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私立中高進学通信

2021年11月号

実践報告 私学の授業

目黒学院中学校

自分と社会に向き合う姿勢を養う
“総合的な学習・探究の時間”

興味のある課題をとことん掘り下げる学び
自分の興味のあるテーマを、書籍やインターネットなどを用いて調べたり、フィールドワークや実験などを交えたりしながら探究しています。「正解・不正解や既存の枠にとらわれず、自分自身で考え抜く活動に生徒たちは熱中しています」(稲垣先生)

自分の興味のあるテーマを、書籍やインターネットなどを用いて調べたり、
フィールドワークや実験などを交えたりしながら探究しています。
「正解・不正解や既存の枠にとらわれず、自分自身で考え抜く活動に生徒たちは熱中しています」(稲垣先生)

興味を引き出し
視野を広げる指導

「明朗・勤勉・礼節」の建学の精神のもと、生徒の好奇心を大切にしながら、自分らしい生き方を作り上げていく力の育成をめざしている同校。少人数である利点を活かし、一人ひとりの個性に寄り添った、ていねいできめ細かな指導が特長です。

 そんな同校で2021年度より始まったのが『総合的な学習・探究の時間』。社会へ出た時に重要となる、自分の人生や社会に対する想いや願いを育み、それを実現していく力を培うことを目的としています。

「昨年度までは毎年、全学年参加の『プレゼン技法研究発表会』を実施してきましたが、プレゼンの技法だけではなく、そこにつながる課題の設定や、情報の収集・整理・分析などを学ぶ主旨で、『総合的な学習・探究の時間』を設けることになりました」

 と、担当の稲垣圭一先生は話します。

 総合的な学習・探究の時間には、「自分自身と日本社会・世界の未来に向き合う姿勢・態度を養う」という大きな目標のもと、中1から高3までの全学年の生徒が、「公共」「文化」「環境」の3つのカテゴリーに分かれて、週に1時間の活動をしています。異学年混成グループでの活動になりますが、普段の授業や行事などでも学年をまたいで活動をする機会が多い同校では、先輩や後輩の区別なく和気あいあいと責任をもって取り組んだり、話し合ったりする場面は、日常的な光景だそうです。

 各カテゴリーの中には、興味に応じたいくつかのグループがあり、さらにその中で、各生徒が個別のテーマをもって活動しています。例えばある生徒は韓国文化に興味をもったことから、ハングルの起源や、かかわりのある歴史上の人物について調べるなど、テーマを派生させながら新たな視点を得て、考察や分析を加えまとめています。

「生徒の興味を引き出し、視野を広げられるようなサポートを行うのが教員の役割です。生徒が探究しているテーマは、教員も知らないものばかりなのですが、答えのない問題について一緒に調べ、考えながら、学んでいく姿を見せることも大切ではないかと感じています」(稲垣先生)

異学年グループでこそ
得られる成長の機会

 学年をまたいだ活動ならではのメリットもあります。小島陵亮先生は、次のように語ってくれました。

「上級生がリードをしながら話し合いを進めたり、下級生がアドバイスを求めたりと、双方の成長にとってプラスになっています。1学期末に実施した『中間発表会』でも、高校生の発表に中学生が刺激を受けていました。自分を表現する機会や一人ひとりが責任を担う役割が多く、入学時はおとなしかった生徒が、だんだんと主体性や自分の言葉で相手に伝える力を身につけて、自信をもって活動をするようになっていきます。その姿に、6年間の学校生活を通じた生徒たちの成長を実感しています」

少人数だからこそ実現する、生徒の興味と個性に合わせた指導
Check 1
興味のあることから始めれば
学びはどんどん面白くなる
理科/『総合的な学習・探究の時間』で「環境」の分野を担当 稲垣圭一先生理科/『総合的な学習・探究の時間』で「環境」の分野を担当
稲垣圭一先生

 週に1時間ある活動の場において、〈公共〉は「税金」「福祉」「防災」、〈文化〉は「日本文化」「外国文化」、〈環境〉は「エネルギー」「生態系」のグループにそれぞれ分かれて活動します。フィールドワークやゲストティーチャーによる講演などが実施されることもあります。

 1学期末には、これまでの学びを整理し、新たな課題設定をする区切りとして、中間発表を行いました。

「年末に予定している『プレゼン発表会』に向けて、さらなる活動を継続していきます。活動を継続する中で、順調に進んできた生徒にも行き詰まりがあるかもしれませんが、それもまた学びの機会です。生徒たちがこれからどのように学びを進め、深めていくのか、その過程をともにすることを楽しみにしています」(稲垣先生)

「防災」のグループは、オンラインで東日本大震災で被災された方のお話を伺いました。「防災」のグループは、オンラインで東日本大震災で被災された方のお話を伺いました。
企業の方に、エネルギー問題についてのお話を伺った「エネルギー」のグループ。人力での発電なども体験しました。企業の方に、エネルギー問題についてのお話を伺った「エネルギー」のグループ。人力での発電なども体験しました。
校内で採取した土にいる微生物を観察する「環境」のグループ。校内で採取した土にいる微生物を観察する「環境」のグループ。

『中間発表』の様子。工夫を凝らした上級生のプレゼンに、下級生たちは刺激を受けていました。

Check 2
一人ひとりに目が届く環境で
自分らしさを発揮できる
英語科/『総合的な学習・探究の時間』で「文化」の分野を担当 小島陵亮先生英語科/『総合的な学習・探究の時間』で「文化」の分野を担当
小島陵亮先生

 じっくりと生徒を見守りながら、やさしさと主体的に行動できる力を育むことを大切にしている同校。少人数のメリットを活かし、一人ひとりに目を配る環境が整っているのも特長の一つです。

「職員室には、特別な用事がなくても自由に出入りして、さまざまな先生とコミュニケーションがとれるようにしています。教員は、生徒の名前や個性を把握して、一人ひとりが安心して自分らしさを発揮できるように、細やかな指導を行っています」(小島先生)

生徒と教員の距離が近く、生徒たちが安心して過ごせるような環境が整えられています。

生徒と教員の距離が近く、生徒たちが安心して過ごせるような環境が整えられています。

ココも注目!
全員が主役!
発揮される主体性
毎年6月に実施。生徒だけでなく、教職員や保護者が競技に加わるなど、温かな校風が感じられる行事の一つです。毎年6月に実施。生徒だけでなく、教職員や保護者が競技に加わるなど、温かな校風が感じられる行事の一つです。

 少人数だからこそ生徒一人ひとりの役割や責任が大きく、主体的に活動することが求められる同校。体育祭も生徒主導の行事で、生徒同士がつながり合い、協力しながら実施されています。年齢の異なる生徒たちが話し合い、ともに取り組む様子は、まるで大きな家族のようにアットホームな雰囲気で、学年を超えた生徒たちの絆の強さがうかがえます。

進学通信 2021年11月号
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