「東野SDGs」は、校長の北村陽子先生が「SDGs」を同校の教育に組み込んだ新たな探究活動です。「SDGs」は「Sustainable Development Goals」の略。2030年までに世界で達成すべき環境や開発に関する17の国際目標で「持続可能な開発目標」と訳されています。
「1.貧困をなくそう」
「2.飢餓をゼロに」
「3.すべての人に健康と福祉を」
「4.質の高い教育をみんなに」
などがその目標。それぞれの目標にはターゲットがあり、その数は合わせて169です。
「SDGs」には「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことが誓われ、日本の企業や学校の多くが目標達成への貢献に積極的に取り組んでいます。北村校長に「東野SDGs」について話を伺いました。
「私は『SDGs』に掲げられた『誰一人取り残さない』という言葉に強く共感しました。この考え方は学校にとって非常に大切だったからです。たとえば、本校の大学合格実績は確かに向上しましたが、私たち教員は本校の生徒一人ひとりを、大学で学ぶ意義をさらに確かなものにさせて送り出す必要があると思うのです。そのためには、高校時代に自分が将来、何をしたいのか目標を見つけさせることが必要です。
そして、その目標を実現するには、もっともっと勉強しなければならないことに気づいてもらえるように道筋をつけてあげることが重要だと思います。こうして大学に進学すれば、大学での学びはさらに有意義なものになるでしょう。また、私は生徒に本校の高校3年間をこれまで以上に何かを成し遂げたという満足感を持って卒業させたいと思っていました。
このように生徒が将来を考えたり、何かを成し遂げたりするなかで、自分がめざしていることや、がんばっていることが、世の中のためになるのだと最終的に気づいてほしいのです。そうすれば、自己肯定感も得られます。
そこで、『SDGs』を教育に導入した『東野SDGs』を立ち上げることにしました。そして、2020年の秋頃から有志の教員たちによる『東野SDGs会議』を定期的に開いてきたのです。この会議で、どのような活動を行うかを話し合いました」