私立中高進学通信
2024年特別号
未来を切り拓くグローバル教育
開智中学・高等学校一貫部
2024年11月、IBディプロマ認定校に!
個々の生徒に合わせた
教育と進路の多様化・多角化を推進

オーストラリア・クイーンズランド州からの短期留学生と
英単語しりとりの様子
同グループの開智日本橋学園、開智望中等教育学校に続き、2024年11月にIB(国際バカロレア)ディプロマ認定校となった開智中学・高等学校。学園全体で世界基準の教育を推進しています。教頭補佐・IB国際教育担当の三原忠先生は、IB導入を推進する背景をこのように話します。

「開智学園がミッションに掲げる、『平和で豊かな未来を創ることに貢献できる創造型・発信型の国際的リーダーの育成』とは、まさにIB教育に通じるもの。また、世界的にみるとアジアの教育は理数に強く、IBに代表される欧米の教育は議論や対話、論述、データ分析といった力の育成に長けている傾向にあります。そのIB教育の優れた部分を取り入れることで、真のグローバル人材を育成できると考えています」
IBディプロマは、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が得られるカリキュラムです。同校では、2025年からのIBディプロマのスタートに向け、2021年度よりその準備コースとなるGBコースを設置。グローカル(グローバル+ローカル)な体験を軸とする探究学習と国際交流・留学を柱とし、IBディプロマへとつながる学びを実施してきました。初年度は、その第一期生を主とする高2の6名がIBディプロマコースに進む予定です。
「10年以上前からIB教育を導入している開智日本橋学園では、毎年平均15名ほどがIBディプロマを選択しています。本校においても今後は増えると考えています。その一方で、学園全体で探究に重きを置く学びを展開していますが、全員がIBディプロマを選択する必要はありません。日本の入試が合う生徒は国内でその道を進めばよいですし、進学校としてそのサポート体制が万全なのは言うまでもありません。入試におけるIB導入の目的は、教育の多様化・多角化を図ることであり、その意義は、生徒各々の適性に合わせた進路選択の幅が広がるという点です。IBを使えば海外大学への進学も視野に入ってくると同時に、国内大学の総合選抜型にも挑戦できます」
海外交流がさらに活発化!
チェコと韓国の高校との
グローカルな交流がスタート

IBディプロマ認定を機に、国際交流や留学、かねてより行っている探究を絡めた国際教育×地域交流=グローカルな活動もさらに充実。これまでのイギリス探究フィールドワーク、アメリカ語学研修、オーストラリア語学研修に加え、2024年度から新たに始まったのが、チェコと韓国の高校との交流です。両国とも、希望生徒がお互いの学校を年に1度行き来するほか、定期的にオンラインで対話・ディスカッションをするなど、1度きりではない、継続的交流が大きな特徴です。
チェコの高校訪問は初めて2024年の春休みに行われ、中3と高1の希望者12名が参加。プラハにあるアマゾン高校の、第二外国語で日本語を選択している生徒の家にホームステイし、その生徒と一緒に学校に通い授業を受けるという濃密な10日間を過ごしました。

「現地では英語で行われる各教科の授業のほか、チェコ語、日本語の授業にも参加します。現地の生徒、ホームステイ先でのコミュニケーションは英語なので、英語力の上達はもちろん、中欧チェコの家庭にホームステイし現地校に通うという経験はグローバルな視点の獲得、異文化交流という点でも大きな意味があります。参加した生徒は全員が『また絶対にチェコに行く』と言っていました」
2024年11月には、そこで交流したチェコの生徒20名が来日。1週間、生徒宅にホームステイし、開智の生徒と一緒に授業を受けました。「第二外国語で日本語を選択している生徒たちとはいえ、日本語はそんなに流暢でありません。英語でチェコの生徒たちのサポートをして交流する、をまさに実践する1週間だったと思います」
探究の時間や放課後には、開智の生徒が地元の農家や岩槻人形の工房にチェコの生徒を案内し、日本の歴史や文化、農業や伝統工芸について英語で紹介するなど、グローカルな探究活動の場ともなりました。
韓国の高校との交流は2024年末に始まったばかり。現地を視察した三原先生は、韓国の日本語学習熱に驚いたそうです。「現地の高校では、第二外国語として日本語を選択する生徒が増えており、韓国の先生方も交流に積極的です」。2025年1月には韓国からの生徒14名が来日し、1週間開智の生徒と一緒に学びました。チェコの生徒が来日した時と同様、韓国の生徒たちとも英語でディスカッションやプレゼンをするなどの授業が行われ、放課後にはグローカルな探究活動を行うという有意義な1週間を過ごしました。開智の生徒による韓国の高校訪問は、2025年の冬休みを予定しており、今後はチェコ、韓国とも毎年受け入れと訪問を実施する予定です。

同校の生徒が韓国の高校を訪れ、民族衣装チマチョゴリを着て異文化体験。
この時に交流した韓国の生徒たちが翌月日本を訪れ、喜びの再会となりました。
ホームステイと継続的なオンライン交流で
真のグローバルコミュニケーションを体得

こうしたリアルな交流と並行して実施しているのがオンライン交流です。探究の時間や英語の時間、放課後を使い、チェコ、韓国のほか、アメリカ、オーストラリアの高校とオンラインで繋がり、さまざまなテーマについて話し合います。
「自己紹介や学校紹介、好きなアイドルについてなど、簡単なトピックから入り、テーマに沿って話し合ったり課題に取り組んだりします。継続させることに重きを置くこともあり、生徒が盛り上がるような楽しい内容をオンラインで設定しています。各国カラーがあり、韓国の先生はテーマ・内容をきっちり決めたがる傾向にありますし、オーストラリアやアメリカはテーマを決めてあとは生徒に任せる、というスタンス。チェコは最初から自由にやってねというスタイルで、本校の生徒はそうしたことからもグローバル社会での多様性を実感して学んでいるのではないでしょうか」
またオンライン交流に付随し、開智の生徒がそれぞれの国の生徒と、国ごとの学習アプリのチャット機能で自由に交流をしているそうです。こうしたオンラインと対面での継続的な交流を通して育みたいのは、大学生、社会人になってからも続く世界の人たちとの真の交流・コミュニケーションですと三原先生は語ります。
「英語力はもちろん、マインド面、知識面においてもグローバルな場で世界の人々と対等に交流できる人材を育てたいというのが我々の思いです。“自身の専門知識を持って世界貢献をする”という教育理念に加え、私のモットーですが、何事も楽しく、ユーモアのセンスを持つこと。その先に私が見据えているのは世界平和です。世界平和に貢献するグローバル人材の育成にこれからも力を注いでいきます」
開智中学・高等学校一貫部
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TEL:048-795-0777
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