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スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

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私立中高進学通信

2022年特別号

卒業生が語る私の成長Story

学習院女子中等科

アイスランドの漁港から魚を仕入れてます!
学習院での6年間が「逆境に負けない私」を作った

佐野朗子(さの・あきこ)校長先生

学習院大学法学部政治学科卒業・早稲田大学大学院公共経営研究科修士課程修了
アイスランディックジャパン株式会社
二階堂 恵理菜さん

 海外帰国生の受け入れや海外留学派遣など、国際色ある教育にいち早く取り組んできた同校。その卒業生たちが、世界を舞台に活躍しています。卒業生の二階堂 恵理菜さんに中・高等科の6年間を振り返ってもらいました。

帰国生入試の作文課題「お小遣いの値上げ交渉」
この学校は面白い!と確信しました

 小学校低学年の時に通っていた私立小学校は規律・厳格さに重きを置く校風でした。小学校高学年からは、親の仕事の都合でオーストラリアの小学校へ転校し、自由で、多様性に富んだ学校生活からは多くの刺激を受けました。

 帰国後、自由と規律のバランスが良い校風で、英語教育にも力を入れている学校に通いたいと思い中学受験をすることに決めました。

 準備期間が一年未満と短かったこともあり、志望校が絞れないまま受験シーズンを迎え、学習院女子中等科が第一志望校になったのは試験当日のことでした。「親にお小遣いの値上げを要求するとしたら、どのように伝えるか」という作文課題が出題され、午後の面接では、「この回答で親を説得できると思うか」と問われました。私は母の顔を一瞬見た後に、「できないと思います!」と元気よく答えました。すると面接中にもかかわらず大きな笑いが起こりました。他校の帰国生入試にはなかった独自性のある入試問題・面接に面白みを感じ、「探していた学校に出会えた!」と確信しました。

 自分の言葉で「正直に」伝え、「考える過程」を大切にする、母校らしさが伝わる良問だったと今でも思います。

「世界は少しずつ変えられる」と思える
課外活動で自信を得ました

 母校は課外活動が盛んです。委員会・部活動・校内外の行事などに複数参加する生徒も多く、私もさまざまな活動に力を注ぎました。課外活動を通じ、「仲間との地道な努力による成功体験」を積み、「逆境力」に必要な自己肯定感を得ました。

●総務委員会での活動

 中等科では総務委員(生徒会にあたる)を務めました。毎週行われる、中・高等科の全総務委員と先生方との会議にて、「通学鞄に、一回り大きくて、丈夫なナイロン製鞄も許可してほしい」という声が上がりました。私は「校則は変わるはずない」と思い込んでいたので、先生の返答を聞く前から諦めていました。しかし、先生の第一声は意外なものでした。

「共感するが納得できない」

 全否定ではなかったのです。

 それならばと、高等科の先輩方と共に全校生徒アンケートを実施するなど、先生方に認めてもらうための材料をそろえました。発案から2年かからずに、デザインの公募、全校投票でのデザイン決定を経て、ナイロン製学校指定鞄(副鞄)は実現しました。先輩方が先生方と協働で新しいことを進められる姿は、大人っぽく感じられ、憧れました。この経験から「世界は少しずつ、周囲の人たちと一緒に変えられる」と思うことができたのです。


●高等科2年学芸会『ライオンキング』

 高等科2年の学芸会では、『ライオンキング』を私の学年は披露しました。私はダンスの振り付けを担当したのですが、心に残っているのは劇中に出てくる大きな岩を作成していた大道具担当の同級生たちの姿です。演者が登っても壊れない強度で岩を作る必要があったので、牛乳パックを三つ折りや二重にして組み立てていました。大道具班だけでは、大量の牛乳パックを集める事ができないので、彼女達は学年中に協力を呼びかけていました。

 仲間を心から応援することは、気持ちが良いです。廊下に毎日少しずつ積み上がっていく牛乳パックの山を見ては、他の同級生も同じ熱量で大道具班を応援していると感じられ、とても幸せな気持ちになりました。出来上がった大きな岩に演者が登るのを見た時は本当に感動しました。まさに「仲間との地道な努力による成功体験」として、今でも記憶に残っています。

在学中は課外活動の全てを全力で取り組んだと話す二階堂さん。
「総務委員会・ダンス部・附属戦実行委員会・チアリーディング・応援団・学芸会と、
母校でのたくさんの課外活動が、チャレンジ精神、マルチタスク、
ストレスコントロールの礎となっています」(二階堂さん)

高等科自由選択「社会演習」で探究したことが
その後の研究活動に繋がる

 高等科には自由選択の授業があります。小学生時代、多文化主義政策をとる豪州で生活していたことから、社会科で扱う内容に関心があり「社会演習」を選択しました。

「社会演習」では生徒がそれぞれ関心のあるテーマを自ら選定し、研究、資料作成、発表を行い、その後、皆で意見交換をする大学のゼミのような授業です。同級生たちはドミナント戦略、日米安保、北朝鮮問題など、今でもホットな社会的テーマを取り上げていました。私は小学校の時から関心があった多文化共生政策を扱い、その後、ますます社会問題に興味が深まり、大学では法学部政治学科に進学しました。そして、大学院では公共経営研究科に進み、多文化共生に関して修士論文を書きました。

 もし高等科の時の自分にアドバイスができるなら、「第二外国語でドイツ語・フランス語を選択するといいよ」と伝えたいです。ドイツ語・フランス語の履修者は、欧州外資系企業や欧州現地法人で働いてる卒業生が多いと感じます。高校1年から大学4年まで学べば、学習期間は7年間になります。3カ国語を話せること、文化的な素養があることは、人生を切り拓くうえで大きな武器になるはずです。同窓会会誌を見ていると、母校の特色ある授業や取り組みが、それぞれの未来をより良いものにしていると感じます。

「『社会演習』の発表資料は、今でも大切にしています」(二階堂さん)

「『社会演習』の発表資料は、今でも大切にしています」(二階堂さん)

「逆境に負けない」 自己肯定感は
仲間を応援する校風で培われた

 私は現在、アイスランド外資の水産商社に所属して、アイスランドの冷凍水産物をアジア市場に販売する仕事をしています。

 世界的な不況時に就職活動が重なり、学生時代に思い描いた仕事に就くことはかないませんでした。そこで、世界とつながる仕事で、ニッチな業界であっても、業界上位の会社で働こうと考えました。最初に就職したのは、カラフトシシャモを輸入する日本の専門商社でした。北欧やアジアの食品製造工場への訪問を通じ、食の世界経済を実感できる点に面白味を感じました。当時は、製造現場へ女性を派遣することに抵抗感を示すことが許容される社会風土が残っていました。自分は最前線の現場に立ち会うことはないのだと悟り、私の水産業界でのキャリアの天井は、すぐそこにあるように思え、まだ20代だった私は、こんなに面白い仕事に出会えたのにと、本当に堪らない気持ちになりました。

 その後、アイスランド外資の水産商社とご縁があり、これまでの業務経験や、食文化の豊かな日本出身であることが活かせると考えて転職しました。アイスランドは世界の男女平等ランキング1位を13年間保っている国です(2022年現在)。水産の仕事でもジェンダーギャップが少なく、私はアジア人女性で初めて買付業務の一環としてアイスランドのカラフトシシャモ漁船に乗船することができました。前職では経験できなかった新しいことに挑戦し、上司や取引先、漁師の方々のおかげで、身をもって現場を知ることができたことは大きなやりがいになり、自信にもなっています。

 女性登用が稀であるポジションへ起用された際には、「できます!やります!」と自信を持って手を挙げ、「頼もしい」と思って貰うことは、当事者として重要だと考えてきました。

 前向きなチャレンジ精神は、母校で培われました。仲間の熱意や実直さを応援する校風なので、自分も仲間から応援されることも経験します。苦しい時も応援してくれる仲間がいる。失敗しても仲間が努力を讃えてくれる。こういう体験の積み重ねでチャレンジ精神が身につきました。

受験生の皆さんへ
ぜひ一度、校歌の歌詞をご覧になって下さい

 母校では、行事や先生方の講話など、様々な場面で学習院院歌(校歌)に触れる機会があります。聴いた方は母校のイメージと異なる印象を受けるのではないでしょうか。院歌には「現実社会の残酷さを受け止め、逆境に強い人材を輩出したい」という思いが込められています。思うようにならない現実を前にした時も、ふと院歌の前奏が頭をよぎり、鼓舞されて気持ちがリセットされます。同じように感じている卒業生は多いと思います。

 在校生も卒業生も、母校で出会う人たちはみなさん潑刺としています。「逆境に負けない自信」は、溌剌とした仲間達と過ごす6年間で磨かれると思います。

 この記事を契機に、皆さんが学習院女子中高等科に興味を持つきっかけとなれば嬉しいです。

アジア人女性で初めてアイスランドのカラフトシシャモ漁船に乗船しました。

アジア人女性で初めてアイスランドのカラフトシシャモ漁船に乗船しました。

とても珍しい生のカラフトシシャモ

恩師より
長沼 容子教頭

 本校には「在校生と卒業生との交流会」があります。卒業生が来校し、在校生に自身の職業や生き方について話してくださり、質疑応答などの交流から、共に学び合う場となっています。二階堂さんは、グローバルに活躍することを目指す後輩たちのために、講演者として参加してくれました。

 二階堂さんは中・高等科時代も正義感が強く、バイタリティーがあり、いつもまっすぐに理想に向き合って挑戦していく生徒で、その様子を頼もしく思っていました。卒業してからもチャレンジのすべてが上手く運んだわけではなく、壁にぶつかりながら自分を活かせる場を探し続け、現在の職場に出会ったということです。

 女性の活躍の場はどんどん広がっており、卒業生たちも色々な分野でその力を発揮していますが、二階堂さんの仕事場である水産業界はまだまだ女性が少ない世界だと思います。自然を相手に自分らしく働き、笑顔で道を拓いていく彼女に魅力を感じます。二階堂さんの更なるご活躍を心よりお祈りいたします。

 本校では、学習院18代院長の安倍能成(あべよししげ)が折に触れ、生徒たちにお教えくださった「正直」と「思いやり」という言葉を大切にしています。二階堂さんが自身の「やりたいこと」に向かい合う姿勢は、自分に「正直」であることだと思います。また、彼女のキャリアの中で、人から学ぶ姿勢や、人と人との繋がりを大事にすることで、今の仕事にたどり着いていることがわかります。この部分は彼女の「思いやり」の力なのではないかと感じています。

 これからの世界は、予測できないことに立ち向かうことの連続です。どのような局面でも、しなやかに自分の道を切り拓いていく二階堂さんの姿から、自分の芯を養い、しなやかで強く歩いていくためのヒントを得て、今後の本校の教育に生かせたらと思います。

学習院院歌の歌詞。「思うようにならない現実を前にした時も、
ふと院歌のメロディが頭をよぎり鼓舞されます。卒業した今でも大切な歌です」(二階堂さん)

院歌の歌詞と現代語訳は、同校発行の教科書『古文の基礎』にも掲載されています。

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