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2025年11月号

気になる難関校を徹底取材
私学中等教育の魅力

渋谷教育学園幕張中学校・高等学校

校長 田村 聡明  先生

千葉県千葉市・共学校

倫理的な軸をもちながら
自ら調べ、自ら考える力を育てていく

渋谷教育学園幕張は1983(昭和58)年、「次代を担う人材を育成したい」という思いのもとに創立されました。以来、「自調自考の力を伸ばす」「倫理感を正しく育てる」「国際人としての資質を養う」という教育目標を掲げ、互いを尊重し合い、多様性を認めながら、新たな課題解決に挑む人間教育に力を注いでいます。開校から42年を経た今、その理念は生徒のなかにどのような形で根づいているのか、田村聡明校長にお話を伺いました。

渋谷教育学園幕張中学校・高等学校 校長
田村 聡明(たむら・としあき) 先生

1968年、東京都生まれ。
1991年慶應義塾大学経済学部卒業後、
三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行。
2003年7月より渋谷教育学園幕張中学校・高等学校副校長、
2022年4月より校長を務める。
創立者の田村哲夫氏は田村聡明氏の父。

この時代にいっそう深い意味をもつ
「自調自考」の精神

貴校が掲げる教育目標の「自調自考」についてお聞かせください。

 文字通り「自らの手で調べ、自らの頭で考える」という意味で、“調と考”は何事にも主体性をもって取り組むことを表しています。開校以来、本校が最も大切にしてきた理念です。これは勉強に限らず、行事や部活動など、あらゆる活動に通じており、創立者である学園長・田村哲夫の願いを込め、教室やグラウンドの石碑など、至る所に「自調自考」の言葉を掲げ、すでに学校全体に深く根づいています。

 この理念を形にした学びの一つが、高校生が取り組む『自調自考論文』です。高1の最初にオリエンテーションがあり、生徒一人ひとりが自分の興味・関心のあることを起点にテーマを見いだし、1年半かけて深く掘り下げ、高2の夏休み明けに論文として提出します。生徒たちには学問や真理の探究を通して「正しさとは何か」を敏感に捉え、論理的に分析し、一つの結論や最も適切な解決策に絞り込んでいく過程そのものを大切にしてほしいと考えています。

 また、本校は課外活動も活発で、学外の大会やコンクールなどへ積極的に挑戦する生徒が多数います。学外での活動は視野を広げるという意味においても大きな刺激を得られますから、学校も積極的に推奨しています。

 技術革新やグローバル化の進展、多文化共生など、変化の激しい時代に不安を抱く保護者もいらっしゃいますが、そうした時代を生きていくには視野を広くもち、自ら考え、行動する力が求められます。課題を見いだし、解決策を考え、自ら行動する主体性を育む活動を経験している今の子どもたちの活躍の場は、将来的にはむしろ広がっていると思うのです。私は中高時代に「自調自考」の精神を培うことが、自らの人生を切り拓くエネルギーの源泉と捉えています。

“渋幕的”な自由と高い倫理感

もう一つの教育目標である「倫理感を正しく育てる」という点についてはいかがでしょうか。

「自調自考」を突き詰めることは大切ですが、自分の考えに没頭しすぎると独りよがりに陥る危険性があります。そこで欠かせないのが、「命を大切にする心」「高い倫理感」、そして「社会との関わりを意識する姿勢」です。本校では『学園長講話』などを通して、こうした視点を繰り返し生徒たちに伝えています。

 特に今年は戦後80年という節目の年にあたります。そこで「なぜ戦争を避けなければならないのか」「なぜ人類は過ちを繰り返してしまうのか」という、戦争がもたらす悲劇に思いを巡らせることがとても重要であると考えています。グローバル化が加速する現代社会において、道徳教育の意義はいっそう重要性を増しているのです。

「なぜそれが正しいのか」「なぜそうせざるを得なかったのか」物事を一面的に捉えるのではなく、その背景にあるものや多様な立場から考える視野をもつことが必要で、「嫌だな」と感じることにも向き合い、どう判断し、どう行動するかを考え抜く。その姿勢こそが社会で責任ある行動をとるための基盤となります。

 これは『自調自考論文』にも直結しています。論文は一人ひとりの興味・関心を出発点としていますが、単なる自己主張ではありません。多角的に調べ、社会や他者との関わりを踏まえて論じることが求められています。その過程で、倫理的な軸をもちながら「自由に考える力」が養われていくのです。

 この「自由に考える力」とは、既存の枠にとらわれず、自分の頭で深く探究し、新たなアイデアや視点を生み出す能力のことです。本校は自由な校風に特徴があります。そこでの自由とは「何をしてもいい」というものではなく、責任や倫理に裏づけられた自由です。つまり、個人の行動が社会や他者への配慮(責任)と、普遍的な道徳的基準(倫理)に沿っていることを意味します。自由な校風は本校の生徒会活動や行事、クラブ活動にも見られ、仲間を尊重しながら自分たちでルールをつくり、自由と責任を両立させようとする姿勢が育まれています。

生徒との接し方で心がけていることはありますか。

 本校は、教員が一方的に指導する学校ではありません。生徒からの声が活発で、学校の在り方や活動について私に直接意見を述べる生徒も多くいます。そこで私はまず耳を傾けます。すぐに否定するのではなく、「本当にその生徒にとっていいことは何か」を考えるのです。

 生徒が自ら考え、提案することに失敗もありますが、それでも学校として「やらせてみる」姿勢を大切にしています。直面する困難や失敗は、教員にとっても学びの機会。その過程を重視し、そこから学ぶ姿勢をもつことで真の学びにつながり、主体性が育まれるのです。こうして生徒と教員が互いに影響を受けながら成長し、学校自体も進化していくこれこそが、本校がめざす教育の形です。

 自由な発想で活動することには必ず責任も伴いますが、生徒はそのことをしっかり理解しています。倫理感や社会性を意識しながら自分たちで考え、行動する経験こそが、「人としてどう生きるか」という根幹を育むのだと思います。

中高時代に培う倫理感と責任ある自由が
「人としてどう生きるか」の根幹になる

単発で終わらせない
国際会議の継続

5年間のSGH(スーパーグローバルハイスクール)の成果について教えてください。

 2014年に文部科学省よりSGHの指定を受け、2018年の指定最終年度には、渋谷校(通称「渋渋」)と共に国際会議『Water Is Life』を開催しました。これは世界各国のトップレベルの高校生が一堂に会し、“水問題”について議論を深める場です。SGHの指定期間は5年間で一区切りとなりましたが、私たちは活動を単発で終わらせるのではなく、継続していくことに意義があると考えています。そうした思いのもと『Water Is Life』は現在も各国の学校が持ち回りで主催しており、2024年にはカナダの Oak Bay High School で開催されました。本校からも高校生2チームが参加し、それぞれが質の高い研究成果を堂々と発表してくれました。

 また、海外大学進学も着実に広がっています。現在では世界のさまざまな地域に本校の卒業生が在籍しており、留学生同士のネットワークもごく自然にできあがっています。アメリカが中心ですが、ドバイの大学に進学した生徒もおり、在学中に『アラブ同好会』を立ち上げるなどユニークな活動を展開していました。こうした多様な進路選択は、今後ますます広がりを見せると思います。

多彩な活動に挑戦し
学業との両立を楽しむ

卒業生の進路について、どのような傾向が見られるでしょうか。

 本校には国公立大学、特に東京大学を志望する生徒が多く在籍しており、医学部への進学者も少なくありません。そのため一般選抜に向けた基礎的な教科学習を重視するとともに、主体的な学びを支える仕組みとして、図書館のラーニングコモンズを積極的に活用しています。そこでは生徒が自由に話し合ったり、調べ学習や自習に取り組んだりする姿が、休み時間や長期休暇中にも見られます。

 中高時代は勉強と同時に多彩な活動に挑戦し、両立を楽しむことを大切にしてほしいと考えています。先ほどもお話ししましたが、本校は課外活動も盛んで、生徒が自らの意志で参加しています。そういう生徒は学業との両立もしっかりできており、非常に誇らしく思います。

姉妹校である渋谷校との違いはどんな点でしょうか。

 幕張校は広大な敷地を有し生徒数も渋谷校より多いですから、部活動や行事がとても盛んです。スポーツフェスティバル(球技大会を含む)などでは大いに盛り上がり、特にリレーでは真剣勝負を楽しむところに“幕張らしさ”が表れていると思います。一方、制服の着こなしなどには双方とも校風の違いが表れており、それぞれに独自の文化が形成されています。

受験生へのメッセージ

中学受験生には、どのような姿勢で勉強に取り組んでほしいとお考えでしょうか。
そして中高時代はどのように過ごしてほしいと思われますか。

 子ども時代にしかできないことに、ぜひ挑戦してほしいと思います。その経験は必ず知識や力となり、将来に役立つでしょう。なぜなら知識と経験の蓄積は無駄になることはなく、次のステップへの確かな土台となるからです。第一志望校に限らず、どの学校でも本気で取り組めば得られるものは大きいはずです。勉強は大変かもしれませんが、オンとオフを切り替えながら、全ての経験を前向きに受け止めてください。その積み重ねが次のステージへの大きな力になることを信じています。

渋谷教育学園幕張中学校  

〒261-0014 千葉市美浜区若葉1-3
TEL:043-271-1221

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