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2026年4月号

中学受験特集

2026年首都圏中学入試はこうなった!~志望校合格をめざしてGO!~

「私立中高一貫校の改革」「大学入試改革」「受験生・保護者の価値観の変化」などにより、近年空前の中学受験ブームが続き、盛り上がりを見せている首都圏中学入試。
最新の動向や学校選びのヒントについて、ONETES(首都圏模試センター)の北一成氏、森上教育研究所の森上展安氏に伺いました。

森上教育研究所 所長
森上 展安

東京第一法律事務所勤務を経て都内で学習塾『ぶQ』を経営後、1988年に森上教育研究所を設立。中学受験、中高一貫校の中等教育分野を対象とする調査・コンサルティング、講演、執筆などを行う。

ONETES(首都圏模試センター)教育研究所長
北 一成

大手中学受験塾で広報や進学情報誌の編集などに携わる。その後、首都圏模試センター(現・ONETES)へ。私立・国立・公立中高一貫校などへの取材や、学校選び、合格へのアドバイスなどをテーマに保護者向け講演会などを行う。

私立・国立中学実受験生数は52,050名、受験率は18.06%
依然高いレベルをキープ!
「1人あたりの平均出願校数」もアップ!

2026年入試の「全体状況」を教えてください。

北氏 近年の首都圏中学入試の状況を見てみると、ONETES(首都圏模試センター)の推定では、2015年から2023年まで9年連続で私立・国立中学実受験生数(小6生のうち中学受験に挑んだ生徒の人数)、受験率(実受験生数÷小6生数×100)が上昇し続けました。2023年の実受験生数は52,600名、受験率は17.86%。その後、2024年は52,400名、18.12%、2025年は52,300名、18.10%と推移し、そして2026年は52,050名、18.06%と高いレベルを維持しています(グラフ1)。

森上氏 4年連続で52,000名を超える実受験生を集めているわけですから、中学受験への関心の高まりは依然続いていることは間違いありません。

私立中高一貫校に注目が集まっている「理由」は何ですか?

森上氏 予測がますます難しい時代を迎えています。つまり、自分が幸せになれるレールを自ら探し出せる“力”が求められています。そのため、さまざまな改革を推し進めている、多くの私立中高一貫校の存在感が高まっているのです。

北氏 グローバル教育をはじめ、理数・STEAM教育、探究学習、高大連携、加えてAIの活用などに関して、私学への期待がさらに大きくなっていると言えます。そのほか、コロナ禍での私学の機敏で十分な対応、大学入試改革もその背景です。

「合格率」「1人あたりの平均出願校数」について教えてください。

北氏 ONETES(首都圏模試センター)の推定では、合格率(総定員÷実受験生数×100)は男子が84.4%、女子が106.0%、男女合計で94.7%となっており、特に男子が厳しいです(表1)。その影響もあり、1人あたりの平均出願校数は、男子が8.00校、女子が7.50校、男女合計で7.76校と、近年上昇傾向となっています(表2)。

森上氏 加えて、後半戦の2月4日以降の受験者数も増加傾向となっているようです。魅力ある学校がますます増えています。チャンスを活かすために、ぜひ最後の最後までチャレンジしてほしいです。

グラフ1 過去41年間の首都圏私立・国立中学受験 実受験生数 推移 (数字は全て推定 2/12暫定版)

データ提供:ONETES(首都圏模試センター)

  • 実受験生数とは、小6生のうち中学受験に挑んだ生徒の人数。各校の各入試の出願者数・受験者数とは異なります。
    中学受験率(小6生数全体に占める中学実受験生数の割合)= 実受験生数÷小6生数×100
表1 首都圏私立・国立中学受験 合格率(2/12暫定版 数字は全て推定)

データ提供:ONETES(首都圏模試センター)

実受験生数(名)
2026
2025
2024
2023
男子
27,274
27,405
27,206
27,310
女子
24,776
24,895
25,194
25,290
合計
52,050
52,300
52,400
52,600
総定員(名)
2026
2025
2024
2023
男子
23,025
22,875
22,725
22,631
女子
26,273
26,022
25,771
25,663
合計
49,298
48,897
48,496
48,294
合格率
2026
2025
2024
2023
男子
84.4%
83.5%
83.5%
82.9%
女子
106.0%
104.5%
102.3%
101.5%
合計
94.7%
93.5%
92.5%
91.8%
表2 首都圏私立・国立中学受験 1人あたりの平均出願校数(2/12暫定版)

データ提供:ONETES(首都圏模試センター)

実受験生数・推定(名)
2026
2025
2024
2023
男子
27,274
27,405
27,206
27,310
女子
24,776
24,895
25,194
25,290
合計
52,050
52,300
52,400
52,600
のべ出願者数(名)
2026
2025
2024
2023
男子
218,105
210,066
199,696
189,188
女子
185,794
178,945
177,089
174,775
合計
403,899
389,011
376,785
363,963
1人あたりの平均出願校数・推定(校)
2026
2025
2024
2023
男子
8.00
7.67
7.34
6.93
女子
7.50
7.19
7.03
6.91
合計
7.76
7.44
7.19
6.92

実受験生は東京がやや増。神奈川は目立って減少か。
埼玉・千葉は前年なみ。
共学校と大学付属校の人気は継続

「地域別」ではいかがでしょうか?

北氏 都県別の実受験生数ですが、ONETES(首都圏模試センター)では、東京がやや増、埼玉・千葉が前年なみ、神奈川が目立って減少と推定しています。埼玉・千葉では地元志向が強まっている感じがします。

森上氏 これは全体的に見て、「中身の充実度や、それがわかりやすく保護者・受験生に伝わっているか」という面も背景にありますが、人口動態も影響を及ぼすようです(表3)。例えば、埼玉南部~東京北部や湾岸エリアなどは人口が増加傾向で、多くの魅力的な学校が注目を集めています。

北氏 埼玉南部~東京北部では、浦和実業学園(埼玉・共学校)、京華(東京・男子校)、北里大学附属順天、駒込、桜丘(以上東京・共学校)などが、湾岸エリアでは、かえつ有明、品川翔英、芝国際、青稜、日本大学第一、文教大学付属、安田学園(以上東京・共学校)などが人気を博しています。中堅~上位の改革派の学校が多いですね。「生き抜く力」を育んでくれる学校と言えます。

表3 2026年~2031年 首都圏小学6年卒業生数見込み

男子・女子・合計の単位:名 データ提供:ONETES(首都圏模試センター)

  男子 女子 合計 前年比
東京 2026 53,239 51,141 104,380 101.3%
2027 53,993 52,157 106,150 101.7%
2028 53,702 51,803 105,505 99.4%
2029 52,317 50,629 102,946 97.6%
2030 51,065 48,819 99,884 97.0%
2031 49,615 47,604 97,219 97.3%
  男子 女子 合計 前年比
神奈川 2026 37,861 35,608 73,469 97.8%
2027 37,755 36,079 73,834 100.5%
2028 37,279 35,623 72,902 98.7%
2029 35,844 34,284 70,128 96.2%
2030 34,981 33,310 68,291 97.4%
2031 33,474 32,299 65,773 96.3%
  男子 女子 合計 前年比
千葉 2026 25,747 24,416 50,163 98.9%
2027 25,879 24,490 50,369 100.4%
2028 25,435 24,629 50,064 99.4%
2029 24,547 23,612 48,159 96.2%
2030 23,967 22,893 46,860 97.3%
2031 23,187 22,310 45,497 97.1%
  男子 女子 合計 前年比
埼玉 2026 30,679 29,482 60,161 100.1%
2027 30,453 29,141 59,594 99.1%
2028 30,398 29,039 59,437 99.7%
2029 29,357 27,726 57,083 96.0%
2030 28,251 27,195 55,446 97.1%
2031 27,328 26,475 53,803 97.0%
  男子 女子 合計 前年比
合計 2026 147,526 140,647 288,173 99.7%
2027 148,080 141,867 289,947 100.6%
2028 146,814 141,094 287,908 99.3%
2029 142,065 136,251 278,316 96.7%
2030 138,264 132,217 270,481 97.2%
2031 133,604 128,688 262,292 97.0%
「中学校を開校した学校」や「共学校化した学校」について教えてください。

森上氏 2026年から、浦和学院(埼玉・共学校)、羽田国際、明星Institution(以上東京・共学校)が中学募集を開始し、英明フロンティア(旧・東京女子学院/東京)、鎌倉国際文理(旧・鎌倉女子大学/神奈川)、明治大学付属世田谷(旧・日本学園/東京)が共学校化しました。6校とも多くの受験生を集めています。また、2027年から共学校化する藤村女子(新校名・吉祥寺湧水/東京)も注目を集めました。
 埼玉南部~東京北部、湾岸エリアの人気校も多くが共学校です。共学校人気が続いているようです。

北氏 そのほか近年人気を得ている共学校は、東京ではサレジアン国際学園、サレジアン国際学園世田谷、成立学園、千代田、東京都市大学等々力、東京農業大学第一、三田国際科学学園など、神奈川では桐蔭学園、桐光学園(別学校)、横浜翠陵、横浜創英など、埼玉では開智未来、埼玉栄、昌平、西武学園文理、細田学園など、千葉では光英VERITAS、昭和学院、千葉明徳、八千代松陰、流通経済大学付属柏などです。いずれも特色豊かな改革派です。
一方難関校は、ここ数年安全志向から人気がやや低下傾向でしたが、人気を得ている学校が少なくなく、チャレンジ志向がやや回復しているのかもしれません。

森上氏 ところで、今や首都圏を代表する私学、例えば攻玉社、本郷(以上東京・男子校)、鷗友学園女子、吉祥女子、豊島岡女子学園(以上東京・女子校)、逗子開成(神奈川・男子校)、洗足学園(神奈川・女子校)などは、いずれの学校も迷いのない改革を進めてきた印象です。そうした確固たる姿勢が評価されたのではないでしょうか。多様な入試でさまざまなタイプの生徒が入学することで学校を変えていったというのも、一つの共通点だと思います。

北氏 そうですね。例えば洗足学園は、帰国生入試を積極的に導入しつつ2科入試も長らく継続し、受験生に対する門戸を大きく広げてきた学校です。そういう意味では「新タイプ入試」のパイオニアとも言えます。今年は“サンデーショック”の機に入試回数を減らして、2月1日の受験者数を増やしています。また、もともと歴史を誇る伝統校には魅力あふれる学校が揃っていますので、積極的な情報発信によって各校のもつ良さをアピールできたことも大きいでしょう。

内進率が高い「大学付属校」の状況はどうなっていますか?

森上氏 2026年に注目を集めた大学付属校は、男子校では学習院、早稲田(以上東京)など、女子校では日本女子大学附属(神奈川)などです。共学校では慶應義塾中等部、日本大学第一、明治大学付属八王子、目黒日本大学、早稲田実業学校(以上東京)など、慶應義塾湘南藤沢、東海大学付属相模、日本大学(以上神奈川)など、東海大学付属浦安(以上千葉)などです。

北氏 早慶の付属校の人気は高位安定ですが、MARCHの付属校は各校の難化傾向もありやや敬遠されているようです。一方で、日本大学・東海大学の付属校が注目されています。2大学とも理系学部が充実しており、将来の選択肢が豊富なことも背景でしょう。

今回の“サンデーショック”で
保護者・受験生の価値観の変化がより顕在化

2026年は2月1日が日曜日で、いわゆる「サンデーショック」の年でした。

森上氏 元々2月1日に入試を実施しているプロテスタント校、女子学院や立教女学院、東洋英和女学院A(以上東京・女子校)、横浜共立学園A(神奈川・女子校)などが、2日へ移動しました。その影響で1日校の桜蔭、雙葉、鷗友学園女子➀、吉祥女子➀、香蘭女学校➀、頌栄女子学院➀、大妻➀、共立女子A、山脇学園A(以上東京・女子校)、フェリス女学院、洗足学園➀(以上神奈川・女子校)、早稲田実業学校の女子、広尾学園➀の女子(以上東京・共学校)など、多くの学校が人気を得ました。
 一方、2日へ移動した女子学院や立教女学院、東洋英和女学院A、横浜共立学園Aなどは人気を博しましたが、元々の2日校の多くは受験者を減らしました。

北氏 サンデーショックの年は通常とは異なる併願を組むことができます。前回2015年のサンデーショックでは、例えば女子学院が第1志望の場合、「1日が桜蔭・雙葉-2日が女子学院・フェリス女学院」といった併願が多かったと思います。今回の1日の受験校は、ほかの女子校や共学校など多岐にわたっているようです。それだけ、「わが子に合った学校」へ進学したいという保護者の思いがより高まっているのでしょう。
 また、今回のサンデーショックで、ミッション校の魅力を改めて認識した保護者・受験生が多かったようです。サンデーショックの影響もありますが、各校の全入試回合計の受験者数を見てみると、カトリック女子校では晃華学園(東京)など、カリタス女子、湘南白百合学園、聖セシリア女子、清泉女学院(以上神奈川)など、プロテスタント女子校では女子聖学院、玉川聖学院、普連土学園(以上東京)など、捜真女学校、横浜女学院(以上神奈川)なども注目を集めました。

2026年の主な入試要項変更を教えてください。

森上氏 コース制を廃止したのは東京都市大学付属(東京・男子校)、麗澤(千葉・共学校)、入試日程では和洋国府台女子学院(千葉・女子校)が2月5日に入試を設定、入試科目では攻玉社(東京・男子校)が特別選抜(算数)に国語を追加し「算数または国算」へ。また、東京都市大学等々力(東京・共学校)は一部の入試を「4科」から「2科・4科選択」へ変更しました。そのほか、頌栄女子学院、白百合学園(以上東京・女子校)、フェリス女学院(神奈川)が面接を廃止。複数回受験者に対して得点加算する学校もあり、受験生にとって受験しやすい環境がさらに整ってきたと思います。

北氏 さらに、得意科目入試も増加傾向で、英語資格入試を取り入れたのは頌栄女子学院(東京・女子校)など、光英VERITAS(千葉・共学校)は「算数1科」入試を、東京都市大学付属は「国算または算理」入試を導入しました。
 一方、新タイプ入試数は安定してきましたが、手応えを感じている学校がそのバリエーションを増やす傾向があります。プレゼン型やグループワーク、探究、プログラミングなどは増えていて、受験生から注目されています。わが子の長所や資質、可能性を評価してもらいたいという保護者は多いと思います。

楽しい学校生活が想像でき
将来の夢を描けるような学校を見つけよう

最後に受験生・保護者にメッセージをお願いします。

森上氏 今後私学は大学との連携がますます強まる可能性がありますが、一方で学校の特色をより明確にする学校が増えると思います。当たり前のことですが、わが子に合った学校を選択してください。例えば「共学の進学校がいい」という固定観念で、男子校・女子校へ目を向けないのは避けましょう。また、どこの学校でも生徒の主体性を重視していますが、その温度差はあります。家庭で行う課題の量なども調べてみてもいいかもしれません。

北氏 小学校では2030年から、中学校では2031年から全面実施される予定の次期学習指導要領の方向性が、明らかになってきました。その影響もあり、私学の改革がさらに推し進められていくでしょう。一方、私学の情報発信の量・質はますます高まっています。進学塾や受験情報誌からの情報も大切ですが、学校からの発信を積極的に入手して、実際に学校へ足を運び「わが子に合っているか」を肌で感じることが重要です。偏差値や大学進学実績、ブランドはもちろん、周りの評価などに惑わされないようにしましょう。

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