「何事にも『努力』を惜しまない、心身共に健康で教養の高い、誠実な平和社会の形成者』の育成。これが大東文化大学第一高等学校(以下、大東一高)の教育目標です。卒業生である田中彰真さんは3年間、勉強と部活動の両立に励み、芝浦工業大学工学部応用化学科に現役合格。現在は卒業研究に取り組んでいます。母校で教育実習を終えたばかりの田中さんに、高校時代の思い出や将来の目標、母校の魅力について聞きました。
 
			「何事にも『努力』を惜しまない、心身共に健康で教養の高い、誠実な平和社会の形成者』の育成。これが大東文化大学第一高等学校(以下、大東一高)の教育目標です。卒業生である田中彰真さんは3年間、勉強と部活動の両立に励み、芝浦工業大学工学部応用化学科に現役合格。現在は卒業研究に取り組んでいます。母校で教育実習を終えたばかりの田中さんに、高校時代の思い出や将来の目標、母校の魅力について聞きました。
 田中彰真さん
							田中彰真さん私は小5の時に地元の少年野球チームに入り、中学で野球部に入部しました。当時はキャッチャーを務め、1学年上の先輩とバッテリーを組んでいました。その先輩が進学した高校が大東一高だったのです。
高校でも、その先輩と一緒に野球を続けたかったので大東一高を受験し、野球部に入りました。守備はファースト。授業が終わると部員たちと部室で準備をし、自転車で荒川の河川敷にあるグラウンドまで行き練習に打ち込みました。練習の後は部員同士で将来の夢など、いろいろなことを語り合いながら帰ったものです。充実感に満ちあふれた日々でした。
大東一高には『進学』『選抜進学』『特別進学』の3クラスが用意されています。私は高1の時に『進学クラス』で学びながら、野球の練習に励んでいました。このクラスでは大東文化大学を内部推薦でめざしたり、他大学を指定校推薦や公募推薦でめざしたり、中堅私大を一般選抜でめざしたりします。
中学時代から化学が好きだった私は、高校で化学にいっそう力が入るようになりました。学ぶうちに、世の中にある製品から建築物、医療まで化学によって支えられていることがわかったからです。こうして化学の成績が上がるにつれて自信がもてるようになり、他科目の成績も伸びていきました。また、学校生活へ慣れるに従い、勉強と部活動との両立も果たせるようになっていきました。
そんな私に担任の先生が「選抜テストを受けて、高2から『選抜進学クラス』の理系コースで学んでみてはどうか?」とアドバイスをしてくださったのです。『選抜進学』はMARCHレベルの難関私立大学を一般選抜でめざすクラス。選抜テストにチャレンジして合格した私は、高2からこのクラスに入って文武両道に励むことになりました。
『選抜進学クラス』は理系も文系もホームルームは同じです。私と同じように勉強と部活動の両立を図っている生徒が多く、なかでも特に親しかったのは、バスケットボール部やソフトボール部の部員たちです。彼らとは放課後に遅くまで部活動に励み、帰宅してからは机に向かっていました。そうした努力は勉強や部活動に成果として表れ、その喜びを共有しながら励まし合ったり、ほかのクラスメートとも単語テストの成績を競い合ったりするなど、切磋琢磨する日々を送っていました。
高2の春にコロナ禍が始まり、多くの行事が中止となりました。それだけに高1の文化祭や体育祭の楽しさは今も心に強く残っています。行事の数が減っても『選抜進学クラス』の仲間たちとは“第一志望の大学に合格する”という共通目標があるため、クラスの絆は日を追うごとに強まっていき、教室は明るい雰囲気に包まれていました。
このクラスは志望大学の受験科目によって授業が分かれています。難関私大の理系をめざしていた私は、数学や化学の授業を受けていました。こうした選択科目では少人数制の授業が行われ、わからないことは授業中も休み時間も先生へ気軽に質問できました。なかでも感謝しているのは、高2から高3まで化学を教えてくださった先生です。大学時代にどのような学問に取り組んでいたかを授業でも話してくださいました。そのお話を聞くたびに、大学への期待が大きく膨らみ、学ぶ意欲がますます高まりました。
芝浦工業大学の工学部応用化学科をめざしたのは、化学の専門知識を社会のために大きく活かせる仕事に就きたかったことと、それが実現すれば大きなやりがいを得られると確信したからです。本格的に受験勉強を始めたのは、高3の夏に部活動を引退してからでした。数学の先生方にていねいに指導していただき、思うように伸びなかった数学の成績も向上させることができました。
先生方の手厚い指導によって芝浦工業大学に現役合格した私は、硬式野球部に入部。野球で培った集中力や持久力、時間の管理能力、強靭な精神力が受験勉強に役立ったこと、また、礼儀作法や上下関係の大切さを学べたので、大学でも野球を続けようと決めたのです。野球から得たチャレンジ精神で、教職免許も取得しようと思いました。
現在は大学で二酸化炭素分離膜に関する卒業研究に取り組んでいます。二酸化炭素分離膜とは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を除去するための膜です。大学卒業後は大学院に進み、研究を続けたいと思っています。院を修了した後はメーカーの技術者になるか、あるいは教員になって化学を学ぶことの素晴らしさを生徒に伝えたいと考えています。できることなら大東一高の教壇に立ちたいですね。
大東一高の大きな特色は、どの先生方も生徒の気持ちに寄り添ってくださること。教育実習で母校に戻り、このことを実感しました。授業を終えて職員室に戻ってきた先生方が、生徒一人ひとりの様子を楽しそうに語り合っているのを耳にしたからです。大東一高の先生方は、常に生徒のことを考えていることが伝わってきました。将来、教員になるとしたら、目標は大東一高の先生方です。
 思い出が詰まった実験室にて。「化学は私の可能性を大きく広げてくれました」(田中さん)
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