「英知を持って国際社会で活躍できる人間を育成する」ことを教育理念に掲げ、スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校として先進的な教育を行っている順天高等学校。自己実現を軸とした高度な進学教育と実践的な国際教育、そして社会性・豊かな心を育てる社会教育を柱に、生徒の自主性を育む共学校です。そんな同校で教育実習中の3名の卒業生に、順天の魅力と思い出を語っていただきました。
「英知を持って国際社会で活躍できる人間を育成する」ことを教育理念に掲げ、スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校として先進的な教育を行っている順天高等学校。自己実現を軸とした高度な進学教育と実践的な国際教育、そして社会性・豊かな心を育てる社会教育を柱に、生徒の自主性を育む共学校です。そんな同校で教育実習中の3名の卒業生に、順天の魅力と思い出を語っていただきました。
Aさん私が在籍していたのは、中学から高校にかけてクラス替えのない一貫選抜コースです。全員中学から知っているので、みんな仲が良かったですね。私は生徒会に入っていたので、クラスメートで当時の役員だったメンバーとは今でも就活の相談をし合ったり食事に行ったりするなど、交流が続いています。
学生生活のなかで最も長く携わったのは生徒会ですが、演劇部と合唱部にも高1から入って活動していました。演劇部では卒業後、同級生たちと劇団を作って、『北とぴあ』で毎年9月に開催する演劇祭に出場したのもいい思い出です。現在もレンタルスペースを借りて活動を続けています。
Yさん私は高入生のクラスだったので、さまざまな地域から集まってきた人が多かったですね。野球部の部員も多くて、やんちゃだったり真面目だったり、我が道を行くタイプだったり……と、みんな仲は良かったです。当時は“文理混合”で男子が多いクラスでした。勉強よりも体育や体育祭になると率先して動くクラスでしたね。
野球部のメンバーは家族よりも長い時間一緒にいた仲間です。上下関係はそれほど厳しくなく、「全体で仲良く上をめざそう」という雰囲気で、同期はそれぞれ違う大学に進んだけれど、今も夏休みなどに会っています。
Sさん私が在籍していたのは「特進コース」でも文系のみのクラスで、女子が少し多めでした。明るくて、男女問わず仲が良かったです。勉強する時はする、遊ぶ時は遊ぶというメリハリをつけてみんなで一緒に頑張ろうという雰囲気が良かったですよ。推薦で大学進学をめざす人がたくさんいるクラスで、勉強も部活動も頑張るタイプの人が多かったかな。だからでしょうか……、私を含め部長を務めている人が多かったですね。
私は中高6年間バレーボール部でした。月曜以外は部活動で真剣に取り組むなか、上下関係はあまりなく、のびのびやっていました。「みんなで仲良く上をめざそうね」という雰囲気です。運動部は全体的にそんな雰囲気だったのかな?
Yさん野球部は顧問の先生が厳しい人で、自分から主体的に動かないと注意されることが多かったですね。でも、主体的にやるには上下関係が厳しすぎるとチームがまとまらないので、先輩・後輩の仲が良かったのだと思う。顧問の先生は自主性を伸ばしてチームの団結力を高めるために、あえて厳しくしてくれていたのだな……と今、実感しています。
Sさんバレーボール部は、以前は上下関係がわりと厳しかったです。でも、コートに立った時に学年差を気にしているとベストなパフォーマンスはできないので、少しずつそういった関係をなくしていこうという雰囲気に変わっていきました。
私が部長になってからはミーティングをよく開いたし、先輩・後輩でご飯を一緒に食べに行ったりしていました。ただ、部長という立場は嫌われ役にならざるを得ない部分もあったので、同期には「後輩との架け橋になってね」と伝えていました。そうしたことがうまくいったのか、今でも同期や後輩とは仲がいいですよ。ちなみに顧問の先生から声をかけていただいて、現在はコーチとして月2回ほど指導しています。改めて指導することの難しさを感じつつも、さまざまなことを学ばせてもらっています。
Aさん卒業してからも仲良く付き合っていける友人に出会える。それが順天ですね。
Aさん文化祭ですね。私は中2から高2までの4年間、実行委員として会場運営に携わり、3年目からはその部署を仕切る責任者になりました。設営や舞台機材の説明、来場者の誘導など、あらゆることを実行委員の生徒たちで行うのですが、ほかのメンバーに気持ちよく動いてもらうにはどうすればいいか、発表者である各部の生徒にいいパフォーマンスをしてもらうにはどうすればいいか……など、組織の長としていろいろ考えました。大変でしたがチームをマネージメントするということを、この経験を通して学ぶことができました。
また、各部に提出してもらった会場の使用計画の書類に基づいて、できること・できないことを説明して納得してもらうのも我々の仕事でしたが、時には「これは無理だけどこんな案があるよ、これだったらできるよ」といった提案力、交渉力も必要になってくるんですね。
順天は“自主性を育てる”ことを大切にしている学校で、文化祭実行委員というのは、まさにそれを体現する場。生徒が動いて物事を進めていくので達成感があって楽しかったし、成長できたと感じています。
Sさん中3と高1で行う「強歩大会」が印象に残っています。クラスの交流と防災への備えを兼ねて学校から葛西臨海公園までの約25㎞を、クラス単位で休憩をはさみながら6~9時間くらいかけて歩くのです。なぜ25㎞かというと、生徒の通学距離の平均値だからです。何かあった時に、学校から自宅まで歩いて帰れるようにするための練習です。みんなでおしゃべりしながら、つらい時には励まし合いながら歩くので、自ずと協調性が生まれ、仲良くなれるんです。普段なかなかできない経験という意味でも思い出深いですね。今はコロナの影響で中止になっています。
Yさん高入生の私たちにとっては、高1の5月に開催されるので友達づくりの場でもあります。大変だったけれど、強歩大会でクラスの皆と仲良くなれましたね。
Sさん同時に『スポンサード・ウォーク』の意味合いもあって、「強歩大会で25㎞歩くのですが、達成できたら私に寄付してください」というふうに両親や祖父母にお願いするんです。一口500円くらいだったと思いますが、寄付してもらって、そのお金を北区の障がい者支援団体とアフリカに食料を届けるNPOに寄付するという取り組みです。
Yさん思い出深い行事は、やはり体育祭です。野球部だったこともありますが、みんな体を動かすことが好きだから、クラス全員でさまざまな種目に取り組むのはとても楽しかった。そして何より体育祭は野球部員が一番輝ける場! 野球部は普段からよく走っているからリレー選手に選ばれることが多く、私は高3の時、色別対抗リレーに出場して1位でゴールテープを切りました。前の人が頑張ってくれたおかげですけど、気分は最高でした!
Sさん体育祭ではグラウンド整備も野球部がやってくれましたよね。
Yさんトンボ掛けやライン引きをやったり、砂埃がすごいから水をまいたり。昔から伝統的に野球部が体育祭のサポートをしていて、それは今も続いていますね。
Sさん高3の時の担任の先生は、いい意味で放任主義。いつも「自分のやりたいことをしなさい、好きな道に進みなさい」と言ってくれました。「特進クラス」には音楽や服飾、美術、あるいは留学など、さまざまな分野に進んだ生徒が多く、先生はそんな多種多様な生徒をとりまとめてくれて、自由にやらせてくれつつ最後には必ず手を差し伸べてくれました。
私は高3で国語の教員になると決めていて、最初は指定校推薦で共学の教育学部に進もうと考えていたのですが、「分野が決まっているなら、国語を専門的に学ぶ学部がいいのでは? 女子大は就職のサポートが手厚いなどメリットがたくさんあるよ」など、大学の情報を含めて指導していただきました。今の大学で自分の好きな学問を追求でき、夢に近づくことができているので、先生には感謝しています。
Yさん進路指導では、自分がめざしている分野である化学の先生にお世話になりました。教員をめざすにあたり、教育学部と専門学部のメリットの違いを教えてくれたうえで、私の希望をていねいに聞いてくださり、「それならば理科を専門的に学んだほうが教科指導に役立つよ」とアドバイスをいただいたおかげで今の学部・学科に決めることができました。
また、高校3年間担任だった日本史の先生は、生徒との適切な距離の取り方やメリハリのつけ方など学ぶことはたくさんあったと、教育実習生である今、改めて実感しています。その先生は社会人を経験してから教員になった方で、私たちが“初めての担任”だったのですが、熱血漢で決めたことはきっちりやる先生でした。一方で行事では一緒に盛り上がってくれるなど、メリハリの大切さも教えてくださいました。もともと日本史は得意ではなかったのですが、この先生の授業は面白くて日本史のテストは頑張りました。先生の力は偉大です。
Aさん進路指導で印象に残っているのは、高3の時の担任で現代文の先生です。「教員になるにはどの大学がいいのだろう」と迷っている時に、「どんな教員になりたいか、そうなるためにはどの大学がいいのか、というふうに考えてみたらどう?」とアドバイスをくださったんです。そして「教員になったらこの単元をどう教えるか、という観点から勉強をしてみなさい」と。このアドバイスは今も活きていて、現在それを考えながら教育実習に臨んでいます。
情報の先生にもとても感謝しています。実は私、文化祭の後夜祭で音響を担当したのですが、その際、大きな失敗をしたんです。その時に話を聞いてくれて、「演劇部の音響としてサポートしてくれないか」と、演劇部の顧問でもあったその先生は失敗した分野にあえて私を起用してくれたんです。そして効果音やBGMを私が組み立てたまま使ってくれ、おかげで自信が取り戻せました。それで演劇部に入ったんです。ちょうど受験生活でスランプに陥っていた時期でもあり、勉強にも生徒会にも身が入らなかったのですが、先生にチャンスをもらって演劇部に入ることになり、ようやくスイッチが入りました。それが“頑張って何かに打ち込む”という体験につながりました。
Sさん順天は温かくて、育てようとしてくれる先生が多いよね。
Aさん私の主免許は小学校教員で、現在教育学部で学んでいるのですが、原点は小学校時代にあります。実は小2から小4の頃いじめにあっていたのですが、5年生で担任の先生が変わったことで、クラスの雰囲気にも変化が生まれ、いじめがなくなったんです。そんなクラスのいい雰囲気を作ることができる先生ってすごいと思い、先生になりたいと思うようになったのが中2の頃。そして演劇部顧問の先生をはじめ、順天の魅力的な先生方との出会いも、教員になりたい気持ちを後押ししてくれました。
Sさん中2の時の古文の先生の授業が面白くて、「こんなにワクワクすることを教えられる教員になれたらいいな」と思ったのがきっかけです。その後バレーボール部の部長を経験して、「人の前に立って発信・指導する仕事が向いているかも」と思うようになり、教員になろうという気持ちが固まっていきました。国語は唯一、“昔の人”とつながることができる科目だと思っていて、正解がひとつではないところも魅力。どんな可能性や答えがあってもいい、自分を受け入れてくれる科目です。そんな魅力を教員になって生徒たちに伝えていきたいと思っています。
Yさん教員という職業を意識するようになったのは中3の時です。当時、野球部の部長を務めていたのですが、担任の先生が進路指導の際、「チームをまとめながらいろいろな部員といい人間関係を作っていくのが得意だから、教員も向いているんじゃないかな」と言ってくださり、自分でも向いているかも……と。理科に決めたのは高2の時です。理科は、実は私たちの普段の生活に最も身近な分野だと思うのですが、当時化学を教わっていた先生がそれをうまく伝えてくださる方で、「そんなふうに理科の魅力を伝えられる教員になりたい」と思いました。
部活動の顧問の先生方にも恵まれていて、厳しくも愛情をもって礼儀や人間性を育ててくれました。そんないい先生方に出会ってこられたので、教員になるという気持ちが確固たるものとなりました。
Yさん勉強にも進路指導にも、日常生活に対しても熱心な先生が多いところですね。人間としても成長させてもらえましたし、受験の知識も豊富な先生方なので、しっかりサポートしていただき、希望進路に進むことができました。いろいろな面で成長させてくれる学校です。
Sさんそう、何事に対しても先生方は熱心です。困ったことがあったら手を差し伸べて、全てを聞いてくれるし受け止めてくれる。部活動も勉強も、自主性を尊重してくれながら常にサポートの目をもち続けている。生徒のいいところを見てくれて、「苦手な部分はカバーして、伸ばしていこう」としてくれる先生が多いです。
Aさん先進的な教育が受けられる点も魅力です。例えば、早い段階でGoogle Classroom(※オンラインの授業支援ツール)を導入したり、ICT授業を行う専用スペースを『理軒館』に設置したり、どこまで達成できたかを評価するルーブリック評価の導入を試みたり、どんどん新しいことを取り入れる学校です。在校時は当たり前すぎて気づかなかったのですが、本当に先進的な教育を受けさせてもらっていたのだなと、卒業後、教育学部で学んでみて改めて実感しています。
生徒の声をしっかり聞き、きちんと答えてくれる学校でもありますね。例えば私たちが在学中、「ペットボトルの自販機を置いてほしい」と声をあげ、導入が実現したのですが、このケースのように生徒が学校に対して要望がある時は、その理由を論理立てて説明すると、協議の席にあげてくれるのです。同時にそれは、生徒の自主性がないとできないことでもあり、その自主性を育ててくれるのも順天の魅力。複雑化・高度化する社会において必要な資質、能力を身につけることができる学校です。
Yさん私は都外からの高入生で、自宅から遠い順天を選ぶことはある意味チャレンジでしたが、今言えるのは「自分の知らない世界に踏み込んでみると、新しい世界が広がっていくよ」ということ。受験生の皆さんには「自分のコンフォートゾーン(居心地のいい環境や精神状態)から踏み出してチャレンジしてみよう!」と伝えたいですね。
Sさん順天のクラス編成は幅が広く、いろいろあるのが特徴で、「理数選抜」のSクラスでは実験も研究もできるし、「英語選抜」のEクラスでは英語力を鍛えて留学もできる。専門性を追求できるので、「夢が決まっている人は順天に来て後悔することはないよ」と伝えたいですね。逆に夢が決まっていない人も、順天で学べばいろいろな経験を通してやりたいことがきっと見つかると思います。
Aさん順天は、将来の選択肢が広がる学校です。自主性を育ててくれながら、語学や探究、理系科目など専門的に学べると同時に、生徒の“あれもこれも学びたい”という要望にしっかり応えてくれます。ぜひ順天に入学して将来の夢を見つけてください。
この学校の掲載記事をピックアップしました。