東京都三鷹市の共学校・大成高等学校のオープンスクールをレポート。同校は、普通科でありながら情報関連の授業を学ぶことができ、コンピュータ等の専門技能や知識を身につけることも可能な「情報進学コース」を設けているのも特色のひとつです。また、学校指定の強化クラブで全国レベルの実力を誇る「硬式テニス部」や「サッカー部」を筆頭に部活動が盛んで、部活動体験も受験生の間で人気を博しています。
 
			東京都三鷹市の共学校・大成高等学校のオープンスクールをレポート。同校は、普通科でありながら情報関連の授業を学ぶことができ、コンピュータ等の専門技能や知識を身につけることも可能な「情報進学コース」を設けているのも特色のひとつです。また、学校指定の強化クラブで全国レベルの実力を誇る「硬式テニス部」や「サッカー部」を筆頭に部活動が盛んで、部活動体験も受験生の間で人気を博しています。
オープンスクールは9時30分のスタート。参加者は事前に同校公式サイトからの予約が必要です。内容は基本的に体験授業と部活動体験で、予約時に参加を希望する授業と部活動を1つずつ選んでエントリーします。2日間にわたり実施されますが、いずれも予約で定員が埋まる人気ぶりでした。
まずはオープンスクールの参加者全員を体育館兼講堂に集め、開校式が執り行われます。オープニングは「ハンドベル部」による歓迎の演奏です。部員たちが奏でる息の合ったハンドベルの澄んだ音色に、会場から自然と拍手が湧き起こります。
続いて前畑光男校長の挨拶と入試委員長・岡田政雄先生からの一言。最後に校内見学時に受験生を案内する、在校生のキャンパスガイドスタッフ代表の紹介がありました。
 オープニングの演奏で受験生とその保護者を迎えたハンドベル部の部員たち。
							オープニングの演奏で受験生とその保護者を迎えたハンドベル部の部員たち。 受験生に語りかける前畑校長。
							受験生に語りかける前畑校長。
						 受験生を案内する、同校在校生からなる「キャンパスガイドスタッフ」の代表が挨拶。
							受験生を案内する、同校在校生からなる「キャンパスガイドスタッフ」の代表が挨拶。
						開校式が終わると、事前に予約した体験授業の会場へと移動開始。選択できる授業は「理科」「国語」「社会」「情報」「英語」など。今回は「情報」の授業を取材しました。授業のテーマは『データの活用でコンビニの売り上げを伸ばす方法を考えよう with生成AI 』で、「実際に高1の授業でも取り組んでいます」と進行役の萩原浩平先生。大塚敦子先生も受験生のフォローに回ります。
授業は受験生を1グループ3~4人の8グループに分け、コンビニのポイントカードに記録されるデータを元に、コンビニの売り上げアップについて検討します。最初は萩原先生からの簡単な質問です。「まずはポイントカードにどのような情報が記録されているか、5分間で思いつく限りパソコン上に書き出してみましょう」。実際にコンビニのポイントカードを持っている中学生が少ないこともあり、受験生にとってはなかなかの難問な様子。「お客さんの個人情報って、具体的に何だろう?」など、大塚先生がヒントを出します。
次の質問は、コンビニの売り上げアップのために「どの情報から、どんなことがわかるか。それを踏まえてどんな売り方ができるか」で、これもまたグループ内で5分間話し合います。しかし、受験生たちの力だけでは5分で結論を出すのは難しいようでした。
そこで生成AI の登場です。ただし、AIを利用する際の前提として、萩原先生から「あくまで主役は自分たち。AIはアイデアを出してくれるもう一人の仲間、あるいは自分たちにはない発想をアドバイスしてくれる先生もしくは先輩として捉えることが大切です」と注意がありました。
生成AIを利用して話し合う時間が4分間与えられると、徐々に落としどころに近づくグループが増えてきました。AIにどんな質問をするかは受験生たち次第。グループによって差はありますが、時間帯や季節による売れ筋商品、広告やSNSの活用、他社商品とのコラボといった意見を掲げるグループが多かったようです。さらに発表に向けた準備として2分が与えられ、話し合いは終了しました。
最後にグループごとの結論を発表し、自分のグループ以外で最も優れていると思ったアイデアにパソコン上で一票を投じ、「ベストアイデア賞」を決定しました。見事受賞を果たしたのは「グループ8」。よく売れる時間帯を調べて24時間営業でなくなった場合の対応まで言及している点や、セルフレジと有人レジの売り上げを比較した点などが評価されたようです。なお、午後に行われた同様の体験授業では、「常連さんには特別クーポンや特別割引を実施してリピーターを増やす」「誕生日割引の導入」といった優れたアイデアも出ています。
 情報の体験授業は、専用のコンピュータ室で行われます。
							情報の体験授業は、専用のコンピュータ室で行われます。
						 グループでの話し合いが行き詰まると、すかさず先生がフォローに回ります。また、受験生個々の意見がパソコンの画面上で共有できるため、写真奥のような「対面での会話重視派」のグループと、「対面せずともパソコン上でOK」というグループに分かれていました。
							グループでの話し合いが行き詰まると、すかさず先生がフォローに回ります。また、受験生個々の意見がパソコンの画面上で共有できるため、写真奥のような「対面での会話重視派」のグループと、「対面せずともパソコン上でOK」というグループに分かれていました。
						体験授業が終了すると校内見学が待っています。在校生のキャンパスガイドスタッフが20分ほど校内の施設を案内。校内見学の後は学食体験も用意され、学食のメニューが無料で食べられます。食事を終えたら、いざ部活動体験。「バスケットボール部」「ダンス部」「弓道部」「ハンドボール部」「華道部」などのうち、事前に選んだ部活動を体験します。
今回は「弓道部」と「ダンス部」の部活動体験を取材。弓道部の活動場所は、体育館兼講堂の受付ホールにもなる『ホワイエ』と呼ばれる多目的ホールで、弓を引く基本の動作を部員2名が受験生一人ひとりにつきっきりで指導していました。
「弓を引く」という動作をやってみることはあまりないため、思いのほか難しいようです。「背筋を伸ばして」「重心を後ろに」とアドバイスが飛び交っていましたが、堅苦しい雰囲気はなく、部員も受験生も笑顔にあふれていました。
2007年に創設されたダンス部は、自分の振りを大きな鏡で確認できるスペースで活動。選曲や振付、衣装選びなども顧問の先生と部員たちのオリジナルで、外部のコンテストなどにも参加しています。この日は30秒ほどのオリジナル振付をぶっつけ本番で受験生たちに踊ってもらう実践的なメニューでしたが、受験生たちはすぐに振りを覚え、なかなかにキレのあるダンスを披露していました。
「例年、入部する全員が経験者ばかりといことはなく、学校のダンスの授業で興味をもった初心者の生徒もそれなりにいます」と顧問の長沼雄一先生。全般的に楽しみつつも真剣な様子が伝わってきました。
体験授業と部活動体験を終えると、再び体育館兼講堂に全員が移動し、閉会式が始まります。華やかなダンス部によるパフォーマンスの後に、前畑校長から再度挨拶があり、最後はキャンパスガイドスタッフからの言葉で締めくくられました。
 
						 
						 ダンス部部長が受験生に同校の受験をすすめ、同時にダンス部入部への勧誘メッセージを送りました。
							ダンス部部長が受験生に同校の受験をすすめ、同時にダンス部入部への勧誘メッセージを送りました。
						 ダンス部は部員数約50名。男子部員の入部者も増えています。
							ダンス部は部員数約50名。男子部員の入部者も増えています。
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