進学なび

2021年9月

School Update
起て、進め! われら甲南快男児!
6年間で培われる“甲南スピリット”

クラブ活動が活発で、全国大会の常連クラブも数多く擁するが、実績を重視するのではなく、
あくまで教育目標にある「体」と、甲南らしい仲間意識を育む場として捉えている。
中学と高校を分けずに6学年が一緒に活動するところも同校らしい。

公開日2021/10/31

「私はあなたの意見には反対だ。だが、あなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」――哲学者・ヴォルテールの名言ですが、まさにそれを体現している学校が、甲南高等学校・中学校です。
 「世界に通用する紳士たれ」を教育理念に掲げ、育む資質を「徳」「体」「知」の順番とする強いこだわりを持つ同校。まず人としての「徳」ありきで、それを支える「体」があり、それらが備わってこその「知」であるという考えからです。伝統的な進学校でありながら、決してそのことに固執しないのも、“甲南スピリット”とでも称するべき、徳の高い人格形成を最重視するからなのです。 
 創立100余年、その校風に惚れ込む人は後を絶たず、生徒・保護者から教職員に至るまで、団結力と愛校心が非常に強いことでも知られます。たとえるなら、それは一つの“家族”なのかもしれません。
「男子校なので、特に中学1~2年生のころは良い意味で幼い面が目立ちます(笑)。でも、それでいいのです。本校ではまず、何でも言い合える人間関係をつくります。それが次第に『彼とは考え方が合わないな。でもそれはそれでいいことだ』という価値観が生まれ、互いを『一生の仲間』として捉え始めるのです」(入試広報部長・田村信平先生)
 また、甲南生には「頼みごとを決して断らない」という特徴があるそうです。仲間が困っていたら、自然と手を差し伸べる。そのようなルールや制度があるわけでもボランティア精神でもなく、息をするかのごとくそれができる関係性がつくられていると言います。
「こうした気風は“人としてのバランス感覚を大切にする”という本校の教育の表れでしょう」
 その姿勢は、学習にも色濃く表れています。たとえば大学受験を重視するなら、受験教科に特化した学びを実践するのも一つの学習のあり方ですが、同校ではあえてそれを行いません。体育・芸術など、受験に直接影響しない教科もきちんと学び、クラブ活動にもほとんどの生徒が参加しているのです。
「それらを“ムダなこと”だと思う生徒はいないでしょう」
 ICT技術が発達した現代、単に何かを学ぶだけであれば学校という“器”は必要ないのではないか、という意見も耳にすることがあります。しかし同校の存在や校風に触れると、改めて学校という存在の必要性を強く確信させてくれます。
 甲南だからできた経験、出会った仲間、生涯続く絆……。それらは生徒にとって間違いなく、一生の宝物になることでしょう。

「徳」「体」「知」を育む
独自の校風が高い支持を集める

近年、実施する学校が減ってきた臨海学校(甲南での名称は「臨海学舎」)だが、同校では健在。名物は遠泳で、泳げない生徒にも配慮した伝統的行事。

企業からのお題に基づき課題解決に臨む探究学習を実施。コンテストでは「コンビニエンスストアと町の史跡が連動し、地域活性を行うスタンプラリー」の企画が受賞を果たした。

理系教育における生徒の多様な興味・関心や知的好奇心に応えるべく、物理・化学・生物・地学それぞれの専門教室が設置され、ハイレベルな実験も多く行われている。

強い絆でつながる甲南生は
全員が生涯の仲間

コースは難関国公立大を目指す「フロントランナー」と甲南大を中心に難関大を目指す「アドバンスト」。中3からは留学志向の「グローバル・ファウンデーション」が加わる。入学後はフレキシブルにコース転籍が可能。同校ならではの仲間意識で、互いに刺激を与え合いながら自らの「生きる道」を見つけていく。全員が甲南の仲間であるという考えから1学年すべての教室が、必ず同一フロアに配置されていることも特徴。
「違うコースの生徒の顔と名前もよく知らないという、本校においてそんな人間関係はありえません」(田村先生)

定期的に行われる『高校生集会』で、「なぜ甲南に来たのか」について、ある生徒がこう発表した。
「父が甲南出身ですが、父が困っているときに甲南時代の仲間がたくさんかけつけて助けてくれたのを見ました。僕もそのような仲間がほしいと思ったからです」

医師、弁護士、経営者、自営業者……OBのネットワークも、人材の多様性も非常に豊富な同校。それを活かしてOBが講演やセッションを行ってくれるのが「OBワークショップ」だ。もちろん彼らも甲南愛のかたまり。忙しい時間の合間を縫って、「後輩たちのために」と喜んで馳せ参じてくれる。

学校の公式行事ではないものの、OBが主体となって行う「同窓会」も名物の一つだ。仲間たち、そして自分はどのように成長したのかを確かめ合う、恒例の場となっている。決して強制ではないにも関わらず、出席率はほぼ99%。この日のためだけに海外から駆けつけるOBも少なくない。

OBからのメッセージ★
甲南ボーイであることが今の自分の力に
松岡 大和さん<br />
(中高OB・ラグビー選手)<br />
天理大学ラグビー部では主将を務め、第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会で優勝。現在、トップリーグで活躍中。松岡 大和さん
(中高OB・ラグビー選手)
天理大学ラグビー部では主将を務め、第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会で優勝。現在、トップリーグで活躍中。

 現在の私をつくるにあたり強く影響したのは、やはり母校・甲南の仲間たち。それはラグビー部のつながりだけではありません。同じクラブの部員同士の仲が良く、常に固まって行動するケースはよくあることだと思いますが、甲南は決してそうではなかった。すべての生徒が「仲間」だという意識があります。普段の学校生活において、集団で活動することが多い学校だったからでしょう。
 ただ、それは与えられた受け身の集団行動ではありません。自分たちで「何を・どうするべきか」考えながら皆でつくりあげていくという、甲南ならではの文化の中で生まれる絆です。

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