ICTの積極活用
一人1台タブレット端末を所有し、ICT教育をサポートするプラットフォーム『Classi(クラッシー)』など、用途に応じたアプリを活用。
全員参加の語学研修に向けては、『オンライン英会話』や『スタディサプリEnglish』を日常的に使用し、
リスニング力とスピーキング力の強化を目指す。
また中2・中3は後輩に向けて、語学研修に関するプレゼンテーションを実施。表現力・発信力を磨く。
『総合的な探究の時間』の新プログラムを作り上げてきた探究コーディネーター・高向伴博先生。
「高校3年間を通して、単に自分の意見を主張するだけではなく、データの見方や活用法を学び、文章やプレゼンテーションに説得力を持たせることができる力を育てていきたいと考えています」
創立137年の伝統を誇るカトリックミッションスクールの大阪信愛学院。2018年の小学校共学化、2022年春の大学開学(共学)など、学院をあげて次代を見すえた教育改革に取り組んでいます。その一環として2022年度より、中学校・高等学校が共学校として新たな歩みをスタートさせます。宮本修三校長はその目的を次のように話します。
「多様な価値観を持つ人と協働する力、生きる力を備えた、次代を創造する人材を育てることを目的とした改革です。それは単に、共学化や新制服の導入など、見た目の変化だけにとどまりません。国際社会への貢献にもつながる、学ぶ力・心・姿勢という3つの要素の育成を柱とした、一人ひとりを大切にする伝統はそのままに、多様な価値観を持つ生徒が互いの特性を認め、理解・尊重し合い、切磋琢磨できる環境を整えることで、総合的な人間力と、さらなる高みを目指す姿勢を培いたいと考えています」
中学ではすでに、難関大学現役合格を目標に据えた『スーパー文理コース』、多様な進路に対応できる力を養成する『学際コース』の両コースにおいて、グローバル&英語教育、ICTを積極活用した教育、“体験”をキーワードとしたキャリア教育を導入し実践しています。『スーパー文理コース』では妥協せずに探究し続ける姿勢を育む“探究”の学びを、『学際コース』ではさまざまな分野にチャレンジし続ける姿勢を育む“探求”の学びを展開していることも特徴の一つ。次代を生きるために必要な力を培う環境が整えられています。
改革への熱い思いを語る
宮本修三校長。
そして今回の共学化にあたり特に注目すべきは、高校における改革です。
まずは、コースを再編します。国公立大学・難関私立大学を目指す『特進コース』、私立大学や新設される大阪信愛学院大学教育学部などへの進学を目標とする『総合進学コース』、看護医療系を目指す『看護医療コース』の3コース制となり、進路が明確化されました。
さらに探究型教育のさらなる充実化を推進します。2020年度より作り上げてきたプログラムを本格実施するとともに、『特進コース』『総合進学コース』では、次代について考える科目『未来探究』を新設。また3コース共通で新たに、英語によるプレゼンテーション能力など国際社会で必要なスキルの向上に重点を置いた科目『グローバル探究』を設置します。
「先の見えない社会において、自ら考え生き抜くための思考力・表現力・判断力を身につけさせたい」
と語る宮本校長。伝統と革新が融合した新しい大阪信愛学院に、期待が集まります。
高1哲学ワークショップ
高1チームビルディング
高2企業インターンワーク
高1は、集団づくり・仲間づくりを目的としたグループワークに取り組む『チームビルディング』や、「なぜ空は青いのか」といった素朴な疑問をテーマにレポートを作成し、クラス代表による校内プレゼン大会を開催する『哲学ワークショップ』、SDGsに関する探究活動などを展開。0高2の『企業インターンワーク』ではグループごとに企業を訪問し、与えられたミッションに挑戦。0学校代表に選ばれたグループはビジネスプランの全国大会に出場できる。0高3では集大成として、個々が自由にテーマを選び、卒業論文を執筆する。
中1イングリッシュキャンプ
中2ブリティッシュヒルズ語学研修(福島県)
英語を使う機会を増やして英語4技能をバランスよく伸ばすこと、視野を広げながらグローバル感覚を養うことを目的とし、3年間を通じて、国内外で全員参加の語学研修を実施。
「1年は大阪で1泊、2年は国内で2泊、3年は海外で3泊。
中1から段階的に外国人の方と交流する機会、多種多様な文化や価値観に触れる機会を重ねたうえで、
中3で台湾を訪れます(2021年はコロナで実施なし)」(中学主任・藤林好美先生)
農業体験
食を支える産業を知る『農業体験』では、農業に精通した教員の監修のもと、校内菜園にて野菜の栽培・収穫・試食を実施。
職業体験
2021年度よりスタートした中2の『職業体験』では、グループごとに企業を訪問・見学し、企業から出された課題に取り組み、企画からプレゼンテーションまでを行った。
大学体験
今年度から中3で実施。全員が文系学部と理系学部を訪問し、大学生とともに授業を受けたり、発表をしたり、刺激的な時間を過ごしたそう。
「共学化に向けて、消防士やパイロットなど、『職業体験』のバリエーションを増やすことを検討中です。将来的には、生徒が訪問したい機関・企業に自分たちでアポイントを入れる形にできればと考えています」(藤林先生)