駒場学園高等学校の部活動は多彩です。運動部は硬式・軟式野球、テニス、バスケットボール、バレーボール、ダンスなどお馴染みの部活動に加え、「釣り部」や「ダブルダッチ同好会」など。文化系は軽音楽、吹奏楽、演劇、美術、コンピュータなどに加えて“キッチンカー”を運営する「食品研究部」や、アメリカンフットボール、サッカー、新体操、チアリーディング、野球、スケートは強化指定部です。今回はスケート部を取材。同部はインターハイ全国優勝9回という実績があります。
駒場学園高等学校の部活動は多彩です。運動部は硬式・軟式野球、テニス、バスケットボール、バレーボール、ダンスなどお馴染みの部活動に加え、「釣り部」や「ダブルダッチ同好会」など。文化系は軽音楽、吹奏楽、演劇、美術、コンピュータなどに加えて“キッチンカー”を運営する「食品研究部」や、アメリカンフットボール、サッカー、新体操、チアリーディング、野球、スケートは強化指定部です。今回はスケート部を取材。同部はインターハイ全国優勝9回という実績があります。
現在、8名が所属するスケート部の部員たちは、それぞれの所属リンクで毎日練習をしています。「明治神宮外苑」、「新横浜」、「東伏見」、「立川」、「江戸川」などのスケートリンク営業時間外に練習を行うため、練習時間は早朝や深夜に及ぶことがあります。それでも「全日制の高校で勉強しながらフィギュアスケートをしたい!」という強い思いを抱く部員たちが、「駒場学園スケート部」としてインターハイに出場しているのです。
部活動として練習できるのは、月1回の1時間。限られた時間を有効に使うため、自主練習が始まります。取材当日はインターハイ予選が始まる1週間前。「トリプルアクセル」や「4回転」を次々と決めていく姿に、個々の高い技術が感じられます。普段は違う場所で練習し、海外の試合にも出場。ときにライバル同士にもなる部員たちですが、部活動として集結すると、テストのこと、勉強のこと、行事のこと、個性豊かな先生のことなど、普通の高校生の会話を楽しんでいます。
寺沢智貴先生(地歴公民科)フィギュアスケートの世界は小学校入学前からキャリアをスタートさせる選手が多く、普段はスケートリンクがある限られた施設や場所で練習しています。スケート部に8人が所属しているのは珍しいケースだと思います。本校のスケート部に入部するための条件は、競技スキルの向上だけでなく、“全日制の学校で学ぶ意義を感じ、高校の友人関係を構築するのも大切”と考えていることです。早朝から、あるいは夜遅くまで練習をし、1年を通じてほぼ休みがない生活を送るわけですから、全日制の高校に通うのは厳しいかもしれません。なかには通信制の高校で学ぶ選手がいるのも、この世界の特徴です。それでも勉強と両立させて高校生活を送る覚悟があることを、本校では重視しています。
よく「駒場学園スケート部の生徒は登校していないのでは?」と聞かれることがありますが、皆しっかり登校し、学校行事にも参加します。提出物もきちんと出しますし、クラスでトップの成績を収めている部員もいます。それぞれがリンク→学校→リンクという移動時間やスキマ時間を使って勉強しています。試合などのスケジュールの関係で、全ての行事に参加できない場合もありますが、先日の文化祭などは、クラスメートと楽しみながら企画に参加していました。
インターハイでの連勝から「強い生徒をスカウトしているのでは?」という声をいただくこともありますが、本校はこれまで一度もスカウトを行ったことがありません。全日制の学校で、スケートにしっかり向き合いたいという気持ちを持って入ってきてくれる生徒を大切にしており、その思いを尊重しています。
スケート部では、“仲間とともにインターハイで勝つ”という目標を共有し、先輩が後輩を支えながら、全員で成長していく文化が根づいています。特別なことをしているわけではなく、他の部活動と同じように、大会には顧問の私が引率し、演技を終えた生徒も仲間の演技を真剣に応援する——こうした自然な一体感こそが、駒場学園の強さの源だと思っています。
井瀧梨杏さん(高3)
私は6歳でスケートを始めてからずっと、勉強とスケートの両立を心がけてきました。駒場学園は“両立が叶う学校”です。毎回の授業をしっかり受け、移動時間や練習の合間はノートなどを見直すようにしています。好きな教科は社会科で、歴史を学びながら過去の人たちの考え方や価値観を知るのが楽しいです。将来は文学部で哲学を学びたいと思っています。
駒場学園スケート部には、技術のレベルもフィギュアスケートの級(※)も違う部員が集まっています。本来個人競技ではありますが、団体戦が強いのは、お互いを尊重し合い、何でも話せる信頼関係が構築されているからです。普段は別々のリンクで練習し、ライバルになることもありますが、週1回は学食で一緒にご飯を食べるようにしています。
部員のスケジュール管理をするのが部長としての役割です。私が1年生の時、先輩には何でも相談できたので、私もそうなりたいと思っています。得意なこともそれぞれですし学年も違うけれど、一緒に練習できる時はスケート以外の話もたくさんします。インターハイに向けて、それぞれが自己ベストを更新しながら一つになって臨みたいと思います。
※フィギュアスケートの競技会に出場するためには、年齢による制限のほかにバッチテストで得られる級が必要で、初級から8級まであります。オリンピックに出場するためには7級以上が必要。
鍋島咲稀さん(高3)
私は「KGサーキュレーション委員会」に所属して、循環型制服の取り組みに関わっています。これは卒業生から寄付された制服を繊維にまで戻して新しい制服に再生させる取り組みで、現在、2年生がその制服を着用しています。文化祭では循環型制服を知ってもらうために、“綿が水を弾く”体験ができるワークショップを実施しながら、綿や糸にした制服を紹介しました。
フィギュアスケートは朝早くから夜遅くまで練習があります。委員会に関わって、文化祭の準備もして、勉強もして……という学校生活はとても忙しいですが、スケート以外の友達もできてとても充実しています。
循環型制服の取り組みからSDGsに興味をもったので、将来は国際系の学部に進学し、いろいろな国の言語、文化、価値観などを学びたいと思います。今は目前にあるインターハイ予選に全力を注いでいます。
久徳芽々さん(高1)
普段は江戸川のスケートリンクで練習しています。リンクには年齢の近い人が少なくて寂しいと思っていたところ、駒場学園スケート部に出会いました。スケート部の人たちは最初から仲間として受け入れてくれ、勉強のこと、テストのこと、趣味のことなど何でも話ができます。
フィギュアスケートは練習時間の調整など、一人で頑張らなければならないこともたくさんありますが、同じ世界で頑張る仲間が学校にいるのは、とても心強いです。インターハイ予選の曲は、大河ドラマの『篤姫』を選びました。個人競技ではありますが、先輩たちの演技はとてもかっこよくて、いつも参考にしています。
蛯原大弥さん(高2)
僕は小学校からスケートをやってきて、スケート部のある学校で文武両道をめざしたいと思っていました。駒場学園スケート部は全日制の高校で、普通の学校生活を送りながらスケートに励むことができます。部の仲間と一緒に練習できる日は少ないけれど、学校では週1回、みんなで食事をする日もあります。インターハイには仲間意識をもって臨めるのがいいところです。KGサーキュレーション委員会にも参加してみたかったけれど、残念ながらそれは叶わず。でも循環型の制服はなかなか着心地がいいですよ。
勉強は移動時間に単語帳を開いたり、寝る前の時間を使ってテスト勉強をしたりするなど工夫しています。僕は海外遠征をすることもあり、海外の選手とコミュニケーションが取れるよう、英語力の向上は必須です。スケート部のポリシーは「強く、高く、華麗に」。仲間と共に力を発揮できるように頑張ります!
観客を引き込む力強い演技で、蛯原大弥さんはインターハイ準優勝を果たしました。
インターハイの演技に臨む鍋島咲稀さん。演技の最後を飾る“決めポーズ”が印象的。
部長の井瀧梨杏さんは、チームの雰囲気づくりに関わり部をまとめてきた頼れる存在。
駒場学園高等学校スケート部の部旗には、『強く、高く、華麗に』の言葉が掲げられています。
明治神宮外苑アイススケート場での練習後、いつもお茶を飲みながら語らう場所にて。駒場学園スケート部 期待の星、左から鍋島さん(高3)、蛯原さん(高2)、久徳さん(高1)、井瀧さん(高3)、顧問の寺沢先生。駒場学園の「K」を指で表してくれました。
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