「一昨年から始まった探究活動は、『自己の在り方、生き方を考えながら、より良く課題を発見し解決していく力を身につける』ことを目標に、現在高1で探究の基礎を学び、高2で自分の選んだ課題に半年間かけて取り組んでいます。高1の2学期末には、各教室に日本にいる留学生を迎えて、3日間の『グローバル探求プログラム』に取り組みます。
「今回の探究プログラムは、『世界の食』をテーマに2020年の10月くらいから事前学習を進めてきました。1日目には各グループに迎え入れた留学生に、それぞれの国の食文化を教えてもらって探究の切り口を議論し合い、グループの絆を深める活動を行いました」(教育研究開発室/浅子香織先生)
3日目の発表準備の様子を拝見すると、留学生がファシリテーターとしてグループワークを進めていました。今回、探究学習に協力してくれた留学生について、「株式会社トモノカイ」の伊丹隼人さんに話を伺いました。
「『株式会社トモノカイ』は、さまざまな学校で留学生のプログラムを実施しています。今回、大東文化大学第一高等学校に訪れたのは80名で、50カ国くらいの国々から来ています。今はコロナ禍で国内外に移動するのは難しいので、以前から日本に滞在していた人たちが協力してくれました。
このプログラムは“英語で世界を学ぶ”をコンセプトとしているので、コミュニケーションはすべて英語です。今回参加している留学生たちのほとんどが大学院生で、教育に携わることを志している人たちなので、ワークショップの導き方も、単に知識を教えるのではなく、生徒たちが好奇心や疑問を持って、自ら探究できるようなノウハウを持っています。
大東文化大学第一高等学校の生徒たちは、対人感受性が豊かという印象です。みんなで一緒に何かをやろうという意欲が強く、人の話を一生懸命聞いていたので、成長も大きいと思います。」
各グループに参加した留学生は、マレーシア、ペルー、ベトナム、ポーランド、フランス、ネパール、ブルネイなどさまざまな地域の文化的背景を持った人たちです。取り上げた食も、カップ麺やバナナ、オリーブオイルやマカロンなど多彩で、日本と現地の販売価格の差や、収穫に関わる労働者の健康問題など、探究の切り口もさまざまでした。
全体発表は選抜された10グループが行いました。スタンダップコメディのように掛け合いをするグループ、小道具に趣向を凝らすグループ、わかりやすい資料を制作したグループなど、各グループが特色を出してプレゼンテーションを行いました。この経験を基に、高2では自分の興味・関心を深める探究学習を行います。