コンピュータゲームをスポーツとして捉えたeスポーツ。その競技大会を開催しました。
ペットボトルキャップアートの制作現場。生徒がペットボトルのキャップを下絵に貼り、最後にその絵を組み立てて、1枚の大きな絵を完成させました。
フォトコンテストの審査発表の様子。
北斗祭初日にJMホールで総合司会を務める生徒たち
先生方がゲームをして競う企画「先生だってはしゃぎたい」。教室にいる生徒たちがその勝敗を当てて楽しみました。
2020年11月2日(月)・3日(火・祝)に開催された北斗祭(文化祭)は、新型コロナウイルスの感染防止対策としてオンラインで行われました。その準備から当日までの軌跡を、文化祭実行委員に聞きました。メンバーは副実行委員長の亀崎巧さん、本部担当の多々見
「新型コロナウイルスによる休校期間中、5月のゴールデンウィークが終わった頃に、6月の体育祭がコロナの影響で中止になるという知らせが学校から入りました。それを聞いて今度は北斗祭がどうなるのか心配でした。その不安が的中し、授業が再開されてしばらく経った7月中旬、先生から従来通りの北斗祭は開催できないと言われました」
そう話すのは、文化祭副実行委員長の亀崎さん。亀崎さんは順天中学校から進学した「一貫選抜クラス」の1年生です。中2のときに体育祭実行員を務め、中3では体育祭実行委員と文化祭実行委員を兼任し、生徒会長も務めています。
「従来の北斗祭ができない代わりに、『オンラインで開催したらどうか』という提案が先生方からありました。校長先生からは、『みんな力を合わせて、オンライン北斗祭を成功させましょう』という言葉もいただきました」
校長先生の言葉に勇気づけられた亀崎さんたち実行委員の幹部は、他校のオンライン文化祭を参考にして企画を練り上げました。こうして完成したのが、北斗祭1日目を校内の大型施設と各教室をオンラインでつなぎ、2日目を完全にオンラインにするという企画です。生徒は1日目に登校して教室でプロジェクターを見て、2日目は来校登校せずに自宅でPCなどのディスプレイを見て楽しみます。
生徒が登校する北斗祭1日目は、密状態や大規模な移動を避けるよう慎重に計画が組まれていきました。こうした企画が立ち上がる前に行われたのが、文化祭実行委員の募集です。中・高合わせて約50人の実行委員が集まりました。
本部担当の多々見さんは「英語選抜Eクラス」の1年生。亀崎さんと同じく順天中学校の出身で、中2から文化祭実行委員を務めていました。多々見さんは次のように振り返ります。
「北斗祭では毎年、中学生が学年で展示をして、高校生がクラスごとにお化け屋敷などの企画を出しています。そのため、高校生になったら何をしようかとワクワクしていたのですが、北斗祭が従来通りにできないと聞いて残念に思いました。でも、こんなときだからこそ一緒に頑張ろうと亀崎くんに言われて、引き続き文化祭実行員を務めることにしました」
北斗祭の初日は7階にあるJMホールでクイズ大会などのイベントを行い、その模様をオンラインで教室の生徒たちに配信。生徒たちは移動を避けるため、JMホールには集まらず、その映像を教室で見て楽しむのです。
「私は本部担当として、JMホールに常駐し、イベントの司会者の時間調整をしたり、トランシーバーを使って教室に映像がきちんと届いているかを確認したりしていました。私はずっとJMホールにいたので、クラスの様子はわかりませんでしたが、後になって、みんながとても盛り上がっていたことを聞き、実行委員になって良かったと心から思えました」
企画担当の三好さんと鳰原さんは高校から入学。同じ「特進選抜Tクラス」で学ぶ1年生です。2人は社会福祉部に所属しています。
「鳰原さんに誘われて文化祭実行委員になりました。この学校に入ったばかりで何も知らなかったのですが、先輩方に北斗祭について多くのことを教えてもらいました。そして、鳰原さんと一緒に1日目のくじ引き企画を行いました」(三好さん)
「くじ引きは、わずか5分間の企画です。司会者の進行のもとで生徒がくじを引いて景品をもらうのですが、それだけでは面白みがありません。そこで、当たりくじの発表方法や景品にこだわりました」(鳰原さん)
景品はクオカード1,000円分、お菓子の詰め合わせやマスク、ティッシュなど。ほかには校内のエレベーターの“1日乗り放題のペアチケット”も用意。本来、校内のエレベーターは生徒の使用が禁じられていますが、このチケットさえあれば自由に乗り降りできます。
「クラスのみんなに『盛り上がって楽しかったよ』と言われました。2021年も文化祭実行委員を務めたいと思っています」
JMホールでは、フォトコンテストやクイズ大会なども行われました。
「2020年の北斗祭のテーマが『○○力』でした。そこでフォトコンテストでは、クラスごとにこの○○に好きな漢字を入れて写真を撮影しました。僕のクラスはみんなでジャンプしている写真に『跳躍力』、みんながバスケをしている写真の中心に観葉植物を置いて『無気力』とタイトルを入れた作品を出しました。その結果、3位に入賞できました」(亀崎さん)
1日目の企画で最も盛り上がったのが、eスポーツ大会。各クラスの代表がパソコンルームで熱戦を繰り広げます。その様子を生徒たちは歓声をあげながら教室で見守りました。
装飾を担当した糸井愛華さんも、亀崎さんや多々見さんと同じく順天中学校の出身で「一貫選抜クラス」の1年生。中3から文化祭実行委員を務めていました。糸井さんは次のように振り返ります。「2020年の装飾のテーマは『ハロウイン』だったので、校門から各教室まで、クモや幽霊をモチーフにして装飾を施しました。北斗祭の3週間前から当日までのカウントダウンを月の満ち欠けで表現した装飾も手掛けました。北斗祭当日には満月になります。装飾担当のスタッフの人数は少なく、みんな遅くまで残って準備を進めてきたので、北斗祭が終わったときは達成感で胸がいっぱいになりました」
2日目の完全オンラインによる北斗祭は、クラスや部活動ごとに、あらかじめ撮影した動画を内部限定公開と外部公開に分けてインターネットで楽しめるようにしました。音楽を用いた動画は著作権上の問題があるため、内部限定の公開となっています。
「私と三好さんのクラスでは、ダンスを踊りたい生徒と歌いたい生徒に分かれて、動画を作って編集しました。私も三好さんもダンスを踊りました」(鳰原さん)
「私は茶道部と家庭科部を兼部しています。茶道部では男子生徒2人が茶道部に仮入部するというドラマ仕立ての動画を、家庭科部では“2分間クッキング”というお料理講座などの動画をそれぞれ制作して配信しました」(糸井さん)
こうして北斗祭は大盛況のうちに幕を閉じました。亀崎さんは次のように振り返ります。
「1週間前のリハーサルでは完成度が低く、これでは失敗するのではないかと不安になりました。でも、その後の1週間でみんなが力を合わせて準備を重ね、完成度はどんどん高まっていき、大成功を収めました。文化祭実行委員一人ひとりが自分の責務を全うしたからこそ、みんなの思い出に残る北斗祭になったのだと思います。2021年の北斗祭は、今回学んだことを糧にして、さらにみんなが楽しめる内容にしたいと考えています」
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