モダンダンス出身の色平先生、ヒップホップ出身の堀内先生、そして外部コーチが指導を行っています。
自分を見つめ仲間を見つめることで、自分のできることを考えて実践する部活動です。
同好会から部に昇格して4年。生徒の成長、チームとしての成長が全国大会出場につながりました。
「まだまだ殻を破れていない新2年生。その殻を破る機会を与えるのも私たちの役目です」(堀内先生)
「ダンスに完成はありません。その作品をどこまで良いものに持っていけるかが魅力でもあります」(色平先生)
同好会からスタートして、部に昇格したのが4年前。それからさらに4年経った2021年、大成高校チアダンス部『LUSH』は、念願の全国大会(USAナショナルズ 2021)出場を果たしました。
実力と共に部活動としての人気も高まっている同部ですが、部員は未経験者が多くを占めています。少し意外ですが部の方針として、「技術よりも、まずは人としての成長を重視しています」と主顧問の色平瑛莉子先生は話します。
「チアダンスは人を応援するところから生まれたスポーツですから、人、そしてほかの部活動や教員にもエネルギーを与えられるように、まずは学校の中において礼儀、態度などでも手本となるような部活動をめざしています。
そのために大切にしているのは、感謝の気持ちを忘れないということ。とくに今年初めて全国大会出場を果たすことで、舞台に立つにふさわしいチームと思われるように、普段の生活態度や立ち居振る舞いをしっかりやっていこうと話しています」
練習は週5日。メニューはストレッチ、筋トレといったウォーミングアップに始まり、大会や発表会を見据えた練習が主な流れです。また、基礎練習としては体幹トレーニングをはじめ、バーレッスンなどのバレエエクササイズや、ヒップホップの技術の一環としてアイソレーションやリズム練習、さらにはチアの動きで重要なアームを動かすトレーニングやターン、ジャンプ練習など、メニューもバリエーション豊富です。見た目の華やかさの裏には、地道なトレーニングがあるのです。
「チアダンスって、実は過酷なことをしているのです。入部する生徒たちはそれを知っていて、それでもがんばりたいと思っている。そんな部に入って一緒にがんばる仲間ができるところも魅力なのではと思っています」
練習で部員たちに求めているのは、「自分で考えて課題に向き合う姿勢」なのだとか。
「苦手なことは一人ひとり違うので、各自が自分に何が足りないのかを考えて練習する。1年生のときは言われたこと、指示されたことだけをする感じはあるのですが、2・3年生になると『後輩の面倒を見ないと』という気持ちが芽生えてきます。
チアダンスはとくに、一人ひとりがどういうふうに動けば上達するかということを教える側も深く考えるので、そうした経験が人間的な成長につながるのではないでしょうか。社会に出てから役立つことだと考えています」
初心者の割合が圧倒的に多く、技術面において色平先生いわく「これで本当に上達するのかな? と心配になるときもありますが、しっかりと練習を積んでいるので大会や発表会のステージでは伝わってくるものがあります。むしろ感動するようなものができ上がっていくのです」
一人ひとりが自分と向き合いながら、仲間と共に成長していく。その結果として目標であった全国大会出場を果たしたチアダンス部は、これからますます勢いを増していきそうです。
指導するうえで気をつけていることは、コミュニケーションです。私も高校からダンスを始めたのですが、指導する側と部員、そして部員同士が一人ひとりときちんと関わらなければ、言いたいことも言えなくなってしまいます。
ただ、「LUSH」のみんなは先輩・後輩から学ぶ、仲間同士で学び合うという大切なことはできてきていると思います。考えて動く力をつけてきたことも実感できていますし、安心して見ていられる演技も増えました。
幼稚園の頃にチアダンスを始めた私が大成高校のチアダンス部を選んだのは、「これからドンドン上がっていく」という勢いのようなものを感じて、自分も参加したいと思ったからです。
めざす演技は見ている方々を元気にできるチアダンスです。基礎練習などは大変ですし、目標も高くなっているので大変だと思いますが、それをみんなで乗り越えたときの達成感は格別ですし、何よりも一緒にがんばれる仲間がたくさんいます。チアダンス部の活動は、一つのことに夢中になれる貴重な時間です。
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