけでなくその先の大学も視野に入れて考えてみてください。


Dさん(高等科副委員長・高3)

 勉強と部活・委員会を両立しやすく、言葉で表現する力を高め合える環境があります。大学附属校ならではの、のびのび過ごせる雰囲気も大きな魅力です。

八重桜祭では、図書委員が来場者をご案内。古本市や部活動紹介展示、史料展などの企画も担当します。

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