さらに、順天と北里研究所(北里大学)との高大一貫教育によって、大学入試に3つの選択肢が生まれることになります。これまで大学入試には「一般選抜」と「総合型選抜・学校推薦型選抜」という2つの選択肢がありました。2026年度よりこの2つに北里大学への「内部推薦」がプラスされるのです。「内部推薦」に先立って、2025年入試より北里大学の指定校推薦枠が全学部・学科に拡大します。現在、「一般選抜」で受験する生徒が約80%、探究活動や留学の成果といった強みを活かした「総合型選抜・学校推薦型選抜」で受験する生徒が約20%です。そして卒業生の約53%が国公立大学や早慶上理、GMARCH、医歯薬系大学に進学しています。
「指定校推薦の場合は、大学側が合格のための成績や人数などの基準を設けますが、北里研究所の付属校となれば、本校がその基準を決めることになります。生徒本人の進路希望と適性が合致し、本校における学業成績、つまり内申がその基準に達した場合は、全ての学部・学科に内部進学できる予定です」
だだし、「医学部」「薬学部」「獣医学部」など、卒業後の医療系学部への進学に関しては、内部試験(数学・英語・理科・小論文・面接)に合格しなければなりません。これは医療従事者に必要な資質や能力に加えて、他校から大学受験を経て入学した学生と同等の学力を高校時代に身につけておく必要があるからです。
「北里大学への進学を希望する場合、内部進学を遅くとも高3の9月までに決定し、それ以降は大学で履修する単位の一部を取得できる、AP(Advanced Placement)プログラムを導入することも考えています。高校在学中から大学の半期に相当する単位を習得できるようにするためです。これにより、大学2年の後期から研究室への配属が可能となり、研究にいち早く触れることができるようになります。また、先取りをした分、多くの日数を海外留学に充てることもできるのです」
法人合併後も「順天」の校名や所在地、教職員、国公立大学や難関私立大学、海外大学への現役合格に向けた進路指導は変わりません。こうした他大学をめざす生徒と、北里大学の医学部をはじめとする各学部・学科をめざす生徒との切磋琢磨も期待できるでしょう。そして、長い歴史と伝統を継承しつつ、新たな一歩を踏み出す順天は、これまで以上に『未来を創る人』を数多くグローバル社会に送り出すはずです。
「本校と北里研究所(北里大学)との高大一貫教育により、多様な選択肢が生まれます」(片倉先生)
ミドリムシを使った実験に取り組む『理数選抜類型』の生徒たち。
『つくばScience Edge 2024』で「Global Link Queensland賞」と「ブースター賞」を受賞した生徒。
「宇宙空間を飛び交う放射線が地球の気象条件に及ぼす影響」と題する理数探究の成果を発表する生徒。この研究が評価され、この生徒はアメリカのニューメキシコ州にある宇宙科学研究所に招待されました。
文部科学省が実施する『トビタテ!留学JAPAN』に今年、同校から3名が選ばれ、奨学金を得て海外へと飛び立ちます。そのうち2名が「My探究枠」で選ばれました。