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問題解決に向けて自分がどう
行動すべきか考える探究学習

1年生のSDGsアクション宣言
駒場学園高等学校

〒155-0032
東京都世田谷区代沢1-23-8

TEL:03-3413-5561

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 駒場学園高等学校では、「思考力」「知識」「体験」「発信」の教育的観点に基づくPBL(problem-based Learning)型の探究学習を週1時間、「総合的な学習の時間」の中で実践しています。希望する進路を実現するとともに、生涯にわたって役立つ知的探究心や総合的な学力、問題解決能力を身につけていくためです。この取り組みについて、進学コースで教える高1担任で教育推進部主任の伊藤仁哉先生(国語科)、高2担任の五十嵐佳織先生(国語科)、高3担任の目代充寿先生(数学科)にお話を伺いました。探究学習は3学年とも担任がファシリテーターを務めながら担当。ファシリテーターとは会議などの進行役を意味します。
※以下の記事は2020年度時点の内容です。

「SDGsアクション宣言」で発表

教育推進部主任の伊藤仁哉先生(高1担任/国語科) 教育推進部主任の伊藤仁哉先生(高1担任/国語科)

「探究学習では、自分の興味・関心のあることを深め、3年後の進路決定や大学での学び、そして実社会で活かせるようにします。

 私が担任を務める1年生は、まず1学期に自分を知ることからスタートしました。まず、大きな紙の中心に『私』という文字を書き、その周りに自分に関係する言葉を数多く書き出して、マインドマップを制作します。こうして自分の核となっている興味・関心を導き出していくのです。そして同じ興味・関心を持つ生徒たちでグループを作り、社会が抱える課題解決に、自分たちの興味・関心がどう結びつくのかを議論していき、そのためにどう行動するべきかを考えていきます。

 さらに2学期からは、短い文章で記述する“正解のない問題”を1題につき5分間、生徒に解かせています」(伊藤先生)

 この学びと強く紐付けられているのがSDGsです。SDGsとは「Sustainable development Goals」の略称で、「持続可能な開発目標」と訳されています。2030年までに世界で達成すべき環境や開発に関する17の国際目標で、2015年に国連サミットで採択されました。17には「1.貧困をなくそう」「2. 飢餓をゼロに」「3. すべての人に健康と福祉を」「4. 質の高い教育をみんなに」などの目標が掲げられています。

「興味や関心に基づき、自分が起こしたい行動はSDGsの17の目標のどれにあてはまるか、あるいは17の目標を見たとき、どれに自分が興味・関心を持てるかを考えていきます。その結果を『SDGsアクション宣言』にまとめます。

 たとえば、フードロスに興味・関心を持っている生徒は、SDGsの『貧困をなくそう』『飢餓をゼロに』の実現に向けて、“毎日のお弁当を残さない”ということが今自分にできることであるとして、この行動を宣言しています。1年生なので、まだこのような初歩的な行動しか思いつかない状態ですが、2年次の終わりまでには生徒の代表を模擬国連に参加させたり、国連大学での発表を目標に探究活動に取り組ませたりできるレベルにまで持っていきたいと考えています」

 この生徒たちが2年生になると体験旅行に参加します。2021年度より、この訪問先を変えることになりました。進学コースは北海道・兵庫・愛媛・沖縄の中から選ぶことができます。そして訪問先の課題を見つけ、それを解決する方法を考え、現地の人たちに向けてプレゼンテーションすることを検討しています。

マイターゲットの達成へ

五十嵐佳織先生(高2担任/国語科) 五十嵐佳織先生(高2担任/国語科)

 現在の高2生が高1のときから探究学習を担当していた五十嵐佳織先生は、次のように話します。

「3年間をかけて行う探究学習の大きなテーマは『自分を知り、社会を知ること』です。そこで、自分と社会との接点を見いだすために、1年次では自分の過去を振り返り、自分がどのようなことに興味を持ち、どのような価値観を持って生きてきたかを確認しました。そこからSDGsの17のゴールの中で自分が取り組んでいきたいと思うテーマを選び、同じゴールを達成したい仲間と意見を交わし合うなどグループワークを通して考えを深めました。

 この生徒たちは1年次の終わりに、SDGsの目標達成や社会の問題解決のために取り組んでいる企業を訪問してインタビューするプログラムを予定していたそうです。しかし、この取り組みは残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止となりました。

「2年次からは、それぞれが選んだゴールに対して具体的に達成したい目標である『マイターゲット』を設定しました。例えば『海の豊かさを守ろう』に対し『海洋生物が生きていける海を残す』といった各自が取り組みたい具体的な目標がそれです。この最終目標に至るまでの中間目標を『マイルストーン』、そこに向けて行動できることや取り組めることを『マイアクション』と称して、自分にできることの実践と更新を継続して行っていきました。

『マイアクション』の狙いの1つは、実際に行動してみたときに、個人でできる取り組みには限界があること、そのためにほかの人たちとパートナーシップを結ぶ必要があるということに気づくことです。現在はグループでの発表を通して、どうしたら多くの人の意識や行動が変わり『マイターゲット』の達成に近づくのか、そのためにどうアクションを起こすか、仲間と意見を出し合いながら考えることを大切にしています。

 探究学習はキャリアデザインでもあります。3年次には、この1年間の成果を論文にまとめます。ここで深めたことを自分の進路実現や、社会に出てどう生きるかを考えるための土壌にしていってほしいと思っています」

学びの集大成として論文を執筆

目代充寿先生(高3担任/数学科) 目代充寿先生(高3担任/数学科)

 目代先生は、現在の高3生が高1のときから探究学習を担当してきました。

「私が教えているのは、大学入学共通テストを初めて受験する生徒たちです。そのため、新たな入試に求められる力を養うために、これまで本校が行ってきた探究学習の質をさらに高めていくことをめざしました。

 その一環として、1年次には『NEO TOKYO』をテーマに東京の近未来にはどのような問題が起き、それをどのように改善していくべきかを考えてもらったのです。2年次からは、こうして考えたことを文章にまとめ、将来、就きたい職業について考えてもらいました」

 続いて生徒は、共通の進路をめざす生徒たちとグループで課題を話し合ったり、情報を共有化したりしました。その上で、SDGsの17の目標からいくつかを選択して、自分が就きたい職業と結びつけていったのです。

「たとえば看護師を志望している生徒なら、SDGsの『すべての人に健康と福祉を』を取り上げます。そして今、看護師が不足している現状に目を向けて、なぜ不足しているのか、その現状を改善するには、自分がどう行動すればよいのかを考え文章にして発表します。3年次の終わりには、学びの集大成として論文の執筆に取り組みます」

 こうして1年次から思考力や表現力を磨いてきた3年生は、2020年の推薦入試や総合型選抜(旧AO入試)の面接や小論文で大いに力を発揮できたと言います。高校3年間で養った力は、大学から先の学びをさらに有意義なものにしていくでしょう。

壁に貼られた1年生の「SDGsアクション宣言」
2年生が書いた中間目標の「マイルストーン」
現在の3年生が2年生のとき、SDGsの目標を取り上げて、自分たちが取るべき行動について記した文章

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