本校の創立者である川島寛士は「英語の本場はイギリスである」と考え、ブリティッシュイングリッシュにこだわっていました。そこで本校ではイギリス人専任教員5名による英語授業のほか、3週間の短期留学「イギリス英語研修」を用意しています。研修先は、ロンドンの南東に位置するカンタベリーです。この街には国立ケント大学があり、その敷地内に系列の高等教育施設「チョーサー・カレッジ・カンタベリー」があります。研修中、生徒はこの施設で英語のレッスンを受けます。指導にあたるのは「TESOL」の資格を有するイギリス人講師です。生徒は習熟度別に8名から10名の少人数制のクラスに分かれ、イギリス人から生きた英語を学びます。
習熟度別のクラスには「S」「A」「B」の3つがあります。午後は教室を出て、ケント大学の学生や街の人と交流しながら、午前中に学んだ英語の成果を試します。また、校外学習としてロンドンなどを訪れ、イギリスの歴史や伝統文化を体験します。研修中に宿泊するのは「チョーサー・カレッジ・カンタベリー」の寮です。本校では高校にあがると寮生は一人部屋で過ごしていますが、イギリスではルームメートと二人ひと組で生活します。誰とルームメートになるかは生徒から希望を聞いています。帰国した生徒からは「二人部屋での生活からは学ぶことが多かった」という声をよく耳にします。一人部屋では気兼ねなく自由に過ごせますが、二人部屋では相手を気づかいながら生活しなければなりません。また、違う環境で育った生徒が同じ部屋で3週間も一緒に過ごせば、お互いに気まずくなるなど小さなトラブルも起きやすくなります。それを乗り越えていくことで、人間関係構築能力が鍛えられるのです。
以前は研修の前半は寮で生活し、後半は現地の家庭にホームステイをしていましたが、コロナ禍でホームステイは休止となりました。ホームステイではさらに多くの学びや気づきを得られるので、いつか再開できたらと考えています。
また、視野を広げられる点も「イギリス英語研修」のメリットです。イギリスでは経済格差が大きく、路上で女性から花を手渡され、受け取るとお金を請求されるケースもあります。ロンドンには多種多様な国々の方が生活しており、お店の人の英語が本校で習った英語と違い、とまどうことも。また、ニュースではあまり取り上げられませんが、ロンドンでは数多くのデモも行われています。3週間で英語力が劇的に伸びるとは限りませんが、英語を学ぶ意欲が高まること、そしてインターネットでは見ることのできない世界を体感することに、この研修の大きな意味があると考えています。