「明敏謙譲」を建学の精神とする昭和学院高等学校の教育目標は「明朗にして健康で自主性に富み、謙虚で個性豊かな人間」を育てること。同校では生徒一人ひとりの個性や目標に合わせた5つのコースを用意。キャリアを支援しながら、総合型選抜から学校推薦型選抜、一般選抜まで、生徒が希望する入試スタイルに合わせた個別指導を行い、目標とする大学へと送り出しています。
「明敏謙譲」を建学の精神とする昭和学院高等学校の教育目標は「明朗にして健康で自主性に富み、謙虚で個性豊かな人間」を育てること。同校では生徒一人ひとりの個性や目標に合わせた5つのコースを用意。キャリアを支援しながら、総合型選抜から学校推薦型選抜、一般選抜まで、生徒が希望する入試スタイルに合わせた個別指導を行い、目標とする大学へと送り出しています。
英語力と世界基準の視野をもつ人材を育てる『IA(インターナショナルアカデミー)』、国公立大学をめざし、次世代のリーダーを育む『TA(トップグレードアカデミー)』、質の高い充実の学びで難関大学進学をめざす『AA(アドバンストアカデミー)、科学のロマンを追い求める『SA(サイエンスアカデミー)』、自分の手で将来を選び取る「GA(ジェネラルアカデミー)』。この5コースを用意して、生徒それぞれが個性を活かせる場を提供しています。
こうしたコース制の導入により、進学実績は着実に伸び、今春は東京科学大学(旧・東京工業大学)、北海道大学、筑波大学をはじめとする国公立大学に14名が合格。早慶上理には延べ人数で23名が合格しました。なお、同校の約半数の生徒が総合型選抜や学校推薦型選抜で進学しています。この2つは、高3の12月末までには合否が決まるため『年内入試』とも呼ばれています。
総合型選抜は大学が求める学生像に合う人物を、志望理由書や面接、小論文などで選抜する入試。学校推薦型選抜は出身高等学校長の推薦が必要な入試で、書類審査や小論文、面接などで選考する入試です。なお、どちらも面接や志望理由書で高校時代の活動実績をアピールすることが重要となります。一方、一般選抜は受験生の学力を評価する入試です。
林侑紀先生(社会科)林侑紀先生(社会科)は、大学入試に関して次のように語ります。
「『IA』の生徒は英検2級や準1級、また、英語4技能テストの『IELTS』(アイエルツ)の高スコアを活かして受験に臨んでいます。こうした外部の国際的な英語試験の実績を大学は評価しているため、それを活かして多くの生徒が総合型選抜や学校推薦型選抜で難関大学に合格しています。また、英語の試験を免除したり、加点したりする難関大学も増えているので、一般選抜で受験する生徒もいます。
一般選抜で受験する生徒が大半を占めるのが、国公立大学をめざす『TA』です。共通テストの出題科目は最大で7教科21科目。合格を手にするには私立大学よりも膨大な学習量が課されます。そのため入学時より準備に入り、高1では7時限まで授業を行い、高2からは週2回、8時限目を実施しています。また、長期休暇中には補習があり、揺るぎない学力を養うことができます。
『AA』も最難関大学をめざすコースですが、『TA』との違いは部活動に加入して文武両道に励む生徒が多い点です。そのため一般選抜だけでなく、部活動の実績を活かして総合型選抜や学校推薦型選抜を利用する生徒もいます。このコースも高い学力を培うため『TA』同様に放課後勉強会や長期休暇中の補習が用意されています。
『SA』では、朝活動でプログラミングを学んだり、探究活動の成果を論文にまとめたりします。この成果を総合型選抜や学校推薦型選抜でアピールできるのです。
在籍者が最も多い『GA』では、ほとんどの生徒が自分の好きなことや得意なことを活かし、総合型選抜や学校推薦型選抜で進学しています。昨年、このクラスから国立の香川大学に合格した生徒は学校推薦型で受験しました」
同校では、生徒自身で進路を決めたり、自分に合った学部・学科を選んだりできるように「ディスカバ!」を導入しています。「ディスカバ!」は桜美林大学が運営する「高校生のためのキャリア支援プロジェクト」。“メンター”と呼ばれる桜美林大学などの大学生が来校してファシリテーターを務め、「総合的な探究の時間」のなかで高1生、高2生のキャリア支援を行います。
「まず、高1の1学期には『探究とは何か?』をゲーム形式で学んでいきます。2学期からは一人ひとりが8分野から興味のあるテーマを選びます。そしてクラスの枠を越え、同じテーマを選んだ生徒と4〜5人のグループを組み、課題解決に向けた探究活動に励むのです。
例えば、経済に興味がある生徒なら、校内にあるコンビニエンスストアの黒字化計画を立案します。昨年は新商品を開発したり、お店のレイアウトを変えたりする案が飛び交いました。また、英語に興味がある生徒なら、和菓子について英語を使って紹介するにはどうすればよいかを考えます。
高2では、進路と紐づけた探究活動を行います。将来、幼稚園の先生をめざす生徒であれば、幼児教育が現在抱えている問題点を探り、その解決方法をグループで考えるのです。また、看護師や介護士など医療福祉系をめざす生徒も医療×国際や医療×ICTなどをテーマにグループで探究活動に励みます。
進路が定まっていない生徒や、好奇心が旺盛で数多くの分野に興味がある生徒に向けては、リベラルアーツをテーマとする探究活動も用意されています。また、米軍基地問題など沖縄の平和をテーマにした探究活動に打ち込むグループもいます。高2の2月に国内修学旅行で沖縄を訪れるためです」(林先生)
「ディスカバ!」の成果は、1月末に開催される『探究フェスティバル』で発表されます。また、探究活動の実績を総合型選抜や学校推薦型選抜でアピールする生徒もいるそうです。
「この『ディスカバ!』の目的は、自分が好きなことに向き合いながら、同時に社会について知り、抱いている夢を実現するためには何をすればよいかを常に思考しながら、自分を成長させ、進路に結びつけていくことです。生徒一人ひとりの興味・関心を引き出し、生徒の可能性を広げていくことが本校の教員全員の願いです」(林先生)
『ディスカバ!』では、探究の成果をまとめたポスターを作成して発表。それを見た生徒がシールを貼って評価します。
『ディスカバ!』の様子。グループで意見を交わして、探究活動に励みます。
『ディスカバ!』でタブレットを活用して情報を得、分析や検証を行います。
桜美林大学の学生が中心「メンター」となって生徒の探究活動をファシリテートします。
『ディスカバ!』では、相手の意見に耳を傾けたうえで、自分の意見を述べる姿勢の大切さも学べます。
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