私立高校入試のしくみ
●専願と併願
多くの私立高校では、出願時に専願か併願かを伝える必要があります。
専願は、「合格すれば必ずその学校に進学する」というものなので、併願者よりも専願者を優遇する措置をとっている学校が多いです。志望の私立高校が第1志望のときは専願受験となりますので、この専願者優遇措置を利用して、ワンランク上の私立高校の受験が可能となります。
ただし、一部の高校では専願・併願の区別をしていなかったり、専願者しで、事前に調べておきましょう。奈良県・滋賀県・和歌山県の私立高校は大阪府・兵庫県・京都府より入試の時期が早いので、大阪府・兵庫県・京都府の私立との併願受験が可能です。
また、専願ではなく推薦というシステムをとっている私立もあります。各高校にはそれぞれに推薦基準(調査書の評定)があり、その基準を満たしている生徒が、出身中学校長の推薦を受けて受験します。したがって、推薦受験の場合、不合格になるケースはまれなのですが、合格すれば専願と同様に、その学校に入学しなければなりません。
公立高校が第1志望のときは私立高校は併願受験となり、合格すると公立高校の合格発表日までに入学金の全額または一部を納入しなければならない学校もあります。
●合否判定
私立高校の合否は、主に学力テストの成績をもとに判定されます。試験科目は3科目(英数国)または5科目(英数国理社)で実施される学校が多く、スポーツコースや芸術コースを志望する場合は、実技試験も行われています。
●内申書と面接
内申書(調査書)の提出や面接が必要な学校もありますが、それらが合否に大きな影響を与えることはなさそうです。公立高校は内申書(調査書)を重視しますが、私立は府県をまたいで受験生が集まるため、内申書(調査書)の作成が府県によってまちまちなので、参考にしにくいということ、公立入試のための内申書(調査書)作成時期が、私立入試の時期とタイミングが合わないということがその理由です。
面接も受験生の志望動機を知り、また学校の教育方針にしたがって高校生活を送れるかどうかを確認する程度のものです。極端に態度が悪かったり反抗的な場合は不利となるでしょうが、中学生らしい自然なふるまいで臨めば問題ないでしょう。やはり、合否判定は学力テストの成績が中心となります。
●三者面談・進路相談
「三者懇談」では、中学校の担任の先生・生徒・保護者が、さまざまな要素をもとに、志望校選びについて話し合います。その話し合いの結果をもとに、中学校の先生が、生徒の志望する私立高校を訪問して合否の可能性を打診することを「進路相談」といいます。
ただ、進路相談での判定は受験生にとって何の拘束力もなく、あくまでひとつの合否のめやすとなっているものです。実際に志望校を決めるのは受験生や保護者の意志ですし、実際の合否結果は学力テストの成績によるものであることは間違いありません。
●1.5次入試
私立高校のなかには、合格発表の直後に再度入試を行うところがあります。私立1次入試と公立入試の間に行われる入試なので「1.5次入試」と呼ばれています。その学校を第1志望としている生徒にとっては、再度チャレンジできるチャンスです。ただ、これは全ての私立高校で行われているわけではありませんので、実施校もその直前にならないと確定しません。万が一、1次入試で実力を発揮できなかったときのために「1.5次入試」の存在を頭に入れておくとよいでしょう。