私立中高進学通信
2023年特別号
私学だからできるオリジナル教育
西武台千葉中学校
新しい価値を生み出すクリエイターを育成する
『ICT未来創造プロジェクト』がスタート

ICT未来創造プロジェクトについてお話を伺った
柳楽小百合さん(高2)と清水光さん(高1)、
同プロジェクトチーフの中村英介先生。(写真左から)
西武台千葉中学校・高等学校では、2023年度から新たな取り組みとして『ICT未来創造プロジェクト』がスタートしました。ICT未来創造プロジェクトチーフの中村英介先生と、同プロジェクトに参加中の生徒たちにお話を伺いました。
それぞれの夢の実現を支援する
新プロジェクトを用意

「豊かに知性を磨き 美しく心情を養い 逞しく身体を鍛えよ」の校訓に則り、キャリア教育にも力を入れる同校。2023年度からは「三大プロジェクト」として、『教員養成プロジェクト』『メディカルプロジェクト』『ICT未来創造プロジェクト』を新設し、将来「教員」「医療人」「情報クリエイター」をめざす生徒たちの夢を実現できるよう、支援しています。
なかでも今回紹介する『ICT未来創造プロジェクト』では、「過去を知り、今を見つめて、未来を創造する」をコンセプトに、IT人材をはじめとし、自らの手で新しい価値を生み出していく人材の育成をめざします。
「2023年度は来年の本格始動に向けた準備段階ですが、すでに16人の有志メンバーが本プロジェクトに参加し、さまざまな学びに取り組んでいます。
本プロジェクトは『教育を良くするためには、生徒と学生の交流を深化させることが重要』という相互認識に基づき、千葉県内にある2つの大学、江戸川大学と千葉工業大学と協働で行っています。また高大連携だけでなく、企業と連携した体験学習も取り入れています」(ICT未来創造プロジェクトチーフ/中村英介先生)
大学や企業のクリエイターと直接交流
将来の仕事や働き方を考えるきっかけ
活動は主に放課後や長期休暇を利用して行われます。夏休みにはスマートツアーと題してソフトバンク本社を訪問したり、千葉工業大学創造工学部の教授や大学院生たちと協働で、情報デザインやプログラミングなどについて学ぶワークショップを実施したりと、充実した内容になっています。
有志プロジェクトメンバーの柳楽小百合さん(高2)と清水光さん(高1)は、そうした取り組みに積極的に参加してきました。

「父親の仕事の影響で、プログラマーの仕事に興味があったため、ぜひこのプロジェクトに参加したいと、とても楽しみにしていました。実際にプロジェクトが始まると、普段の授業では経験できない貴重な学びの機会が多く、とても充実しています。
プログラミングは自分が思っていた以上に難しいところもありました。だからこそ、さらに学んでみたいという意欲がわいています。
これまでさまざまな活動に参加してきたなかで、企業見学も印象に残っています。ソフトバンク本社を訪問した際には、皆さんの職場風景を拝見させてもらいました。決まった席がなく、好きな場所に自分の端末を持ち歩いて作業をする様子は、私がイメージしていた会社員の姿とは異なり、とても印象的でした。
プロジェクトを通して、社会の第一線で活躍する人々や大学生院生・教授など、親や先生以外の大人の方と交流できたことも良い経験になりました。はじめはとても緊張しましたが、皆さんが優しくわかりやすく話をしてくれて、気さくなコミュニケーションができるようになると、雑談を通して働き方や大学生活ことなど、いろいろなことも教えていただきました。
プロジェクトを通して、将来のイメージがより明確になりました。情報系の大学へ進学したいという目標をもっています」(柳楽さん)

「千葉工業大学とのワークショップでは、プログラミングやデザイン思考について学びました。午後1時から5時くらいまでと長時間にわたりましたが、とても楽しく夢中になって取り組んでいたので、あっという間に感じられました。実際にやってみるとプログラミングはとても難しく、何度も何度もやり直しをして、ようやく思うように動かすことができたときは本当にうれしかったです。
また、江戸川大学の研究室に足を運んでロボットやVRを操作してみるなど、先端技術に触れる貴重な体験もしました。
プログラミングやICTは想像以上に面白く、教授や大学院生からはクリエイターという仕事のやりがいも伝わってきて、職業に魅力を感じました。もっといろいろなことに取り組んでみたい、という気持ちが高まっています」(清水さん)

情報デザインのワークショップの様子。

ロボットアームやドローンなどICT機器を使った体験活動を行いました。

成果をアウトプットする機会も用意
プレゼンテーションや研究レポートにも挑戦
清水さんと柳楽さんは、プロジェクトを通して学んだことや気づいたことを校内でプレゼンテーションするほか、テレビやラジオなどのメディアにも出演し、情報発信にも積極的に取り組んでいるといいます。
こうした活動を通して、「女子生徒や文系に興味がある生徒の参加者がもっと増えてほしい」と、清水さん・柳楽さん、中村先生は口を揃えて言います。やはり“ICT”というと理系のイメージが強く、今年度の参加者も理系の生徒や男子生徒の割合が多いそうです。
「本校では高校2年次に文系・理系の選択をし、大学受験に向けた学習が本格化します。高1の段階で文系・理系に関係なくこのプロジェクトに参加してもらい、進路選択につなげていけるようにしたいと思っています。
また今後はプロジェクトに取り組んできたことの集大成として、研究レポートにも挑戦したいと考えています。プロジェクトを通して『当たり前を疑う力』を身につけ、そこから自分で問いを見つけ出し、『自分だったらこうする』という創造的なアイデアをレポートにまとめ、生徒が自分なりに表現する機会にしてほしいと思っています」
今年度は“プレ版”ということで、試行錯誤を重ねながら企業や大学、行政など多岐にわたる内容を準備中とのこと。これからの展開に期待が高まります。




千葉工業大学の教授と大学院生を招いて。
LEGOSPIKEを使用したSTEAMワークショップの様子。
西武台千葉中学校
〒270-0235 千葉県野田市尾崎2241-2
TEL:04-7127-1111
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