進学なびの新企画、「学校説明会レポート」の第一弾。今回ご紹介する保善高等学校は、中学募集をせずに高校のみを設置する男子校です。「空手道」や「ラグビー」「サッカー」など運動部の活躍で有名な同校ですが、実は現役生の大学合格率が5年連続で8割を超えるなど、「文武両道」の校風で知られています。
進学なびの新企画、「学校説明会レポート」の第一弾。今回ご紹介する保善高等学校は、中学募集をせずに高校のみを設置する男子校です。「空手道」や「ラグビー」「サッカー」など運動部の活躍で有名な同校ですが、実は現役生の大学合格率が5年連続で8割を超えるなど、「文武両道」の校風で知られています。
安永武仁 校長
6月21日(土)、2026年度入試に向け、第1回目となる説明会が行われました。開始時刻は午前10時でしたが、9時30分頃には約300人収容の第一会場が半分近く埋まる盛況ぶり。最終的に第一会場は満席となり、第一会場の説明会の様子をカメラで中継する第二会場に多数の受験生と保護者が案内されました。
説明会は定刻どおり、安永武仁校長先生の挨拶からスタート。
「本日は、本校における高校生活と高校選びについてお話ししたいと思います。本校に入学する生徒の多くは、成績でいえば内申で5科15前後と中くらいですが、大学進学率は例年80%を超えており、今はそれほど勉強に関心がなくても、本校で『自分を変えたい』『大学をめざしたい』という生徒が入学しています。
また、“保善といえば運動部”というイメージをもたれる方が多いと思います。確かにラグビー、バスケットボール、空手道、陸上競技、サッカーなど5つの強化クラブはありますが、実際に運動部に入部している生徒は全体の5~6割程度で、意外に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか」
熱心に進学実績を見る受験生親子
次に、学校生活や教育内容について、「大進選抜クラス」(詳しくは後述)に在籍する高3生が登壇し、学校生活について語ります(内容は文末にまとめましたので、ご一読ください)。保護者にとって自分の言葉で語る在校生の姿は、未来のわが子をイメージするうえで参考になったことでしょう。
続いて担当の先生から改めて教育内容の説明が行われました。
「本校には3つのクラスがあります。1つが、国公立大学や最難関私立大学、医・歯・薬系学部をめざす成績最上位の『特別進学クラス』で、ほかのクラスとは教材や授業の進度、授業時間が異なります。さらに、一般入試でいわゆるG-MARCHレベルの大学をめざす『大進選抜クラス』と、中堅以上の私立大学を目標とする『大学進学クラス』を設置。クラス別に入試を行うのではなく、出願時に『志望クラス』『チャレンジクラス』を選択し、同一の試験を受けた結果から、3つのクラスに分かれます。1学年のうち『特別進学クラス』は1クラス、『大進選抜クラス』が2クラス、『大学進学クラス』が6クラスという構成です」
さらに学習指導に関する話が続きます。
「本校では、授業の受け方を教えることを重視しています。生徒1人に1台貸与されるタブレット端末ですが、それ自体はどこの学校でもやっていることですね。そこで本校では、特に“英検対策のアプリ”を活用することに力を注いでいます。また、本校が独自に開講する長期休み中の夏期講習(サマーセミナー)などです。進学指導については、将来やりたいことから逆算して志望する大学・学部を選ぶという方針で、“偏差値ありき”の進路指導は行いません」
ここで、同校との併願が想定される“偏差値的に近い都立高校”との比較にも言及がありました。
「本校の多数を占める『大学進学クラス』で分析しますと、偏差値45~50程度の都立高校と競合することになりますが、そのレベルの都立高校は卒業後の進路が4年制大学、短大、専門学校、就職と多様です。一方、本校では95%以上が4年制大学を志望しており、そこに絞った進路指導ができるという点は大きなメリットだと思います」
鈴木先生は都内の高校受験全般に関する情報をわかりやすく解説。
次に、志望校選びについて入試広報部の鈴木裕先生からお話が。第1回目の説明会ということで、私立高校の入試全般について言及がありました。
「1月に私立・都立の推薦入試、2月に私立・都立の一般入試がありますが、私立入試に関しては12月15日に行われる高校と中学校との入試相談が重要となります。その入試相談の前、11月には中学校で行われる三者面談があり、そこで仮評定なども決まります。つまり、11月までの時間の使い方が重要になるということです。
11月までにやるべきことは主に4点あります。
1) 内申点をアップする日々の努力
2) 説明会への参加など志望校へのアプローチ
3) 『Vもぎ』や『北辰』などの模擬試験の複数回受験
4) 英検・漢検・数検などの3級以上の取得
です。検定は3級以上に加点措置をとる学校が多いためです」
さらに鈴木先生は、保善高等学校の入試要項について解説します。1学年300名募集、推薦入試(1月22日・木)は同一日程で単願と併願の2種類があり、一般入試は例年どおりA(2月10日・火)・B(2月12日・木)・C(2月23日・月祝)と3回の受験機会があります。
「面接は、面接官1名に生徒1名という形式で実施します。面接で聞くことは主に3つですが、質問の内容は説明会でお話ししますので、ぜひ本校までお越しください」
さらに話は推薦基準の細かい部分にまで及び、出席日数などの推薦条件、クラス別の内申点や合格得点の目安、英検・漢検といった各種検定の加点措置などについて説明がありました。また特待生制度は、個別受験相談会への参加が必須の“事前認定方式”を採っていることも付け加えられます。
「最後にお金の話です。国や都の政策で都内生の授業料は実質無料になっています。都外生でも年間1万1千円の負担で済む予定ですので、積極的に私立高校の受験を検討してみてください」
ここで説明会はいったん終了。そこから個別受験相談を希望する受験生・保護者、学校見学を希望する受験生・保護者に分かれ、同校をさらに深掘りしていきました。
保善を選んだ理由は、最寄り駅が「高田馬場」というアクセスの良さ、大学付属ではない男子校、生徒数も1学年300人と、その全てがちょうどいいと感じたことです。2年あまり過ごしてみて、先生も生徒も勉強、部活動、行事に全力で取り組む学校であることを実感しています。生徒と先生の距離が近く、男子校特有のにぎやかさ、みんな飾らずに自然体でいられる居心地の良い雰囲気も気に入っています。
将来の目標は、国際関係の仕事に就くことです。これも、2週間のホームステイ形式で行われる希望制の『ニュージーランド短期留学』に参加したことによって芽生えたものです。
自分にとって保善は第2志望の学校でしたが、実際に通ってみると十分すぎるほど楽しめました(笑)。今では「高校受験で頑張りきれなかった分、大学受験はやりきろう」と気合が入っています。
大進選抜クラスに在籍する高3生
先生の質問にも落ち着いて応える高3生
■8/30(土)学校説明会(要予約)
■8/31(日)個別受験相談会(要予約)
■9/20(土)学校説明会(要予約)
■9/27(土)・28(日)保善祭 ※個別相談会(予約不要)
■10/11(土)学校説明会(要予約)
■10/19(日)個別受験相談会(要予約)
■10/25(土)学校説明会(要予約)
※11月も説明会・個別受験相談会を実施します。詳細は学校HPにてご確認ください。
説明会終了後は早速、合格の足がかりとなる個別受験相談がスタート。
説明会終了後、個別受験相談と並行して施設見学が行われました。先生1名が5組10名ほどに付いて回るほか、多数のグループが同時に異なる順路で見学するため、流れがとてもスムーズです。写真は冷暖房完備の体育館。ほかにも畳張りの書道室など、見どころ満載です。
途中、足を止めてサッカー部の練習風景に見入る場面もありました。トレーニングルームの見学を希望する受験生親子の姿も。
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