保善高等学校では、2020年2月27日の夕刻、政府から全国一斉の臨時休校が要請されたのを契機として、いち早く新型コロナウイルス感染症対策に取り組んできました。入試広報部長の鈴木裕先生に、コロナ禍の取り組みついてお話を伺います。
保善高等学校では、2020年2月27日の夕刻、政府から全国一斉の臨時休校が要請されたのを契機として、いち早く新型コロナウイルス感染症対策に取り組んできました。入試広報部長の鈴木裕先生に、コロナ禍の取り組みついてお話を伺います。
生徒の安心・安全を第一に考え、まずは学校からご家庭への正確で確実な情報伝達を優先しました。本校では東日本大震災を契機に、出欠席連絡や家庭伝達用のWeb通知システム『山吹ネット』を運用していたので、今回の新型コロナウイルス対応でも『山吹ネット』を大いに活用できたことは幸いでした。
休校期間が長引き、4月・5月の学習をどのように保障していくかが大きな問題となりました。教員自身も出校できないなか、教員間の連絡はICT教育の一環として3月に貸与されたダブレット端末やSNSを使い、試行錯誤の結果、『特別進学』『大進選抜』『大学進学』クラスそれぞれの授業動画と課題の配信・回収・添削システムを構築し、学びの保障に全力で取り組みました。
特別進学クラスでは4月上旬に双方向型オンライン授業を展開し、5月からは大進選抜、大学進学クラスに対してすでに稼働実績のあった『Webチャレンジ講座』を活用した授業動画の配信も本格的にスタートしました。
学習へのモチベーションと学習習慣を維持できるように週1回、1週間分の動画を配信し、授業の内容によっては双方向のオンライン授業も導入。休校期間中に配信された授業動画は、のべ1,100タイトル以上にのぼりました。
また、主要5教科のみならず、体育・家庭科など実技教科の授業動画や、英検対策・数検対策講座の動画も配信し、学習面・生活面の両面で充実したコンテンツとなりました。生徒たちからは、『動画の先生方に励まされた』『授業動画は繰り返し視聴できるので復習の習慣がついた』といった声が届き、手応えを感じています。
これらのオンライン授業実施にあたり、すべての在校生家庭を対象に一律2万円を支給する『オンライン授業環境整備支援』を実施しました。狭い意味での学力を伸ばすことだけが、学校の役割ではありません。いかなる状況にあっても、生徒と教員がともに学び成長する環境を保障していかなければならないと考えています。そのためのオンライン授業であるならば、ネット環境の違いによって学ぶ機会に格差が出てはならず、その対応は急務であると判断し、実施しました。
今後の感染状況により再び休校となる可能性もありますが、今回のコロナ対策を通して、どのような事態に直面しても“学びを止めない”体制が構築できたと自負しています。一方で、生徒の顔を見て話す、声を聞いて様子をうかがうといったような、直接の交流を欠かさないことも重要です。
そこで本校では、生徒の安心・安全を第一に考え、赤外線サーモグラフィー、顔認証付き検温器、飛沫防止アクリル板、室内換気用のサーキュレータなどを購入して教室などに設置したほか、マスク類6,100枚、手指用アルコール43リットル、手洗い石けん20kg、物品消毒液24リットル、ハンディ熱画像温度チェッカー、フェイスシールド200枚、蛇口レバーハンドル21個を新たに購入するなどして、6月からの学校再開にも備えてきました。
今回の事態を通して、生徒たちが安心・安全に友達と一緒に部活動に打ち込んだり、共に授業で学び合ったりする学校生活を体験できるようにすることも、学校の役割であると再確認しました。今後も決して気を緩めることなく、生徒たちが健やかに学校生活を送れるよう、教員一丸となって最善を尽くしてまいります。
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