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私立中高進学通信

2025年特別号

未来を切り拓くグローバル教育

巣鴨中学校

ボストン研修で広がる世界
生徒が語る“学びの手応え”と、未来へつながる一歩

左から有本陽哉さん(高2)、島津和明さん(高2)、中瀬啓太さん(高1)

 2025年8月18日(月)~26日(火)の6泊9日で実施されたボストン研修(『Sugamo Global Leadership Program in Boston & New York』)。この海外研修に参加した中瀬啓太さん(高1)、有本陽哉さん(高2)、島津和明さん(高2)の3名に参加のきっかけや現地での学び、そして帰国後の変化などを伺いました。

ボストンで広がる学びの可能性

 巣鴨中学校・高等学校では、海外研修や短期留学など、多彩な国際教育プログラムを用意しています。イギリスの名門パブリックスクールとの交流を長年続ける一方、これからの国際社会を見据えた独自のプログラム開発にも取り組んでいます。今回は、その一環として2023年度にスタートした「ボストン研修」に参加した生徒に話を聞きました。

――なぜ参加しようと思いましたか?

島津和明さん(高2)島津和明さん(高2)

島津さん
高1の3学期にターム留学で行ったイギリスでの経験をきっかけに、海外でもっと学びたいという思いが膨らみました。また、それに加えて生物学の学者になるという自分の夢がより明確になり、次は学術都市ボストンで学びたいと思いました。ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)など名門大学の学生と議論できること、世界的な研究者に会えるかもしれないことが最大の動機でした。

有本陽哉さん(高2)有本陽哉さん(高2)

有本さん
中学受験の頃から巣鴨の国際教育に興味があり、「いつか自分も海外プログラムに参加したい」と思っていました。ただ英語には自信がなく、高1でも海外研修や留学に参加する機会があったときも踏み切れませんでした。でも「このままでは後悔する」と感じ、高2になるタイミングで思い切って参加を決めました。不安はありましたが、それ以上に「行きたい」という気持ちが強かったです。

中瀬啓太さん(高1)中瀬啓太さん(高1)

中瀬さん
中3でオーストラリアに行ったのですが、当時はうまく英語が話せず悔しい思いをしました。アメリカでの海外研修プログラムがあると聞き、「もう一度挑戦しよう」と思って参加を決めました。高1の参加者も多いと聞き、それも後押しになりました。

――参加に向けて、どんな準備をしましたか?

島津さん
せっかくボストンへ行くのだから、現地の大学の研究者に会いたいと思い、自分で研究室へメールを送り、アポイントを取る努力をしました。今回の研修中にも講演してくださったMIT博士研究員の慶長泰周さんとは事前にオンラインでお話しする機会をいただき、知り合いの研究者を紹介してもらうなど、大きな後押しをいただきました。現地では日程が合わず直接会うことは叶わなかったのですが、挑戦したこと自体が良い経験でした。

有本さん
自分の思いを英語で伝える自信がなかったのですが、『Heart Global』※という表現教育団体のワークショップに参加したことで、自信がつきました。国籍も年齢も違うメンバーと3日間でショーをつくり上げるプログラムで、言葉の壁に向き合いながら自分を表現する楽しさを知りました。ソロパートをもらって踊る機会もあり、「ボストンでは自分から動こう」と覚悟ができました。テニス仲間で留学経験のある友人から話を聞いたことも、心の準備になりました。

中瀬さん
『Heart Global』の準備プログラムに参加したのは僕も同じです。海外のダンサーと話したり歌ったり踊ったり、最後にショーを作り上げる3日間はとても刺激的でした。積極的に話しかけているとキャストから任せてもらえる場面が増え、最後はメインキャストと踊るラップパートにも挑戦しました。英語での瞬発力や、初対面の人と関わる力が身につき、ボストンを訪問する気持ちが一気に高まりました。

※Heart Global……歌やダンスのワークショップを通じて、参加者の成長を促す教育活動を展開している米国の非営利の表現教育団体。

――ボストン研修で特に印象に残ったことを教えてください。

島津さん
Google社を見学した際、ガイドの方に「きれいなイギリス英語を話すね」と言われたことが印象的でした。ターム留学以来、「英語はイギリス英語で話したい」というこだわりがあったので、とてもうれしかったです。また、日本で取り組んでいたボランティアのリーダー業務を、現地からオンラインで続けられたことも自信につながりました。国境を越えて2つのプロジェクトを同時に進められた経験は大きかったです。

有本さん
僕にとっては初めて海外に行くこともあり、見るものすべてが新鮮でした。飛行機に乗ることすら初めてで……。英語で伝わらない“微妙な空気感”に戸惑ったりもしましたが、身振り手振りでなんとか伝えようとするうちに、だんだん慣れていきました。難しい文法ではなく、「いかにシンプルに英語を出せるか」という瞬発力が求められることを実感しました。

中瀬さん
食事のサイズ感やチップの文化など、生活面の違いも刺激的でした。ハーバード大学の学生と議論するワークショップもあり、積極的に質問したり意見を交わしたりしました。案内役の方がとても親切で、「こんな気遣いのできる大人になりたい」と心に残っています。滞在したホステル『Hi Boston』では、世界中の人とラウンジ交流でき、部屋では仲間と毎晩のように語り合い、相部屋ならではの密度の濃い時間を過ごせました。

――研修を通して、どんな変化や成長がありましたか?

島津さん
大切にしたいと思ったのは「丁寧な思い切り」と「真の柔軟性」です。一度しかない機会には思い切って飛び込むこと。でも同時に、その一瞬を大切にする丁寧さも忘れないこと。そして国際的な場では、自分の芯をしっかりともちながら、良いと思った意見は柔軟に取り入れる姿勢が大切だと学びました。

有本さん
僕は今回の海外研修を通して、自分の意思を英語で伝える力や積極性が以前より磨かれたと感じます。日本だけの世界で生きていた自分が、アメリカという全く違う環境に身をおいたことで、「もっといろんな世界を知りたい」と思うようになりました。

中瀬さん
ボストンでは「グロースマインドセット」をテーマにしたワークショップがあり、「失敗しても挑戦すること」を学びました。授業でも積極的に質問するようになり、AIの活用にも興味が湧いて、帰国後はチャットAIの利用も増えました。Google社で「Gemini(ジェミニ)」開発者の話を聞いたことも大きな刺激でした。

受験生へのメッセージ

――巣鴨の魅力とは?

島津さん
先生方が本当に親身になってくださるところだと思います。僕が生物学者になりたいという夢をもつようになったのは、中1のときの生物の先生のおかげです。中3で進路の相談をした際には、学び方や大学選びまで丁寧にアドバイスしてくださり、高校の担任の先生も「海外大学を視野に入れたい」という話と真剣に向き合ってくれました。ボストン研修やハンプトンスクールとの交流など、海外研修が充実している点も大きいですね。こうした環境で、高い視点をもち、これからの時代に必要な人間性が育まれていくと感じています。

有本さん
池袋という立地もあり、多様なバックグラウンドをもつ生徒が集まっているのも魅力です。保護者の方が専門職や海外勤務のご家庭も多く、日常的にさまざまな価値観に触れられます。たとえば、中1から仲の良い友人のお父さんが弁護士で、その話を聞くうちに、自分の知らない世界が一気に広がりました。小学生のころは地元の友だち同士、似た環境で育つことが多いですが、巣鴨では「自分とは違う考え方」に日々出会います。中学校という小さな社会のなかでも、多様性を肌で感じられるのはとても良い経験だと思います。入学してから長い時間をともに過ごす仲間だからこそ、自然と結束力が育まれていくのも巣鴨らしさだと思います。

中瀬さん
男子校という環境も、巣鴨の大きな魅力です。競い合いながら成長していく雰囲気があり、「仲間でもあり、ライバルでもある」という関係性が自然と生まれます。日々の生活だけで、精神面や粘り強さが鍛えられていくような感覚があります。努力したくなる環境があり、先輩たちに引っ張られながら成長できます。文化祭のステージや報告会では、親への感謝を英語スピーチで伝えるなど、「人としての土台」を養う機会にも恵まれています。巣鴨は挑戦を後押ししてくれる、そんな学校だと思います。

先生からのメッセージ
進路指導部部長・学年主任・国際教育部の
丸谷貴紀先生
丸谷貴紀先生

 このボストン研修を企画した最大の理由は、これからの社会を生きる生徒たちに「正解のない時代を生き抜くための人生哲学」を手渡したいという思いにあります。AI が急速に進歩し、地図などの情報はすぐに手に入る時代になりました。グローバル化に伴い、多様性が認められる一方で、画一的な視点が標準であるかのように感じられる側面が増えました。そんな時代において、何がいっそう必要になるのでしょうか。それは、地図でも標準でもない。自分自身の内側にある「羅針盤」です。何を大切にし、どのような基準で物事を判断し、どんな人生を選び取るのか。いわゆる「人生哲学」です。そして、もう1つが「発信力」。これらをもたずに社会へ出れば、情報や周囲の空気に流されやすくなってしまいそうですから。

 本校がこの研修で育てたいのは、英語力や知識の量ではなく、「どう生きるか」を自分の言葉で語れる力です。価値観が揺らぎ、正解が用意されていない問いに向き合うとき、人はそこで初めて自分の内面と対話します。生徒たちには、与えられた選択肢のなかから無難な答えを選ぶのではなく、「なぜ自分はそう考えるのか」「それは誰のための判断なのか」と掘り下げ、自分なりの理由をもって意思決定できる人間になってほしいと願っています。

 この研修は、将来の進路を直接決めるためのプログラムではありません。むしろ、生徒一人ひとりがこれから先の長い人生を歩むための「思考の土台」を築く場です。どんな困難な状況におかれても、自分の価値基準に立ち返り、社会をより良くする方向へ一歩踏み出せる人であってほしい。そのために私たちは、ボストンという知の集積地を舞台に、生徒たちの心のなかに静かに、しかし確かな「人生の羅針盤」を育んでいきたいと考えています。

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