私立中高進学通信
2021年特別号
わが校の自慢の先生たち
千葉日本大学第一中学校
部活動や授業で学んだことを糧に
心豊かな人生を歩んでほしい

高校野球部部長の若山大輔先生(手前)と部員たち。
部員数は選手47名、マネージャー8名の計55名です。
野球は私の人生そのもの

「私にとって野球は人生そのものです」。そう語るのは、同校に赴任して3年目を迎えた高校野球部部長の若山大輔先生です。若山先生が野球を始めたのは小学1年生の時から。中学時代はクラブチームに所属し、関東代表のキャプテンを務めました。その実績により、スポーツ推薦で日本大学高等学校に進学。野球部に入り、若山先生が今も師と仰ぐ伊藤謙吾監督と出会います。伊藤監督の指導のもと、高3の夏には、神奈川県大会でベスト8に進出。卒業後は日本大学に進み、東都大学野球連盟の1部リーグの第二捕手としてチームを支えてきました。
「東都大学野球連盟のリーグは1部から4部まであります。私は2年生まで2部でしたが、他のメンバーの活躍もあって3年生のとき、一部に昇格できました」
野球をしながら就職活動に励んだ若山先生でしたが、思うところがあり、卒業後は企業に勤めずに、アルバイトを続けたそうです。その合間に恩師の伊藤監督のもとで、母校の野球部の外部コーチを務めていたといいます。
「そんなとき、伊藤監督から『おまえは教員に向いているから、教員になったほうがいいよ』といわれたのです。伊藤監督にいわれて胸が熱くなった私は、教員をめざそうと決心し、大学の通信教育で社会科の教員免許を取得しました」
周囲の期待に応えられる人に
教員免許取得後、若山先生は土浦日本大学高等学校に奉職し、野球部の寮監とコーチになりました。そして2019年に千葉日本大学第一中学・高等学校に社会科の教員として赴任。現在、中3生を担任しながら中高生に地理を教える一方、高校野球部の部長を務めています。
「本校の野球部には20年以上にわたって部員たちを育て上げてきた稗田徹監督がいます。尊敬する稗田監督の指示を仰ぎながら、私と同じ日本大学出身の荒木恒副部長と力を合わせて、部員たちを指導しています。
本校の野球部の目的は勝つことであり、甲子園をめざすことです。しかし、私はそれ以上に大切なことがあると思います。自己管理や時間管理ができること、人間力があること、挨拶を大切にできることなどなど。このような野球部で得たことを、大学受験やその先の人生で最大限に活かしてほしいのです。
野球部員は卒業後に『高校時代は野球部でした』というだけで、就職試験の面接などで高い評価を受けるでしょう。『忍耐力がある』『礼儀正しい』と思ってもらえるからです。こうした周囲の期待に応え、野球部員というアドバンテージを活かせる人間、そして一生野球を好きでいられる人間に育ってくれたら、指導者としてこれにまさる幸せはありません」
ビギナーからレギュラーに

「高校の野球部と違い、本校の中学野球部には、少年野球チームの出身者だけでなく、野球が未経験のビギナーが数多く入部してきます。私はそんな部員を監督の茅場大輔先生の2人で3年間かけて育てています。白紙の状態から3年間でレギュラーになる部員もいます。なかにはエースになる部員もいるほどです。
私たちが一生懸命に指導すればするほど、部員は私たちを信頼してついてきてくれます。私は部員がかわいくてしかたありません。卒業して思い出を語りに本校を訪れてくれる元部員もたくさんいて、うれしい限りです」
小倉栄樹先生は、部員たちへの愛情をこう言葉に表しました。先生は中3の学年主任を務め、授業で国語を教えながら、中学野球部の部長を務めています。そんな小倉先生は日本大学第三高等学校で学び、吹奏楽部に所属して打楽器を担当していたそうです。日本大学第三高校が夏の甲子園大会に出場したとき、先生は甲子園球場に応援に駆けつけ、夢中で打楽器を演奏したといいます。
高校卒業後、日本大学文理学部に進学した小倉先生は野球がさらに好きになり、友人たちと野球をして楽しんだそうです。
「私のなかで野球はもっとも偉大なスポーツです。ボールを投げて、打ち、捕り、走るというプレイを一度にするスポーツは他にはないからです。しかも、チームの1人が欠けてしまえば、勝つことはできません。仲間をどこまでも大切にするのです」
部活動は、人間教育の場
小倉先生は大学を卒業してすぐに教壇に立ったわけではありませんでした。銀行に1年間に勤めたそうです。
「大学時代に教育実習で子どもたちを教えたときの感動が忘れませんでした。この手で生徒たちを育ててみたい。その思いは日に日に強くなり、銀行を辞めて教員になることを決めました」
そして千葉日本大学第一に奉職。以来20年以上監督を務めてきました。現在は若い茅場先生に監督職を譲って部員の指導にあたっています。
「千葉県は中学野球の激戦区で、市内大会で勝つのも至難の業です。しかし、部員の努力が実り、私が監督をしていた数年前には、市内大会で準優勝を果たしました。最近では春季の市内大会でベスト4に進出しています。
この大会優勝を部の目標に掲げつつ、部員には礼儀や上下関係、感謝の心の大切さを常に説いています。あくまでも学校の部活動は、心を豊かにする人間教育の場だと考えているからです。授業から学んだことを野球に活かし、野球から学んだことを勉強に活かせるように部員たちを育てています」

中学野球部部長の小倉栄樹先生(前列左から4番目)と監督の茅場大輔先生(前列左から5番目)。
部員数は選手35名、マネージャー1名の計36名です。
新入生に学校への期待感を

新型コロナウイルスの影響により、2020年の4月から6月まで、同校は休校となりました。この約2ヶ月間、中1の学年主任として新入生の不安な心を支え続けたのが、細谷晃人先生(英語科)です。
「昨年の入学式は新入生だけを集めて行いました。校長から一言、お祝いの言葉があり、簡単に担任の教員が自己紹介して終わったのです。
授業が再開したとき、生徒に聞くと『クラスメートがみんなマスクをしていたので、1人も顔を覚えられませんでした』と答えていました。中学生になった実感や喜びを新入生の誰もが味わえなかったのです。この寂しい入学式の直後から、生徒は自宅でオンライン授業を受けることになりました」
現在、中2の学年主任となった細谷先生はこのように振り返ります。
「このオンライン授業で私たち教員が心がけたのは『ワクワクするような楽しい学校生活が待っているんだよ』というメッセージを盛り込むことでした。勉強を遅らせないことを考慮しつつ、生徒の新生活に向けた期待感を高めることを最優先に考えたのです」
授業動画はYouTubeで限定公開し、ひとつの授業を短い時間に収めてテンポよく配信。授業のなかで学校生活を紹介したり、課題を出したりしたそうです。
「英語のオンライン授業では『英語が話せるようになると、将来、こんな素晴らしい世界が広がるんだよ』と語りかけ、英語の魅力を伝えるようにしました」
英語が通じる喜びを知ってほしい
6月に待望の対面授業がスタートしました。細谷先生が新入生にオンライン授業の感想を聞くと「先生たちと会うのが楽しみでした」「先生の授業をもっと受けてみたいと思いました」という声が返ってきたそうです。
「この言葉を聞き、私たちの休校期間中の取り組みは成功したのではないかと思いました。
しかし、英語に関しては、まだまだ課題が残っています。コロナによって中3の『フィリピン語学研修』などの海外語学研修が中止になっていることです。生徒には学んできた英語が海外で通じる喜びを1日も早く知ってほしいと思います。
その変わりに、本校が続けてきた『オンライン英会話』は通常通り行われています。英語を公用語とするフィリピン人の先生からマンツーマンで英語のレッスンを受けられる講座です。英会話の授業中に行われています。
休校中のオンライン授業と同じように、この講座を受けている多くの生徒が『英語をもっと勉強して語学研修でこの先生たちと実際に話してみたい』という気持ちを抱いてほしいと願っています」

中2学年主任の細谷晃人先生。生徒たちといっしょに撮影しました。
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