新型コロナウイルス感染症拡大により、学び方は大きく変わりました。教育に求められるものが変化したことで、これまでの教育活動に変革が求められたのです。そうしたなか、淑徳SCでは、「小さな学校、質の高い教育」をモットーに実践してきた少人数制教育が功を奏し、コロナ禍の影響を最小限に留め、同校ならではの教育活動を継続することができました。久保拓雄先生(入試広報部部長)と井上翔太先生(生徒会担当・体育科主任・バレー部顧問)に、コロナ禍の取り組みついてお話を伺います。
新型コロナウイルス感染症拡大により、学び方は大きく変わりました。教育に求められるものが変化したことで、これまでの教育活動に変革が求められたのです。そうしたなか、淑徳SCでは、「小さな学校、質の高い教育」をモットーに実践してきた少人数制教育が功を奏し、コロナ禍の影響を最小限に留め、同校ならではの教育活動を継続することができました。久保拓雄先生(入試広報部部長)と井上翔太先生(生徒会担当・体育科主任・バレー部顧問)に、コロナ禍の取り組みついてお話を伺います。
「本校ではこれまで、グローバル化という多様な社会を生き抜く力を育成するために、英語教育はもとより、ユネスコ・スクール認定校として世界の諸問題に対する問題意識をESD (持続可能な開発のための教育:Education for Sustainable Development)、SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)を通して学ぶ学習プログラムや、世界に通用する論理的思考力や分析能力を培うICT教育にも力を入れてきました。
これらの教育をはじめ、本校では生徒一人ひとりの興味・関心に向き合う調べ学習や探究学習、発表、議論など双方向性の授業を展開しています。こうした教育を実践するには、生徒と教員の距離が近く、アットホームな雰囲気の中で、生徒と教員、生徒同士が互いに意見を交わすことができる少人数制の教育環境が不可欠です。
コロナ禍において、本校ではこの少人数制の強みを活かし、Zoomによる双方向性授業をいち早く実現するなど、生徒一人ひとりに対する手厚く確実なケアと、質の高い教育を継続できました」(久保先生)
「こうした学びの一環として欠かせない行事が『なでしこ祭』(文化祭)です。『なでしこ祭』には普段の学びを活かした展示や企画が数多くあり、学習や行事に主体的に取り組む生徒たちの姿勢を感じ取っていただける内容になっています。
2020年の『なでしこ祭』はオンラインで実施し、高1の『SDGs発表会』や高2の『修学旅行事前学習発表会』などの様子を動画で配信しました。例年のように本校へ足を運んで、直接生徒たちと交流していただくことができなかったことは残念でしたが、オンライン開催という形態にしたことで下調べやグループ学習の様子など、発表までのプロセスも紹介できました。本校の教育活動に対する理解が深まる一つの機会になったと感じています。
日頃からホームページやSNSなどで積極的に情報発信をしてきたことも功を奏し、多くの方に視聴していただきました」(久保先生)
『なでしこ祭』ではこうした学習発表のほかに、キャリア教育の一環として行っている『能』と『華道』の様子、クラブや生徒会のメンバーが制作した活動紹介動画、有志の生徒たちが制作した遊び心いっぱいのフリーパフォーマンス動画なども配信され、充実したコンテンツになっています(学校の公式ホームページから視聴することができます)。
「『なでしこ祭』をオンラインで開催することを教員間で決め、あとは生徒会が中心となって生徒たちが積極的に取り組んでくれました。動画の撮影や編集は、教員よりも生徒たちのほうが上手ですし、生徒たちは普段から自己表現することに対して意欲的です。『なでしこ祭』を楽しみにしていた生徒たちにとって残念な気持ちもあったと思いますが、今回は視聴者に楽しんでもらおうと、明るく前向きにオンライン文化祭という初の試みにチャレンジしてくれました」(井上先生)
「本校は少人数で施設・設備をゆったりと使用することができ、密になりにくい環境に恵まれており、もちろん校内の感染症対策も徹底して行っています。生徒たちが登校できるようになってからは、さまざまな制限があるなか、できる限り学校の施設・設備を活用できるよう心がけてきました。
たとえば、本校の充実したオンライン設備を活用してもらうために、日曜日に本校で大学受験のオンライン面接を受けた生徒もいます。また、なかには電車通学での感染リスクを心配するご家庭もあります。そのため、学校が再開してからもオンラインと対面のハイブリッドで授業を続けるなど、自宅で授業を受けたいという生徒を欠席扱いにせず、対応できる体制も整えています。
受験生に対しても、直接学校に足を運んでいただける小規模な説明会や個別説明会を行うなど、少人数制の学校ならではの対応を実施しています。今後も新型コロナウイルス感染症の状況は未だ予断を許さない状況ですが、本校の特色を活かし、生徒一人ひとりに手厚い、質の高い教育を継続していけることを自負しています」(久保先生)
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