私立中高進学通信
2021年特別号
大学合格実績
本郷中学校
難関国公立大学、理系・医学系大学への好調な合格実績を誇る
本郷ならではの学習環境と将来を見据えたキャリア教育
職員室横のフリースペースで、大学受験を控えた高3生に懇切丁寧に指導をする先生。
放課後や休み時間を利用して気軽に先生へ質問できます。
伝統ある男子校として知られる本郷中学校・高等学校。大学合格実績が近年ますます伸びています。最難関とされる4国立大学(東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学)への合格者数を順調に増加。2021年は医学系大学への合格者数が大幅にアップするとともに、現役合格率も大きく向上。右肩上がりの合格実績の理由を、2020年度の高3学年主任、藤岡誠先生に伺いました。
生徒が自主的に頑張る環境づくりと
熱心な指導で大学合格力アップ
国公立大学、理系・医学系への進学率が高い同校。2021年は卒業生329名に対して、東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学への合格者数34(うち現役30)名を含む、国公立大学合格者数が127名、そして医学系大学への合格者数が60名という実績を誇っています。
「本校には理系志望の生徒が比較的多く、年度によって変動しますが、2021年は約6割の生徒が志望しました。理系志望の生徒には、最新の研究設備が整っている国公立大学を推奨しています。日頃から折に触れてHRなどでその話をしているので、生徒も自ずと理系=国公立大学という方向性で進路を決めています」(藤岡先生)
そしてその合格実績を支えているのが、生徒と教員の信頼関係と、生徒が自ら頑張れる環境づくり。2021年の合格実績は「生徒たちがあきらめずにチャレンジした結果」と藤岡先生は断言します。
「医学系学部の受験勉強はやはり大変なので、なかにはあきらめそうになる生徒もいるのですが、教員たちが踏みとどまらせたんですね。生徒たちは、教員の丁寧な指導と熱い励ましに支えられて最後まで頑張ってくれました。これは生徒と教員の信頼関係があったからこそだと思います。2021年の卒業生は、中1から同じ教員が担任してきた学年なのですが、6年間にわたって生徒を把握し、きめ細かなサポートができましたし、6年間担任をすると生徒も広く心を開いてくれるので、メンタル面でのケアがしっかりできたことも合格実績につながりました。今後も6年間同一担任制を取り入れる方向で考えています。 また、本郷の生徒は高い基礎学力を有しているので、“自学自習”の教育理念に沿って、型にはまったカリキュラムを用意するのではなく、生徒が自主的に学習に取り組むことができる環境づくりに力を注いでいます」
アクティブラーニングや独自の数学検定で
アウトプット力を高め、競争意識を刺激
その一つが、2021年の卒業生が中1時より取り組んできたアクティブラーニングです。国語や社会科、理科などの授業で、生徒たちが議論し、発表するというグループ学習を取り入れたほか、ドラマケーション(近年注目を集めるコミュニケーション教育の一つ)や朗読劇などの時間も設けました。
「話し合う・議論する・意見を言う、という点に重きをおいています。グローバル化・多様化が進むなかで、自分で考え、意見をもち、伝えることがますます重要になってきます。そういったアウトプット力を高めることが狙いですが、医学部受験や総合型選抜入試(旧AO入試)で必要となる論文の作成にも大いに役立っています。自分の意見をもち、表現するスキルが高まったことで、内容の濃い論文が書けるようになりました」
また、独自の『本数検(本郷数学基礎学力検定試験)』という全学年共通の数学テストも、毎始業式に行われています。点数によって級・段が上がり、学年を越えて競い合うこの検定試験に、生徒たちはゲーム感覚で取り組んでいます。
「先輩は後輩に負けじと勉強し、後輩は先輩に追いつこうと頑張るので、自ずと基礎学力が高まり、自学自習の姿勢が身につきます。中学から高いレベルの学力に引き上げることが、大学合格力アップにつながっているといえるでしょう」
過去3年間の大学合格実績。
現役合格率が高まるとともに、難関大学への合格者数も増えています。
中学の卒業論文や高校でのキャリア教育を通じ
人生について考え、進みたい進路・学部を決定
自学自習の環境づくりと各生徒へのきめ細かなサポートに加え、同校が大切にしているのがキャリア教育です。中1・中2で基礎学力を固めた後に中3で取り組む『卒業論文』は、キャリア教育の第一歩。高1で特進コース、進学コースのどちらに進むかを考え始めるタイミングでもあります。生徒は、自分が興味のあることや好きなことをテーマに掘り下げ、論文を書いていくのですが、ここで自分の内面と向き合うことで、将来やりたい仕事や夢が見えてくる場合が多いといいます。そして藤岡先生が6年間を通して生徒に伝えているのが「何が得意か、ではなくやりたいことは何かを考えなさい」ということ。
「社会に出て働く期間は40年以上。やりたいことをやっていたいよね。これがしたいという気持ちがあれば、たとえ困難があっても頑張れるはず。今から何がやりたいかしっかり考えなさい、と普段の会話のなかで折に触れて話しています」
進学コースと特進コースに分かれる高校では、より具体的な進路が描けるキャリア教育が用意されています。高1の夏には、大学で学べる学問の魅力を高校生に伝える『夢ナビ』というイベントに参加。高2では、大学の教授による『出張授業』が開催され、毎年10名以上の大学教授から実際の大学の講義を体験します。これらのイベントをきっかけに志望学部の方向性が固まってくる生徒も少なくありません。
同校の卒業生が大学について語る『難関大学進学セミナー』も、進路決定の一助となる取り組みの一つ。東京大学・京都大学・一橋大学・東京工業大学や、医学部に進学した卒業生たちから、受験勉強の方法や、大学の授業内容といったリアルな話を聞くことができ、生徒のモチベーションアップにもつながっています。
生徒に合わせた個別指導も充実
文武両道を理念に部活動も頑張る本郷生
こうして高3を迎えた生徒たちは、1年間を使って大学の過去問題を解いたり、個別指導を受けたりと、受験勉強に集中します。
「特進コースでは、主に東京大学や京都大学、そのほかの国公立大学の過去問題を、進学コースでは、早慶上智や難関私立大学のさまざまな過去問題を解いていきます。文系私立大学志望の生徒は数学を敬遠しがちなものですが、大学のどの学問にも対応できるよう、また社会人になってからも数学は必須だからと、しっかりと取り組ませています」
放課後や夏期講習では、論文添削など生徒ごとの個別指導も手厚く行っています。近年では総合型選抜入試(旧AO入試)の受験者数も増えており、大学によって必要書類や試験内容はさまざまですが、そういった書類作成や個別のサポートも万全です。
また、『文武両道』を掲げる同校では、高3で部活動を続ける生徒が多いところも特徴です。
「部活動が盛んなので、先輩の影響は大きいですね。部の先輩がこの大学に受かったのだから、自分もできるはず、頑張ろうと、難関大学をめざす生徒が多いです。“文武両道”がうまく機能する、こういった本郷らしい気風はこれからも受け継がれてほしいですね」
卒業生には海外大学への合格者もおり、海外大学への進学希望者は今後さらに増えていくでしょうと語る藤岡先生。
「入学する生徒の多様化もますます進むと思います。我々は、本郷の良き伝統を大切にしながら、生徒の幅広い進路希望や多様性に合わせて進化していきたいと考えています。そしてそんな生徒一人ひとりに展望してほしいのは、大学卒業後に続く未来です。どんな道を進みたいのか、どう生きたいのか。それを広く模索し、目標を具体化し、その目標に向かって近づいていけるように自分を高めてほしい。あくまでも自分で考えられるようにサポートする。それが本郷の進路指導です」
本郷中学校
〒170-0003 東京都豊島区駒込4-11-1
TEL:03-3917-1456
進学通信掲載情報
年度別アーカイブ
- 2024年度
- 2023年度
- 2022年度
- 2021年度
- 2020年度