その後の人生において、大学受験がいかに重要な役割を果たすかについて深澤先生は次のように語ります。
「ひとつは大学受験を通して、教養を身につけられることです。特に筆記試験の一般選抜に向けた受験勉強によって幅広い知識が得られます。例えば、文系なら国語の問題集を解くことで多くの文章からさまざまな人たちの生き方や価値観に触れることができるのです。
大学へ進学したり、大学を卒業して社会人になったりした際、TOEICのスコアが問われます。TOEICに要求される英語力は国際社会に貢献するうえで必要不可欠です。受験勉強で英語をしっかりと学んでいれば、基礎ができているため、その上に勉強を重ねていくことで得点が得られるはずです。また、英語の長文読解には家庭科や保健体育、化学など他教科の知識が役立つことがありますから、他教科をバランスよく学ぶことも教養を磨くことに大きく貢献します。
こうして知識を積み上げていくと、大学入学後、あるいは社会人になってから、ある現象が起こります。長く疑問に感じていた事柄が、知識が増えていくにつれて頭のなかですっきりと解決でき、『なるほど!そういうことか!』と感動する瞬間があります。その時、『勉強して良かった』と心から思えるのです。この現象を私は“脳が喜ぶ”という言葉で生徒たちに伝えています。
大学に進学したら専門知識を、そして大学を卒業して社会人になれば、仕事に関する知識やスキルを身につけなければなりません。もしも学ぶたびに“脳が喜ぶ”現象が起きれば、新しいことを知ろうという意欲はますます高まります。こうして知識が増えるほど、教養が磨かれるほど、人生は楽しく豊かになっていくはずです。そして魅力にあふれ、信頼される大人になれるはずです。
もうひとつ、受験勉強の重要な役割は、一般選抜や総合型選抜に関係なく、目標に向けて全力を尽くしたことが財産になることです。本校を卒業して5年後、10年後、『あの時に頑張ったから今の自分があるのだ』と思え、壁にぶつかっても、それを乗り越える闘志や勇気がわいてくるからです。こうした勉強への原動力となるのが知的好奇心と言えます。毎日の生活のなかで『なぜ?』『どうして?』と多くの疑問を抱き、その答えを知りたいと思える生徒に本校で学んでほしいと思います。教養を身につけて、行きたい大学に全生徒を送り出すことが本校の願いです」