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2025年8月号

気になる難関校を徹底取材
私学中等教育の魅力

女子学院中学校・高等学校

院長・校長 鵜﨑 創  先生

東京都千代田区・女子校

対話を重ねて自分の軸を育む女子学院の6年間

キリスト教に基づく価値観を基盤に、自分を見つめ、自分とは異なる意見を尊重することで、多様性の大切さを学んでいく生徒たち。「ごてんば教室」や「修養会」などの宗教行事、日々の授業や友人との対話を通して多様な考えに触れ、自分の言葉で語る力を培っています。他者との違いを認め合う環境のもと、生徒たちはどのように自分の軸を育んでいるのか、院長・校長の鵜﨑 創先生にお話を伺います。

女子学院中学校・高等学校 院長・校長
鵜﨑 創(うざき・はじめ) 先生

1964年、東京に生まれる。群馬県の新島学園中学校・高等学校に学ぶ。
1983年、国際基督教大学(ICU)に入学し、化学を専攻。
1987年卒業後、民間企業で感光材の開発と研究に従事。
その後、米国で在外教育施設テネシー明治学院高等部の設立に携わり、同校理科教諭。
2001年より2015年まで恵泉女学園中学・高等学校に勤務。その間、教務部長、副校長を歴任。
2016年女子学院院長・校長に就任、現在に至る。

対話を重ね
自分の価値観を育てる

キリスト教精神を基盤とする、貴校の教育内容についてお聞かせください。

 女子学院の教育の根底にあるのは、「神に愛されるかけがえのない存在である」というキリスト教精神です。この考え方に支えられ、生徒たちは毎朝の礼拝や週1回の聖書の授業、そして学年ごとの多彩な行事を通じて、他者と語り合いながら自らの生き方について深く考える経験を積んでいきます。その代表的な機会が、中2の「ごてんば教室」と高3の「修養会」です。双方とも2泊3日の日程で御殿場にある学校施設等に宿泊し、牧師先生などを講師に迎えて社会問題や人間の在り方について語り合うというもので、生徒たちは中高6年間のなかで「話し合うこと」を当たり前の姿勢として成長していきます。特に高3で実施される「修養会」はテーマ設定から講師の選定、当日の運営に至るまで生徒主体で行われ、3日間かけて夜遅くまで真剣に語り合うことで、自身の価値観と将来の在り方を見つめ直す場となっています。

 春休みには学年を越えた有志による「春の修養会」も実施しています。中高生に加え、卒業したばかりのОGも参加し、年齢の枠を越えた対話が展開されるなか、先輩の姿を見て学んだ中1生が、翌年の「ごてんば教室」でリーダーを務めるという好循環も生まれています。

“話し合いを大切にする文化”は、どのようにして育まれているのでしょうか。

 本校では、授業においても中1から日常的に「話し合う」「発表する」ことが求められます。最初は一方的な発言でも、次第に「相手の意見をまず受け止める」「なぜそう考えるのかを問い返す」といった対話の深まりが育まれ、論理的に考え自分の意見を整理する力は、レポートや作文の機会を通しても磨かれていきます。重要なのは他者の意見を取り入れ、自分の考えをブラッシュアップすること。異なる価値観との出会いが内面を揺さぶり、変化を生むのです。

 こうした生徒の成長を支えているのは、聞く側の力でもあります。生徒たちは皆、授業や行事などを通して発表者としての経験を積んでいきます。経験したからこそ、「もし自分が話し手だったら、どう聞いてほしいか」と、相手の立場を想像する力が自ずと育まれ、その結果、互いの言葉に真摯に耳を傾け尊重し合う姿勢が学校全体に確かな形となって根づいていくのです。

 意見を否定されることなく「受け止めてもらえる」という安心感があるからこそ、生徒たちは臆せず自分の考えを口にすることができます。そして何よりも、そうした信頼の空気を生み出し支えているのが生徒自身であり、生徒間に築かれた対話の文化が、学びをより深いものへと導いているのです。

「別学」という
特別な環境がもたらす“自分らしさ”

共学化が加速するなか、女子学院は150余年にわたり別学を維持し続けています。
そこにはどのような意味があるのでしょうか。

 本校が一貫して女子校という環境を維持している理由の一つに、性差を意識せず、自分自身として生きられる場を大切にしていることが挙げられるでしょう。教室に男子がいないため女子であることを特別に意識せず、一人の人間として自然に振る舞える環境が整っています。個として自分を見つめ、互いの違いを認め合う姿勢が育まれやすい点が女子校ならではの強みです。

 社会へ出る準備を早く進めることが目的であれば共学という選択肢もありますが、中高6年間という特別な時期に、あえて隔絶された空間で過ごすことで内面の理解が深まり、守られた環境のなかでこそ声を自由に発し、他者と言葉を交わし、対話を通じて価値観が磨かれていきます。

 別学だからこそ、「的外れでも否定されない」「発言しても大丈夫」という安心感のある文化が、6年間の空気感として校内にしっかりと根づいているのだと思います。ガードを外して弱みをさらけ出せる関係性のなかでこそ、本質的な対話が生まれるのです。

本質的な対話を重ねることで学びが深まり
話し合いを通じて価値観が磨かれていく

レールを敷かず
“自分の軸”を育てる6年間

女子学院の教育は、どのような価値観に支えられているのでしょうか。

 中学受験を通して子どもたちは成績で評価される世界に身を置き、知らず知らずのうちに競争のなかに巻き込まれていきます。しかし、本校に入学してまず教えられるのは、「成績だけで評価される場所ではない」という考え方です。勉強ができるかどうかではなく、一人ひとりが自分の居場所を見つけて、自分らしく過ごせるようにと、中1の最初にその価値観をしっかりと伝えています。

 学校生活において学習面での評価は行いますが、順位をつけることはしません。何かについて特別に長けている必要はなく、さまざまな個性があるなかで一人ひとりがそのままで尊重され、「あなたはその存在自体が素晴らしい」と感じられることに本校での学びの意義があると考えています。 

 大切なのは「損か得か」ではなく、「自分はどう生きたいか」を問うこと。中高時代は損得を抜きにしてピュアに選択できる貴重な時期です。その核となる価値観を育むことこそ、女子学院がキリスト教精神のもとで果たしている使命なのです。

中高6年間を通して、生徒のどういった成長を大切にされているのでしょうか。

 自分の能力は、自分のためではなく、他人のために使ってこそ真価を発揮する。そうした考え方が本校の教育の根底にあります。だからこそ生徒たちには、「自分に何ができるのか」と悩む時間を大切にしてほしいのです。そのうえで、「いざ何かをしなければならない」という状況に直面した際に確かな力を発揮できるよう、しっかりと準備をしておくことが求められます。

 すぐに答えを出したり、大きなことを成し遂げようとしたりする必要はありません。中等教育期は力を蓄える充電期間です。そうした姿勢はカリキュラムにも表れており、徹底して基礎学力の充実が図られています。高3で文系・理系の進路に分かれますが、それまでは区別なく、どちらにも対応できる力を養えるようにしています。学力とは人のために力を尽くす土台であり、誰かの役に立てる存在となるためにこそ培うもの。そうした視点に立ち、確かな力を育んでいきたいと考えています。

進路や将来について、貴校ではどのような姿勢で生徒を支えているのでしょうか。

 その道の頂点やナンバーワンをめざすことよりも、本校で大切にしているのは、「与えられた役割を真摯に果たす」「自分にできることを考える」です。その価値観は卒業生の歩みからも見て取れます。著名になった方だけでなく、子育てに心を尽くす方、地域に根ざした活動に携わる方、目立たぬところで地道にボランティアに励む方など、進む道は実に多様です。しかしどのような道であっても、それぞれがかけがえのない尊い働き手であり、優劣をつけることなく同じ価値観をもつ者として捉えられています。

 そうした考えは進路指導にも表れており、特定の大学や学部に誘導することはなく、選択にバイアスをかけない姿勢を貫いています。高大連携も幅広い機会を提供しつつ、特定の大学や学部に偏らないように心がけ、あくまで生徒自身が主体的に選ぶ姿勢を大切にしています。

 また、模擬国連大会や各種コンテスト、海外研修・留学への参加も学校が主導するのではなく、個々の希望に応じてサポートするというスタンスです。結果として一般選抜を中心に、総合型選抜(旧AO入試)や特色選抜(学力試験だけでなく特定のスキルや意欲をもつ学生に向けて実施される選抜方法)を含め、生徒たちはそれぞれの価値観に沿った進路を選び取っています。

中学受験の志望校を選ぶうえで、どのような視点を大切にすべきでしょうか。
読者の皆さんにアドバイスをお願いします。

 受験は一つの競争ではありますが、学校選びは「やりたいこと」「行きたい学校」へ素直に向き合うことが何よりも大切です。本校はお子さんを既定のレールに乗せる学校ではありません。6年間で芽吹いたものを大切にし、そこから未来を切り拓いていく学校です。保護者の方には今「こうあってほしい」という願いだけでお子さんを見ず、一人の人間として歩もうとするその姿を信じて見守っていただければと思います。

女子学院中学校  

〒102-0082 千代田区一番町22-10
TEL:03-3263-1711

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